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あらためて「BYARD」のご紹介

こんにちは、BYARDの武内です。

テレビドラマはほとんど見なくなりましたが、『ブラックペアンシーズン2』は楽しく拝見しています。

海堂尊作品はほとんど読んでいて、口は悪いけど腕は立つなんてキャラクター造形、最高ですねw

さて今回のnoteはあらためて「BYARD」についてのご紹介をしようと思って記事を書き始めました。サービスの形や方向性もこの半年でだいぶ変化してきたので、今のBYARDのことについてこの記事で理解していただければ幸いです。


1.オペレーション・マネジメントサービスの必要性

世の中にはすでに優れたタスク管理ツール、プロジェクト管理ツールが多数あり、スプレッドシートを使えば自由に管理表が作れます。これで必要十分な企業にとっては何の問題もありません。

しかし、うまく言語化はできないが「情報の共有ができていない」「全体感が把握できないままタスクを処理している」というもやもやした課題はずっと存在していたと思います。

私自身はそれらの課題を解きほぐしていくために「業務設計」というアプローチで様々な企業を支援してきましたが、BYARDというツールを開発したことで「業務設計」という抽象レイヤーと「タスク管理」や「プロジェクト管理」という具体レイヤーを繋ぐことができるようになりました。

タスク管理ツールでは、個別のタスクレベルは見れるが全体の流れやそのタスクの位置づけがマネジメント側には分かりません。

プロジェクト管理ツールでは、全体のスケジュール感と進捗状況は分かるが、現場の担当者側の細かいタスクをきちんと管理することは困難です。

どっちがいいかは、何を管理したいかで変わってくるのですが、問題はこれらが連携されずにそれぞれがバラバラで運用するしかないことであり、その隙間を人が頑張って埋めているのが実態です。

会社やプロジェクトの規模が大きくなるほどにその負担は大きく、かつ、複雑性も増していくので、マネジメントと現場の乖離が大きくなっていくということが起きています。

BYARDはもともとは100名未満ぐらいの企業をイメージして開発し始めたものでしたが、その規模ではマネジメントと現場の乖離や、業務の複雑性や柔軟性をシステム側で受け止める必要があまり大きくなく、「そこまでやらなくても大丈夫」と言われることが多くありました。

最近では、数百〜数千名ぐらいの規模の企業様からの引き合いが増えており、その中ではやはりタスク管理とプロジェクト管理の間のぽっかり空いた領域にBYARDがハマってくれています。

ただ、「プロセス管理」という風に表現するともう少し大きな粒度での管理をイメージされる方も多かったため、「オペレーション・マネジメント」という言葉を使い始めました。

企業が行うひとつひとつのオペレーションは、単独で存在するのではなく、前後のタスクとの関連性や、その業務の目的と繋がりなどが必ずあります。ただ、その全体感を意識しながら業務をすることはほぼできていません。

そこを解決するために一連の業務(=オペレーション)という風に定義して、オペレーション・マネジメントを提唱し始めました。

AIなどのテクノロジーが発達していくことによって、「オペレーション」の範囲や意味合いは今後も変わってくると思いますが、一連の業務プロセスに人間が一切関わらないということはないはずです。

パソコンやスマホの登場は私たちの生活はもとより、仕事の仕方も大きく変えましたが、ビジネス上の処理をする上ではまだまだ人間の管理をする必要がある領域が無数にあります。全体の中でのあるポイントにおいてはテクノロジーの恩恵を大きく受けるところも出てきますが、業務プロセスで見れば人間が全体をしっかりとコントロールし、調整をして仕事を進めていくことの重要性はむしろテクノロジーがなかったときよりも増しているのです。

自動処理やシステム間の連携が「すごい」「便利」と感じることは否定しませんが、そこをゴールにしてしまうとおかしなことになります。

テクノロジーが発達して様々な処理が効率化されるからこそ、あらためてオペレーション・マネジメントの重要性が見直されてくるのではないかと私は考えています。

2.柔軟な運用を可能にするプラットフォーム

「うちは特殊なんで!」

業務設計支援の中でこのセリフを何度聞いたか分かりません。しかし、業務プロセスという観点でのその内容を紐解いてみれば、特殊なのはほんの一部で、その8〜9割は同じような業務フォーマットになっています。

業務のコンサルティングを生業とする方々からも同じような話を聞きます。

つまり、「特殊」でないわけではないのですが、一から十まで完全なオリジナルではなく、そのほんの一部だけが自社独自のやり方や考え方で運用されているすぎません。

普通に企業で勤めていると数十社の同じような業務プロセスを比較して見るという経験をすることはありませんが、コンサルタントはそれこそが仕事の根幹であり、だからこそ全くの部外者なのに「こっちの方がいいですよ」という提案ができるのです。

私がBYARDというプロダクトを提供してみて改めて感じたのは、業務プロセスの型(いわゆるベスト・プラクティス)はある程度は提供することはできるが、各企業ごとのこだわり(いわゆる「特殊な部分」)こそが重要であり、そこにたくさんの人達が魂を込めているということでした。

業務を整理し、業務設計書を書き起こし、キレイな「こうすれば効率化される」という提案書を作ったとしてもそんなものは机上の空論にすぎない、ということをBYARDを通じてお客様から何度も教えていただきました。

私たちはどこまでいっても部外者であり、(第三者だからこそ見えるものもありますが)企業の競争力の源泉はやはり中の人にしか分からないのです。

だからこそBYARDは、「テンプレート」側で業務プロセスのフォーマットは定義しつつ、実際に発生した「案件」側での柔軟な修正や処理のスキップを可能にしています。

TODO管理ができるソフトウェアで、「DONE(完了)」以外に「スキップ」という処理ができるものは多くないと思いますが、事前にすべてを網羅し、すべてを完璧に定義することができない以上は、現場における裁量で「今回はこの処理は必要がない」と判断し、その記録を残せることは重要だと考えています。

進捗管理だけではなく業務のログという観点でも、「処理をしたもの」と「(今回は必要がないから)処理をしなかったもの」がどちらも「DONE(完了)」でされてしまうと、業務の型が間違っている(もしくは過剰である)ことに管理者側も気付くことができません。

組織のサイズが大きくなるほどにトップダウンですべてを管理することは不可能になります。一定の裁量を与えられた現場が、その範囲内で柔軟に対応をするというのは日本中の企業で当たり前に行われていることです。

マニュアルや業務フローを作る側は「この通りに業務を処理する」ことを当然に期待していますが、社内外の関係者との調整や想定外のことへの対処によって、(いい意味で)柔軟に現場で対応することで回っているの業務というものなのです。

BYARDも初期は「あらゆる企業が使えるテンプレート集」が必要ではないかと考えていましたが、それよりも各企業からの業務のヒアリングと棚卸し、整理、再構築などを通じてオーダーメイドで業務プロセスをBYARD上で再現することが必要不可欠であると考えるようになりました。

前述の通り、ほとんどの業務の8割は同じような流れになるため、オーダーメイドといっても、すべてをゼロから構築するわけではありません。ただ、私たちが考えるベスト・プラクティスを押し付けるのではなく、ベスト・プラクティスを頭に入れた上で、各企業の業務や組織の実態に合わせてカスタマイズした業務プロセスをBYARD上で構築して、お使いいただくようにしています。

SaaSの初期設定というよりも、PaaSの初期構築(いわゆる「インプリ」)に近いものになりますので、それなりの時間と工数がかかります。費用もそれなりにいただいておりますが、業務設計ノウハウが蓄積されたBYARD社によるヒアリングや業務設計書の作成なども含まれているので、概ね満足いただいております。

BYARDの操作や機能の説明ではなく、BYARD上で運用を回すための初期構築になりますので、新規導入いただく企業様には初期3ヶ月は私たちの設計支援サービスをご利用いただくことを必須にしております。

3.可視化はスタートラインにすぎない

先日、BYARDのサービスサイトをリニューアルしました。

BYARDは業務プロセスを構築するUIをメインで訴求してきたこともあり、そこに興味を持ってお問い合わせいただくことも多々あります。

ただ、「可視化ができればいい」とおっしゃるお客様には、「それだけだと、もったいないですよ」とお伝えするようにしています。もちろん、各社の状況にもよるでしょうし、「今期のミッションは可視化だ」というケースもあるのは承知していますが、可視化することをゴールにしたプロジェクトが生産性の向上に繋がったケースを私はほとんど知りません。

工場の製造ラインなどとは違い、ホワイトカラーの業務プロセスはフロー図などで描き出さないと目で見て理解することはできません。内部統制の三点セット(フローチャート、業務記述書、リスクコントロールマトリクス)を用意する際も、業務プロセスの可視化は重要な要素になっています。

「可視化」は非常に重要ですし、業務プロセスが可視化されていないことには関係者との共有や改善もスムーズにできません。可視化は業務の統制や管理の観点で絶対に外せないポイントなのです。

内部統制だけの観点であれば、可視化して、その通りに業務をやっているかをチェックして、ということで目的は達成されるのかもしれませんが、収益性を向上させたり、競争優位性を構築するところまで考えれば可視化だけではそのスタートラインに立っただけにすぎません。

BYARDは「ストリーム」という概念を用いて、可視化→業務管理(オペレーションの統制)→改善をスムーズに実現するためのプラットフォームとして提供しています。

せっかく業務を可視化するなら、そのまま業務の管理(マニュアル、フロー図、進捗管理)にも使えた方がいいし、業務管理しながら業務を改善していって、業務をどんどん標準化していった方がいいに決まっています。

これをスプレッドシート、TODO管理ツール、ドキュメントツール・・・などに分散させてしまうと、可視化は出来ても、その後の管理はバラバラになりますし、そこからの改善や標準化には相当の手間と時間が必要になり、基本的には可視化だけで力尽きて終わってしまうのです。

可視化だけでいいなら、BYARDは機能も価格もToo Muchです。

しかし、業務の引き継ぎや標準化の部分に課題を抱えていて、なんとか生産性を向上させようというプロジェクトとして取り組むなら、BYARDはプロダクトとしても業務設計支援サービスとしても、かなり活用していただけると思っています。

まとめ

だいぶ長くなりましたが、BYARDは当初の業務設計プラットフォームからオペレーション・マネジメントサービスへと大きく変化をしております。

特定の業務を効率化するプロダクトではないので、初期構築に数ヶ月の期間を要しますが、逆にかなり柔軟に各社の業務プロセスをストリームという形で再現し、運用にのせることができる機能とその作成を支援するサービスを提供しております。

また、自動化やシステム連携を前提にしたものではないので、「これからDX推進に取り組みたい」と思っている企業様にもスムーズに導入いただけます。実際に、ここ半年では製造業や学校法人、不動産業などの「紙が多い業界」での導入事例も増えております。

ありそうでなかった「業務プロセス×タスク管理・プロジェクト管理×マニュアル(情報の一元管理)」ができるBYARD。少しでも興味をお持ちいただいた方はお気軽にご連絡ください。


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武内俊介@業務設計士
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