BYARDの現在位置(2024年1月)
新年あけましておめでとうございます。
年始から能登半島地震や羽田空港の接触事故など痛ましいことが立て続けに起こっており、心穏やかではないお正月を過ごされた方もいらっしゃると思います。被災された方々の一日でも早い復興をお祈りしております。
さて、2024年一発目のこのnoteではBYARDの現在地について書いていきます。1年前は2022年10月にプロダクトをローンチした直後で、まだ暗中模索状態でしたが、2023年に色々と試行錯誤もして、2024年はグッとアクセルを踏み込んでいこう、という状態になっております。
1.組織の拡大
2023年1月の段階では業務委託の方を含めても10名前後の組織だったのですが、2024年1月時点で社員数21名(SmartHRからの出向を含む)、業務委託の方を含めると30名弱の組織となりました。
2023年はBiz側の採用が順調で、Marketing、InsideSales、FieldSales、CustomerSuccessという各ポジションが複数名の体制になりました。
一方で、Product側の採用はかなり苦戦しました。それだけが原因でもないのですが、なかなか作るべき機能を想定通りの期間でローンチすることができませんでした。(詳細は後述)
フルリモート・フルフレックスは今後も続けていくつもりです。新潟や長野、福岡、沖縄などの首都圏外在住のメンバーも増えましたし、子育て中の人もたくさんいます。時間や場所にとらわれない働き方を、SlackやNotion、そしてBYARDをフル活用しつつ、四半期に1回のオフラインでのキックオフミーティングや、月1回のAll Hands(全社ミーティング)の機会をうまくいかして、コミュニケーションをはかっております。
手前味噌ではありますが、短期間でメンバーが増えた中で日々のオペレーションやコミュニケーションにおいては、BYARDの存在が大きいです。
Slackだけではその場のコミュニケーションだけになり、当事者以外は後から参照するのも難しいですし、Notionなどのドキュメントツールがあったとしてもそこにある膨大な文章を構造的に整理することは不可能です。
BYARD上で各種オペレーションを構造的に整理して、かつ、BYARD上で業務をしながら日々改善していくことができているので、その部分に対して組織全体でのストレスが本当にありませんし、抜け漏れや手戻りも非常に少なくできています。
Salesは受注処理、CSはプラン変更や事例記事の作成など、ほとんどのメンバーがBYARD上で業務を進めることが当たり前になっており、社内からもたくさんのフィードバックが得られるのがProduct側としてもありがたい環境です。
2024年はBiz側は組織としての効率性や質のアップの追求を、Product側はBYARDとしての機能をもう一段も二段も引き上げることを、しっかりと向き合っていきます。
2.プロダクトの停滞
2023年はフィットジャーニーでいうところのフェーズ2(PSF)からフェーズ3(SPF)の期間だと思っていましたが、SPFのところが想定以上に苦戦しました。
BYARDというプロダクトは、私の頭の中に作るべき機能がある程度揃っており、それをロードマップに落とした上で、ユーザーの要望や商談時の反応などを見ながら開発する順番を入れ替えるなどの対応をしています。ローンチしてから1年以上経ちましたが、事前に想定していなかった機能というものはほぼありません。
そういう意味では、ProductとSolutionはそこまでズレはないと言えます。
とはいえ、ロードマップに置くことと、それらをきちんと設計に落とし込み、開発していく工程は別物です。BYARDが少し特殊なアーキテクチャを採用していることもあり、2023年は多くの機能が想定よりも遙かに開発に時間がかかってしまい、細かい機能はローンチ出来ているのですが、大きなものはことごとくスリップしてしまいました。
ユーザー数も増えてきたので、大きな機能を開発していると、小さな改善が全然拾えなくなる、という対応は非常にまずいため、2023年の後半からUI・UXの改善を担当するチーム、BYARDの基盤を開発するチーム、BYARDと外部との連携アプリケーションを開発するチームの3つに分けました。
業務プロセスを構築している時はサクサク動きつつ、実際に業務を進めたり、進捗状況を確認している際は業務管理のDBとして機能するという要件は、作ってみると思った以上に大変でした。
使い勝手を日々チューニングしつつ、作るべき機能をちゃんと作りきる。そういう状態をProduct側は維持していく必要があります。
また、BYARDはタスク管理やプロジェクト管理のためだけのツールではないのですが、その要素が内包されている以上、既存のタスク管理・プロジェクト管理のツールで提供されている機能はある程度カバーしなければ、ユーザーさん側が二重管理になってしまう、という当たり前の事実にも気付きました。
これらの反省も踏まえて、2024年はBYARDというプロダクトをしっかり進化させ、PSFの段階にのせていきたいと思います。
3.オンボーディングの進化
BYARDが真価を発揮するためには、タスク管理・プロジェクト管理ツールとして使うだけではなく、ユーザーの組織での仕事の仕方を大きくアップデートしていただく必要があります。感覚的にはSalesforceを顧客管理DBとしてではなく、the modelを実践するためのソリューションとして活用する、に似ています。
そのため、当初より「CSは重要すぎるぐらい重要」と認識しており、Biz組織の中でもCSが一番人数が多い組織となっております。
BYARDのオンボーディング(初期費用をいただいております)では、BYARDというツールの使い方だけではなく、業務の棚卸し、整理、BYARDに落とし込む優先順位、周囲の巻き込み方、BYARD上で1回業務を実施した後の振り返りの支援まで、業務全体に渡って幅広くサポートしております。
BYARDというプロダクトの機能ももっともっと進化する必要はあるのですが、ユーザー組織の仕事に対する意識、業務管理のやり方などを大幅にアップデートしなければサクセスはできないと考えているため、CSは使い方のチュートリアルと業務のやり方の改善支援を「1:9」ぐらいの割合で提供しております。
また、BYARDのCSはあくまでも支援に徹し、ユーザー自身が業務の棚卸しや整理、そして改善までを一貫して出来るようにすることが必要不可欠であると考えているため、CSの担当者はコンサルタントよりもコーチに近いスタンスで臨んでいます。
2023年は動画コンテンツや導入事例など、そういうCSの考え方を多くのコンテンツとして発信することができました。
「CSも含めてBYARDというプロダクト(ソリューション)である」という考え方のもと、ユーザー企業のサクセスに向けて引き続き全方位的に支援していきます。
4.ターゲットの変化
私自身がスタートアップ界隈が長く、税理士としても中小企業を見ることが多かったので、当初はBYARDはスタートアップ及び中小企業をメインのターゲットであると考えていました。
また、BYARD社は10名前後の規模のころからBYARDというプロダクトをガッツリ使って、その恩恵は十分に感じていたため、規模が小さいうちから業務の属人化を防ぐことの必要性は疑いもしませんでした。
しかし、スタートアップ、中小企業ともに、100名未満の規模では「言っていることは分かるが、今は優先度が上がらない」という理由で多くが失注、導入いただいても早期にチャーンするという状態でした。
まず、規模が小さいうちから「将来を見据えて属人化しないようにしておきましょう」というのは過剰な要件というか、そんなことよりも他にやるべきことは無限にある、というフィードバックをたくさんいただきました。
また、規模が小さいからこそ、属人化していても「今はなんとかなっている」「BYARDを使わなくても把握できている」ということ言われました。
特にIT企業では、SlackやNotionのような最新のツールを使ってコミュニケーションがスピーディーに取れていることもあり、規模が小さいうちは「なんとかなっている」ということで、BYARDの必要性は低かったのです。
一方で、最初はターゲットではなかった製造業や大手企業のシェアード企業からの問い合わせが徐々に増えていました。そういう企業に対して「属人化の解消」や「引き継ぎの円滑化」の話をするとかなり前のめりで話をきいていただけましたし、商談も順調に進みました。
そこで2023年後半はターゲットを思い切って、100名以上の企業にシフトしました。その結果、プロダクトの機能面もそうですが、オンボーディングでの業務の棚卸しや整理、改善に価値を感じてくれる割合も増えてきました。
スタートアップや中小企業に「属人化」や「引き継ぎ」の課題がないわけではないのですが、単純に優先順位が低く、ツールを入れて(お金を払って)まで解決したい課題ではない、ということに気づけたのが2023年は大きな収穫でした。
また、プロダクトやオンボーディングの中身は変えずに、そのままターゲットをシフトできたのは不幸中の幸いでした。目先のデジタル化や自動化ではなく、本質的な業務プロセス全体の改善についての取り組みはある程度の人数がいて、社歴が長い企業ほど課題感をもっていることが分かりました。
SlackやNotionは非常に優れたツールですが、IT企業でなければ使いこなすのが難しいという話をよく聞きます。BYARDは業務プロセスを構造化して整理し、共有することができるため、SlackやNotionが使いこなせない組織でもスムーズに導入が進むということが多く、非IT企業の方々から支持いただけることが増えてきました。
「業務の標準化」「業務プロセスの可視化」はずっと昔から言われ続けていますが、マニュアルやフロー図の整備という手段がゴールになってしまい、本質的な改善には至っていない企業が多くあります。
BYARDはそういう企業にこそピタッとハマると感じています。また、プロダクトの機能だけでなく、CSが業務の棚卸しや整理、改善プロセスすべてにCSが関与して仕事の仕方を大きく見直すことを促していきますので、社内に「そういうことができる人」がいなくても改善が進みやすくなっています。
2024年は中堅企業の業務プロセスの可視化、改善などを中心に機能とオンボーディングをしっかり磨いていきます。
5.2024年の抱負
当初想定した「業務の属人化」や「引き継ぎができない」といった課題はどの企業でも存在しますが、その重要度が従業員数が多かったり、社歴が長い企業ほど高く、それがデジタル化も妨げているという根深い課題があります。
2024年はこれまで以上に人手不足が顕在化してくるでしょう。これまでのように「業務が回らないからリソースを投下する」という解決策はもうとれません。リソースが増えない(むしろ減る)なら、やり方を大幅に見直して、効率をあげるしかありません。
デジタル化やAIの活用も意味がないとはいいませんが、目先の対応では業務全体の効率化に貢献する比率は極めて低いでしょう。開発手法は「アジャイル」が主流になり、「ウォーターフォールには何のメリットもない」とまで言い切る人もいるぐらい大きくパラダイムがシフトしましたが、開発だけでなくあらゆる業務が本来的にはアジャイルに改善し続けていくべきだと私は考えています。
ExcelやWordで作られたマニュアルやチェックリストではその対応は不可能です。業務を「決められた通りに処理をする」ことをゴールにするのではなく、期限管理や進捗管理は当然に行いつつ、「業務全体の最適化」をスピーディーに行える状態を維持することこそが今こそ必要です。
BYARDはその基盤となるべく、2024年も邁進してきますので、何卒よろしくお願いいたします。
BYARDのご紹介
BYARDはツールを提供するだけでなく、初期の業務設計コンサルティングをしっかり伴走させていただきますので、自社の業務プロセスが確実に可視化され、業務改善をするための土台を早期に整えることができます。
BYARDはマニュアルやフロー図を作るのではなく、「業務を可視化し、業務設計ができる状態を維持する」という価値を提供するツールです。この辺りに課題を抱える皆様、ぜひお気軽にご連絡ください。