2022.December~コーヒーの話~
※今月は長文のため興味のある項目だけ読みたい方は目次から各セクションにジャンプできます。
また最初に目次の内容(どんな内容の話なのか?話の全体像など)を確認いただくと内容がより解りやすいと思います。
序文
12月に入り急に寒くなりましたね。
温かいコーヒーが美味しい季節になりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
という訳で今月はタイトルにもある通り、
いつもと趣向を変えてコーヒーの話です。
年末ゆっくり過ごされる方、または年末こそ忙しいよ!という方にとってもホッと一息できるツールとしてはコーヒーも良いのではないかと思います。
PLAYLIST "Coffee Break"
※今回のテーマを元にセレクトしました。
記事のお供にどうぞ。
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以前コーヒーショップで務めていた経歴があり
先日友人からコーヒーの淹れ方についてアドバイス求められ、せっかくだからnoteに記録しようと思い、この記事を書いています。
ご自宅でコーヒーを淹れているという方は参考にしていただけたら幸いです。
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以前コーヒーセミナーをやっていたときに御参加いただいたお客様からの声で多かったのが「自宅でコーヒーは淹れるが細かい事はあまり分からない。」「興味があっても普通に淹れられているし、それ以上は難しそう、なかなか重い腰があがらない。」というものでした。
これからお話する内容も、そういったご自宅でコーヒーを淹れる際に「何となく」でやっている部分を具体的にはどんなところに気を付けたら良いのか?という事を前職で学んだ知識を元に個人的な見解も交えながら幾つかポイントをお話していこうと思います。
ご自宅でコーヒーを淹れるという事については色々なイメージがあると思います。
私の自論としては「手軽に美味しく!面倒と感じるポイントがあればやらなくてよい!」です。
美味しく淹れる知識があったとしても、それを実践する中で億劫になったりすると、それはそれで本末転倒ですし、やはり楽しんで続けられない事には意味が無いと思いますので。
という事でテーマとしては
「家庭でも簡単に美味しく」
初級~中級程度の内容でお話していきます。
【初級編】
コーヒーを美味しく淹れるために抑えるべき4つのポイント
標題の通りポイントは4つです。
結論から言うと
コーヒー豆の 鮮度・分量・挽き具合
抽出する際の 水(お湯)
以上4つのポイントを少し気にかけるだけでご自宅でも更に美味しくコーヒーを淹れる事が出来ますので、それぞれの項目について掘り下げてお話していきます。
初級編① 鮮度
このセクションではコーヒー豆の鮮度を保つための保存方法について触れていきます。
コーヒー豆は生鮮食品と似たような扱いをすると考えていただければと思います。
といっても生魚ほど消費期限が短い訳でも無いですし保存方法も似て非なるところがあるので、そのあたりをお話していこうと思います。
まずお勧めの方法として
①常温保管(光に当たらない冷暗所)
②1週間くらいで消費できる分量を買う。
この2つがポイントです。
上記の理由としてコーヒー豆にとっての外敵要因が挙げられます。
コーヒーの外敵要因は以下4つ
光・熱・湿気・空気 です。
これらを見て解る通り生鮮食品にとって良くない要素と被ります。
ただ違うところは常温保管という部分です。
なぜ生鮮食品のように冷蔵庫保管がNGなのか?
それは冷蔵庫の中は湿気を帯びているのと開閉の頻度が高いため温度差でコーヒー豆の表面に結露ができてしまいます。
また「酸味の強いコーヒーが苦手」という声をよく聴きますが、これは酸化してしまったコーヒーを飲んでいる可能性があります。
これもコーヒーの外敵要素である空気に触れる時間が長期に渡ってしまった事が考えられます。
そのためできるだけ空気に触れないよう保存する事もポイントです。
この事に関連していうとコーヒー豆は挽きたての方が断然美味しくいただけます。
挽いた後はコーヒー豆と空気の触れる面積が増えてしまうからです。
(この項目については後の挽き具合のセクションでも詳しく触れます。)
上記を踏まえて実際のご自宅でのシーンに置換えてイメージしてみます。
・コーヒーを保存するもの
理想は密閉性の高いキャニスターなどがよいです。
(百均などで売られている安価な物でよいです。)
これは透明ですが可能であれば外側から中が見えない物で密閉性が高ければ尚良しです。
例えば茶筒みたいなものでも良いと思います。
しかし最近ではガラス製のものが多いので、このように中が見える(光が当たってしまう)造りの場合でも直射日光に当たらない所へ保管できればOKです。
光があるところには熱が発生します。
コーヒー豆にとって温度が高い状態は風味の劣化を早める事に繋がってしまいます。
というのがより良い方法ではありますが、
「やはり面倒。」または「実現が難しそう。」
という意見もあると思います。
考えられそうな事として
・そもそも1週間ごとに買うのが面倒。
・期間限定の豆を買い貯めしておきたい。
などが挙げられそうですね。
その場合は冷凍庫保管をお勧めします。
可能であれば1週間分を小分けにして保管して下さい。
(真空パックに入っているものはそのまま封を開けずに冷凍庫へ入れて良いです。)
小分けにする理由は上記の通り出し入れの頻度が高くなると結露が発生してしまうからです。
とはいえ先にも書いたとおりコーヒーは生鮮食品と同じようなものです。
日数が経てば経つほど風味は落ちてしまうので、無理のない範囲で上記挙げたポイントを元にご自身に合った方法で早めに消費していただくことをお勧めします。
初級編② 分量
このセクションは美味しく淹れるためのコーヒー豆とお湯の分量とは?という話です。
結論
コーヒー豆 10g : お湯 200cc
これを目安にして下さい。
ここでもやはり「どうやって量ればよいか?」「そもそも量るものがない」等、色々と懸念材料が出てくると思うので、できるだけご自宅で実現しやすい方法というところを軸にお話していきます。
まず、ご自宅にコーヒー豆を計量するスクープが無いという方は高価な物でなくてよいのでご購入をお勧めします。
「やっぱり買うんかい」と言われそうですが…
1度買ってしまえばずっと使えますので。
「キッチン用品が増えるのがちょっと…」
という方は一般的なキッチン用計量スプーンの大さじに軽く山盛り2杯が10g相当です。
※水に関して
ドリップメーカーを使っている方は10gの豆を使用する場合200cc、20gの豆を使用する場合400ccといった要領で先に計量してみて下さい。
ハンドドリップで淹れている方は先に計量する必要はありません。
むしろコーヒーケトル(お湯を注ぐ用のケトル)にたっぷり入る分のお湯を沸かして下さい。
(少ない量だと抽出しづらいので)
ではどこで分量を量るのか?
この場合は抽出後コーヒーの出来高で判断します。
コーヒーサーバーはこのように目盛りがついているものが大半なのでこれを分量の目安にしていただければと思います。
サーバーに目盛りがついていない場合はコーヒー豆やペーパーフィルターに吸収される分を考慮し、10g抽出の場合は約180ccの出来高、20gの場合は約380ccといった要領で、これを目安に印を付けると良いです。
このあたりは若干の誤差は気にしなくて大丈夫かと思います。
恐らく想像していたより1回の抽出に消費するコーヒー豆の量が多く感じると思います。
コーヒー豆も安くはないので出来れば少ない豆の量で沢山のコーヒーを抽出したいと思うかもしれません。
また、サッパリとした味わいの方が好みなので薄めに抽出したいというニーズもあると思います。その場合は上記のバランスで抽出した上で後からお湯で割って下さい。
理由としては目安より少ない量のコーヒー豆で抽出するとコーヒー豆とお湯の接している時間が長くなり過ぎるため、コーヒーのエグ味まで抽出する事になり過剰抽出となってしまいます。
例えるならば出がらしの茶葉でお茶を淹れるような状態なので上記分量を目安にしていただければと思います。
初級番外編②-1 アイスコーヒーの分量
アイスコーヒーの場合は豆の分量をおよそ倍で抽出します。
ハンドドリップの際は写真のようにサーバーにたっぷりの氷を入れて、前に記載した要領でサーバーの規定の目盛りまで抽出します。
(10g使用で大体180ccの目盛りまで抽出)
ホットに対してアイスの抽出量は1/2になる訳なのでホットと同じ目盛りのところまで抽出して大丈夫なの?という疑問が発生すると思いますが、アイスドリップの場合サーバーに予め氷を入れるため抽出されたコーヒーの入る隙間がだいたい1/2になるという理屈です。
このようなレシピにする理由として、氷を予めサーバーへ入れておく事で急冷するというのが最大のポイントだからです。
抽出したてのコーヒーの香りや風味を急冷することにより一気に閉じ込めるといった感じでしょうか。
この方法で淹れたアイスコーヒーは香り立ちが格段に違うため来年の夏は是非お試しを!
初級編③ 挽き具合
挽き具合に関しては購入したお店で挽いてもらったり、挽いてあるコーヒー豆を購入する等、普段あまり意識しない部分だと思いますが、非常に重要なポイントです。
また、これからご自宅でコーヒー豆を挽きたい(コーヒーミルやグラインダーの購入を検討している)という方はここでのセクションを参考にコーヒー豆を挽いてみてください。
では、どんなところをポイントとして挽き具合を調整するのか?
それは抽出する器具によって挽き具合を変えます。
お店でコーヒー豆を挽いてもらっているという方は挽き具合をオーダーする際にご自宅で使用している抽出器具を店員さんにお伝え下さい。
※下記、代表的な抽出器具と挽き具合目安です。
・ペーパーフィルター: 中挽き~中粗挽き
・コーヒープレス: 粗挽き
・エスプレッソマシン: 極細挽き
これはコーヒー豆とお湯の接している時間が抽出の方法により異なるところに起因します。
・ペーパーフィルター(ドリップメーカー)
その名のとおり挽いたコーヒー豆の上からお湯をドリップ(滴下)する抽出方法のため挽き具合が粗過ぎるとコーヒー豆とお湯があまり触れず下に落ちてしまうため抽出不十分となりますし、細か過ぎてもコーヒー豆とお湯の接している時間が長過ぎて抽出過多となってしまいます。
中挽きといってもどのくらいの状態か分からないと思いますのでお店で調整してもらうか、ご自宅で挽きたいという方はコーヒー豆を購入したお店で挽き具合のサンプルを貰っても良いと思います。
(状況お話すれば恐らく貰えると思います。)
1度試してみた上で
濃すぎればもう少し粗挽きへ
薄すぎれば細挽きへ微調整してみて下さい。
コーヒープレス
コーヒー豆本来の風味を楽しみたいという方にはコーヒープレスもお勧めです。
写真を見てピンときた方もいらっしゃると思います。
どちらかというと紅茶の抽出方法の方が馴染み深いと思いますが実はプレスの抽出方法はコーヒープレスの方が歴史が深いと言われています。
写真の通りコーヒー豆に直接お湯を注ぎ4分間蒸らした後、金属製のメッシュフィルターを押し下げて(プレスして)抽出する方法です。
挽き具合ですが、構造上ペーパーフィルターよりフィルターの目が粗い点と一定時間コーヒー豆にお湯を浸すため粗挽きにします。
これが細かすぎるとプレスする際にコーヒーの粉が必要以上にフィルターを通過してしまったり、水分を含んだコーヒー粉の密度が上がり固くなるため上手くプレスできなかったりします。
仕上がりは何となく想像できると思いますが、ドロっとした苦々しいコーヒーになってしまいます。
エスプレッソマシン
ご自宅での抽出方法としてはハードルが高いと思いますが、カプチーノやラテを作ってみたいという方もいらっしゃると思いますので参考までに記載します。
エスプレッソ(espresso)の語源は英語で言うところのexpress(特急)からきています。
※ express(英)=espresso(伊)
エスプレッソマシンの抽出方法はフィルターに極細挽きのコーヒー豆をタンパーと呼ばれる器具で均一に敷き詰めます。これをダンピングといい、この行程が非常に重要です。
そして、その名のとおり急速に濃縮したコーヒーを少量で抽出する方法です。
(今回、詳しい抽出方法に関しては割愛します。)
挽き具合は先にも記載したとおり極細挽きです。
ここまでのお話を踏まえると何となく想像できると思いますが器具の構造上お湯を勢いよく流すため粗挽きだとコーヒー豆のエキスを抽出できないままお湯がすり抜けるといった状態になり抽出不十分となってしまいます。
このように挽き具合の調整は抽出器具によって変える訳ですが、その理由としてお湯とコーヒーの接し方が抽出器具によって違うため、抽出過多・抽出不足を防ぐためです。
鮮度の部分でお話したとおりコーヒー豆は挽きたての方が断然美味しく淹れられるためコーヒーミルやグラインダーの購入をお勧めしますが、やはりハードルが高いという方もいらっしゃると思いますので無理なく実現可能な範囲で良いと思います。
ただ、挽きたての豆で淹れたコーヒーの香りは格別なので、これを期にチャレンジしてみるのも良いと思います。
これに関連して、以前グラインダーをお勧めした際に「コーヒーミルではダメですか?」とご質問いただいた事がありますが、答えとしては好きな方で全く問題ありません。
どちらにも良いところがあります。
ただ今回テーマとしている手軽に(楽に)美味しくというところでは個人的にグラインダーをお勧めします。
理由は、やはり機械の力を使った方が楽に挽きムラが少なく綺麗に挽くことができるからです。
一方のコーヒーミルですが、たしかに挽くのに少し労力を要しますが、茶道のようにコーヒー豆を軽量し挽く行程も含めひとつの所作と考え、その部分も楽しむという事であれば、これもまた非常に良いと思います。
じっくり丁寧に1杯のコーヒーを淹れるまでの過程とその雰囲気を楽しむという事もひとつの調味料になると思いますので是非好きな方法で楽しんで下さい。
上記挽き具合のポイントを踏まえ、グラインダーの購入を考えている方は少し値が張っても挽き具合を調整できるタイプがお勧めです。
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初級編④ 水(お湯)
コーヒー成分のほとんどは水です。
絵画に例えるならばキャンバスのようなもので、これも重要なポイントであり一定の品質を保つのが難しいイメージがあると思いますが、実は1番簡単に実現可能な項目です。
また、ここでは抽出する際の温度についても触れていきます。
結論
ご家庭の水道水でOKです!
といっても上記挙げた通りコーヒー成分のほとんどは水なので、混じり気のないクリアな水がベターです。
可能であればBRITAなどの濾過器を通した水やご自宅の水道に浄水器があればそれを通した水がより良いと思います。
ここも無理なく実現可能なところで良いと思いますので、あまり神経質になり過ぎずで。
ちなみに私は水道水をそのまま使用しています。
上記理由としてはコーヒー抽出において適した水質が軟水とされているからです。
日本の水道水は軟水なので水道水で十分ということです。
このあたりは恐らく国によって異なると思われます。(北欧などは硬水が主流だと思うので)
そのため美味しいコーヒーを淹れるためにわざわざミネラルウォーターなどを購入する必要はありません。
むしろ日本で売られているメジャー商品のほとんどが硬水なのでコーヒー抽出というところでは不向きだと思います。
・お湯の温度
お湯の温度は90℃が目安です。
ではどのように判断するか?
キッチン用の温度計があるというご家庭も多くはないと思いますので、そのあたり目安にするポイントがあります。
まずお湯を沸騰させ煮沸消毒します。
沸騰後に火を止めた際、やかんの取っ手に触れるとグツグツと沸かした後の振動が微妙に残っていると思います。
それが収まったあたりが95℃~90℃位の状態なので、これを目安にしていただければと思います。
見た目でいうと、お湯の表面に沸かした時に出る気泡がキレイに無くなったあたりです。
これらコーヒーを美味しく淹れるポイント等は現代において色々なところで情報を入手する事ができ、それぞれで紹介している内容が微妙に異なる場合があります。
そもそもコーヒーは嗜好品であり、その抽出方法においても色々な流儀が存在するためです。
なので今迄挙げたポイントを参考にご自身に合ったやり方、好みの味に調整するのは全く問題ないと思います。
自分なりのコーヒーライフを演出する楽しみもあると思うので、あくまで参考として捉えていただければ幸いです。
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前半はコーヒーの抽出についてでしたが、
ここからはコーヒーをより楽しむためのポイントとしてコーヒー選びについて触れていきます。
【中級編】
コーヒー豆の選び方
お店にコーヒー豆を買いに行くと色々な種類がありますが、どのコーヒーがどんな風味なのか分からない!という方もいらっしゃると思います。
コーヒーも農作物であり一重にこのコーヒーはこういう味と定義するのはなかなか難しいですが、いくつかポイントを抑えれば好みの味を選びやすくなるため、そのあたり紹介していきます。
まずコーヒー豆の風味を左右するポイントが3つあります。
・コーヒー豆の産地
・コーヒー豆の焙煎具合
・コーヒー豆の加工方法
以上3つのポイントによって風味が異なりますので1つずつ解説していきます。
中級編① コーヒー豆の産地
コーヒー豆の特徴において大半の要因が産地といっても過言ではありません。
人間がどのような環境で生まれ育ったかという事と似ています。
極端な話これをある程度知っているだけで好みのコーヒーに出会う確率は格段に上がります。
まずはコーヒー豆がどのような場所で栽培されているのか?というお話です。
コーヒーは熱帯地域の標高の高いところで栽培されます。
黄色いラインで帯状に記された部分が赤道を中心に南北25度に位置するコーヒー栽培に適した地域としてコーヒーベルトと言われています。
このコーヒーベルトを写真のように大きく3つの地域に分けることができ、その地域によって風味の個性が分かれます。
これを基に考えると、地域の特徴を捉えれば好みのコーヒーを探しやすくなるという事です。
また、コーヒー豆の銘柄は原産国の名前がそのまま銘柄になっているケースが多いため、お店で購入する際のヒントとなります。
(コーヒーの名前が国名でなかったとしても原産国くらいは容易に特定できると思います)
※銘柄に関しては国名の他に地方名や農園の名前、加工方法、焙煎具合、等級、品種などが使用される場合もありますがここでは割愛し後に軽く触れます。
それでは3つの地域の特徴を紹介していきます。
これに関しても風味の感じ方は人によって様々なため、あくまでご参考と捉えていただければと思います。
中級編①-1 ラテンアメリカ(中南米)
日本に輸入されるコーヒーの大半は、この中南米で採れたコーヒーです。
個人的に日本人の味覚にも合っているのではないかと思います。
風味の特徴は
バランスがとれておりサッパリとしていて軽やかな風味、良質な酸味が特徴です。
代表的な原産国は
・ブラジル
・グァテマラ
・コロンビア(エメラルドマウンテン)
・ジャマイカ(ブルーマウンテン)
・コスタリカ
・キューバ(クリスタルマウンテン)
etc.....
こちらのラインナップを見ても馴染み深い名前がほとんどだと思います。
国により少しずつ個性が違うため参考までに国ごとの特徴をいくつか紹介します。
ブラジル
オレンジのような柔らかい酸味からシリアルのように軽やかな口当たりのものまで様々ですが、基本的な特徴として、非常にバランスが良くブレンドのベースになる事も多々あります。
恐らく日本への輸入量No.1でしょう。
(最近のデータが解らず定かではありませんが…恐らく)その為、日本人の方にとって馴染み深い味わいなのではないかと思います。
ブラジル産のブルボン種という非常に希少性の高い品種も有名です。
グァテマラ
カカオのような仄かな甘みと香ばしさが特徴で
中南米産のコーヒーの中では比較的コクが豊かな風味でアイスコーヒーやミルク入り等、多種多様な楽しみ方のできるコーヒーです。
グァテマラ産のコーヒーでアンティグアという銘柄がよくありますが、これは地方名です。
またハイマウンテンという名称もありますがこれは豆の等級を表しておりグァテマラやコスタリカは豆の等級を栽培された標高で格付けしています。
コロンビア
ナッツのような香ばしさと軽やかさに、ナッツ類の渋皮に感じられるような独特の舌触りも特徴のひとつです。
コロンビア産のコーヒーでスプレモという銘柄がよくありますが、これも豆の等級を表しておりコロンビアでは豆の等級を大きさで格付けしておりスプレモというのは大ぶりの豆という事です。
ジャマイカ(ブルーマウンテン)
高級な銘柄として知られていますが、バランスが良く良質な酸味が特徴で洗練されたスッキリ感・爽やかさと明るさが感じられます。
中級編①-2 アフリカ
コーヒー発祥はこのアフリカ地域に属するエチオピアと言われています。
更にコーヒーの語源もエチオピアのカファ地方からきており、9世紀のエチオピアで、ヤギ飼いの少年カルディが、ヤギが興奮して飛び跳ねていることに気づき修道僧に相談したところ、山腹の木に実る赤い実が原因と判り、その後修道院の夜業で眠気覚ましに利用されるようになったのがはじまりと言われています。
風味の特徴ですが、コーヒー発祥の地というだけあり、非常に個性豊かなコーヒーが採れやすい地域で、特に香り・酸味に特徴があります。
代表的な原産国は
・エチオピア(モカ シダモ、モカ ハラー)
・ケニア
・タンザニア(キリマンジャロ)
・ルワンダ
・イエメン(モカ マタリ、モカ サナニ)
etc.....
これらの国名や銘柄も馴染み深いものが多いと思います。
アフリカ地域は特に国によって個性が異なるため代表的なところを紹介していきます。
エチオピア
中程度のコクにフローラルな華やかさと微かなシトラス、ハーブ系の風味が特徴で、例えるならばハーブティーのような風味が良い意味でコーヒー離れした特徴といえます。
代表的な銘柄でモカハラー、モカシダモなどがあります。
ハラー、シダモはエチオピアの地方名です。
ケニア
シトラス系の香りと酸味が特徴で特にグレープフルーツやレモンのようなビターシトラス系の爽やかさが感じられます。コクは中~重程度。
タンザニア産で有名なキリマンジャロはタンザニア北部ケニアとの国境付近にあるキリマンジャロ山で栽培されたコーヒーというところで風味もケニア産と似ています。
イエメン
あまり馴染みのない国かと思いますが代表的な銘柄としてモカマタリがあります。
こちらの銘柄は何となく聴いた事があるという方も多いと思います。
エチオピア原産のコーヒーにもモカと名の付くコーヒーがありましたが、エチオピア産モカとイエメン産モカでは風味の特徴が大きく異なります。
イエメン産のモカはベリー系の爽やかさとコク深いチョコレートのような風味が特徴で非常にエキゾチックなコーヒーと言えるでしょう。
余談ですがカフェに行くと「カフェモカ」というメニューをよく目にしますね。
これはチョコレートシロップの入ったアレンジドリンクですが、このレシピのはじまりがイエメン産のモカからと言われています。
中級編①-3 アジア・太平洋
アジア・太平洋とありますが、インドネシアの島国が主な原産国です。
風味の特徴としては中南米産と真逆と捉えていただければと思います。
非常にコク深く濃厚な舌触りが特徴でお酒に例えるならアフリカ産のコーヒーがワインなのに対しインドネシア産のコーヒーはウイスキーのような雰囲気です。
ワインの世界でよく使われる用語としてライトボディ・ミディアムボディ・フルボディなどのコク深さを表現する用語がありますが、インドネシア産のコーヒーはフルボディといえるでしょう。
コクが豊かなためミルクのコクに負けずカフェオレなどのミルク割りコーヒーとしても相性が良く、重厚な味わいから風味が濃厚な食事系とも相性の良いコーヒーです。
代表的な原産国は
・スマトラ島(マンデリン)
・スラウェシ島(トラジャ)
・バリ島
・ジャワ島
同様に原産国ごとの特徴を紹介していきます。
スマトラ島
マンデリンというとコーヒー好きの方なら耳にした事があると思います。
特徴は良い意味での土のような香り(採れたての良質な野菜などで感じられるあの感じです)仄かなスパイシーさと非常に重厚な味わいが特徴です。
スラウェシ島
スマトラ島のマンデリン同様に非常にコク深い風味が特徴ですが、違うところとしてハーブのような爽やかさも持ち合わせているコーヒーです。
代表的な銘柄としてトラジャがあります。
余談ですがインドネシア産のコーヒーに
コピ・ルアクという有名なコーヒーがあります。
これはジャコウネコの糞から採られた未消化のコーヒー豆で、ジャコウネコの腸内に存在する消化酵素の働きや腸内細菌による発酵の働きで、コーヒーに独特の香味が加わると言われている希少品です。
なお、この腸内発酵により、カフェイン含有量は、通常のコーヒーに比べて、およそ半分に減ることが分かっているそうです。
「コピ」はコーヒーを指すインドネシア語「ルアク」はマレー ジャコウネコの原地の呼び名です。
中級編①-4 コーヒー原産地の特徴まとめ
以上のように産地によって風味の特徴が異なるためコーヒー選びのポイントとして参考にしていただければと思います。
今一度ざっくり特徴をまとめると
◆ラテンアメリカ・中南米
→サッパリ
◆アフリカ
→個性豊か(主に香り、酸味に特徴あり)
◆アジア・太平洋
→コク豊か
となります。
地域の中でも国により個性は異なりますが、上記の内容を元に好みのコーヒーを見つけていただければ幸いです。
中級編② コーヒー豆の焙煎具合
コーヒーの風味を決定づけるポイントとしては、焙煎具合も非常に重要ですが、見分け方は容易です。
結論
コーヒー豆の色の濃さで判断して下さい。
簡単な表現となりますが
色が濃い→風味が強い
色が薄い→サッパリ
という感じです。
もう少し詳しい内容は後半でお話しするとして、まずはそもそもの焙煎について触れます。
コーヒー豆は収穫されたコーヒーの実(コーヒーチェリー)から種(生豆)を取り出した後に焙煎する(煎る)ことによって日頃私達が目にする茶色いコーヒー豆の見た目になります。
この焙煎する時間によって風味が変化します。
例えるならばカレーを仕込む際のローストオニオンやキャラメリゼを想像していただければ解りやすいと思います。
砂糖を加熱することによりカラメル化し、独特の香ばしさとコク、仄かなビター感が得られるのと同様にコーヒー豆も焙煎が深いほどコーヒーらしい香ばしさとビター感を演出することができます。
写真のように見分け方としては簡単です。
・色が薄い(浅煎り)の方が
コーヒー独特の酸味やスッキリ感の方が強調された風味。
・色が濃い(深煎り)の方が
キャラメルに感じられるような香ばしさやほろ苦さが強調された風味。
となります。
コーヒー豆の銘柄でフレンチローストやイタリアンローストというものがありますが、これは焙煎具合を指します。
どちらも一般的に極深煎りの意味合いですが、どちらの方が深煎りかというと、それは地域やお店によっても異なるため、ご興味ありましたら購入するお店で聴いてみて下さい。
その他焙煎具合の名称として代表的なものです。
・ライトロースト
・シナモンロースト
・シティーロースト
・フルシティーロースト
etc.....
※一般的に上から下にかけて煎り時間が長くなっていると言われています。
このように色々な焙煎具合がありますが名称はあまり気にしなくても大丈夫です。
焙煎具合においては、どの状態で○○ローストなのか?というところ定義が難しいのと、地域やお店によっても名称が異なるため、見た目で判断するのが好みの味を探す1番の近道なのではないかと思います。
中級編③ コーヒー豆の加工方法
コーヒー豆の加工方法に関しては非常に専門的な内容も含むため、できるだけ簡単に触れようと思います。
そもそもコーヒー豆の加工方法とは何を指すのか?
これは収穫したコーヒーの実から種(生豆)を取り出す方法を指します。
この工程の違いによっても風味が変わってきますので代表的な加工法を3つ紹介します。
中級編③-1 水洗式 (washed)
恐らく日本に輸入されるコーヒーのほとんどが、この水洗式によって加工されたものです。
スッキリとしたクリアな風味に仕上がるのが特徴です。
工程としては、果肉除去機を使って果肉を除去した後、発酵槽に漬けて粘液質(ミューシレージ)を取り除きます。
その後大量の水を使って洗い流し、乾燥棚に広げて乾かします。
特徴として発酵工程がある事によりコーヒー独特の良質な酸味が強調されると言われています。
中級編③-2 半水洗式 (semi washed)
水洗式と同様、収穫したコーヒーの実から果肉を除去しますが、粘液質(ミューシレージ)は残したまま乾燥させます。乾燥させる際に、ミューシレージが残っているため豆どうしがくっつきやすいので注意が必要です。
水洗式に比べ水の使用量が少なく済むため水資源が少ない地域や水洗式のような大掛かりな設備を設けられない地域でも実現しやすい加工法です。
主にインドネシア地域で採用されている加工法です。
風味の特徴としては様々で粘液質(ミューシレージ)の残し方により色々な風味の表現が可能となります。
中級編③-3 乾燥式 (natural)
ナチュラルはコーヒーの加工法の中では最も歴史の深い製法で安定した供給が難しい製法ともいえます。
故に乾燥式のコーヒーは希少です。
コーヒーチェリーをそのまま天日干しにした後、脱穀によって生豆を取り出す最もシンプルな精製方法です。
ナチュラルのコーヒー豆は、何といっても果実味にあふれたフレーバーが特徴的。
コーヒーチェリーのまま乾燥させるため、果肉の香りや甘みが生豆に染み込み、フルーツのような甘酸っぱさと香りを感じられます。
コーヒーの銘柄でSun Dried(サン ドライ)と表記されているものがありますが、これは乾燥式で加工されたコーヒーという意味です。
主にエチオピア、ブラジルで採用される事が多い加工法です。
加工法については更に掘り下げると他にも色々な製法がありますが、代表的な製法は上記3つです。
この部分に関しては何となく「そういうものがあるんだなぁ~」くらいで頭の片隅に置いていただければと思います。
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あとがき
その他、応用編的な内容にも触れようと思いましたが、集中力が切れたので今回はこの辺で。
また機会があれば書きます。
ご質問等ありましたらコメントいただければ随時お返事させて頂きます。
いかがでしたでしょうか?
「好きな方法で」「ご自身に合ったやり方で」というような事を散々申してきましたので少し無責任な感じに聴こえたかもしれませんが、これについてはコーヒーの楽しみ方に正解が無いからです。
コーヒーは嗜好品。
楽しみ方も自由ですし自分が1番気に入った楽しみ方が正解だと思いますので、そのきっかけになれたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
2022年 大変お世話になりました!
良いお年を。
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