拝啓、アイドル部の皆様へ。

アイドル部の思い出をつらつら書きます。
苦手な方はご注意ください。

いわゆる怪文書的な何かです。

最近流行りの「#あなたのあずきはどこから」でもあります。



2019年3月頃、当時比較的仲の良かった知人がやたらと電脳少女シロちゃんの話題を出していた。
そんなに面白いのか聞いたところいくつかの動画を紹介され、同時に「近々、シロちゃんの後輩で、アイドル部っていう子達がいるんだけど学力テストやるから見てみたら?」と言われた。
「もしかしたら、シロちゃんより君に向いてるかもよ」と一言添えて。

何本かのシロちゃんの動画は、当時精神的疲労のピークだった俺にはかなりツボで、否応なしに笑わせてくれる数少ない存在のひとつになり、毎日動画投稿が楽しみになった。

同年3月末、ばあちゃる司会で始まったアイドル部学力テスト。
面白い解答を各々繰り広げていたが、1人だけ明らかに異質な存在がいた。

それが木曽あずき、俺の人生初の「推し」。

出題者が想定していない、しかし正解にせざるを得ないギリギリを攻めるセンス。
言いくるめの圧の強さ。
ふーちゃん…北上双葉さんにご飯の件で突っ込まれた時の飄々としたかわし方。
問題と気づかずにいたずら書きをする適度な抜け感。

あ、この人好きだ、と一目惚れのように思った。

後半までの1週間でにいくつか彼女の動画を見た。
どれもこれもセンスが異質。
おどろおどろしいはずなのに、物悲しいはずなのに、どこか優しくて何かがひとつ軽くなるような気がした。

学力テストが終わり、改めてあずきちのアーカイブの数を見ると、生配信はほとんどなく動画勢。
たまに浮上してくる程度の神出鬼没だとわかったので、ほかのメンバーの生配信を見てみることにした。

選んだのは花京院ちえりさん。
なんの配信か覚えてないけど、「初見です」というコメントを拾ってくれた。
この手のライブ配信で、流れていくコメントを全部読むのも大変なのに俺だけじゃなくて初見だというコメントを拾っていく。
しかも初見じゃない人も初見だって言ってるじゃん!ってツッコンでいくつかちえりちゃんの姿に、この人はこれでもかと言うくらいに気を遣える優しい人だなと思った。
その後、ふーさんや猫乃木もちさん…もちにASMRの良さを教わり。
自分が感じた全てのことを一言一句逃さず伝えたいヤマトイオリさん…イオリンの熱意でイオリンを知りたくなって。
からかうようなコメントをよく拾い、それを笑いに変える八重沢なとりさん…なとなとを見て。
ゲーム中は口が悪くなるという、配信だろうと素のままでいる神楽すずさん…すーちゃんと友達になれた気がして。
もこ田めめめの多才さ、声の使い分けも魅力だけど、それよりもポンコツなところもあるのにアイドル部で1番幸せそうで。
金剛いろはの笑い声でつられて笑って、でも繊細なところに気づくと可愛くて愛おしくて仕方なくて。
夜桜たまちゃんのマルチタスクに驚愕して。
カルロピノちゃんの博識さに脱帽しっぱなしで。

ほんの2ヶ月でほぼ全員にハマった。
あと牛巻りこちゃんだけ、リアルタイムな動画や配信を見られていない状態になった。

[newpage]
2019年6月くらい、あずきち好き・アイドル部好きが高じて久しく描いていなかったイラストやSSを再び描き始めた。
自分なりに彼女たちの魅力をなにか伝えたいと思った。
あと…アイドル部を教えてくれた人の気を引こうとしたのかもしれない。

実際、その人は恋人になってくれた。

まぁ、その後3ヶ月もしないで振られる訳だが、その時立ち直るきっかけになったのはなとなとが歌った「うたかた花火」だった。
6月から9月の、5年ぶりくらいの恋人は夏限定のうたかた花火だった、とか思うと詩的で笑えるなって思えた。

しかし同年9月末日。
自分の体に変異が起きた。

会社の朝ミーティングの最中、立っていられないほどの目眩。
さぁっと血の気が引く音が聞こえた。
1時間ほど休憩室で横になったりしていたが一向に気持ち悪さが抜けず帰宅指示が出された。
翌日も同様、出社した瞬間に帰った方がいいと言われるくらいに憔悴していたようだ。

実は数年前から会社に足が向かわなかったり貧血やめまいでの年休を取る事が増えていて、その年もこの時点で、有給休暇がほとんど残っていなかった。

ただ、ここまで「拒否感」「恐怖感」を会社に覚えたことはなく、祖父母が発症し、親が介護していた姿を俺自身も見てきたあの病気が頭をよぎる。

鬱病。

年休を浪費してきたのもその兆候があったからで、メンタルケアの意味でカラオケに籠って歌いまくったりとにかく散歩して疲れきろうとしたりしていたからなのだが、それ以上に10年間務めてきた中で溜まった澱みというか、そんなものが溢れてしまったんだな、と母親にも言われた。

年休含め、2週間ほど休みを取る事に決め、とことん好きなことをして過ごそうと決めたさなか、夜桜たまのあの配信が行われた。

過去にも同じことを言っていたが、改めて。
12人もいれば歪みが出やすい。グループの1年は俺の10年と同じくらい濃厚で、澱みが溜まりやすいのかもしれない。
鬱病では無いが、あらゆる意味で懸念材料は無くすべきだと思う。
だが、機密情報にあたるような内情を感情のままに 、しかも配信という不特定多数が見られる場所で話していいはずが無い。
気持ちはわかるが表に出したらどうなるか、分かりきってるんじゃないのか、頭いいんだろ?って思った。
直後にあったちえりちゃんの配信は、誠心誠意リスナーへ分かることを説明してくれたもので、配信内容を相談してくれなかったたまちゃんとの信頼を築けなかった悔しさが滲み出ていた。

それからしばらく配信数がぐっと減り、それでも配信を続けてくれたちえりちゃんやすーちゃんは強くて、本当はボロボロなのに頑張っててくれて、擦り切れた自分の心と重なって、これ以上悪化させるわけにも行かず長期病休を取る事にした。



10月から11月にかけてはどっとライブから定期的に協議中というアナウンスがあった。

それはそう、簡単に決着するような話ではない。
待つのは慣れてるからいいやと俺は思ってた。
でもやはり結果を急かすリスナーも多かったんだろう。
ピノちゃんが配信をしてくれた。
より分かりやすく、より冷静に、より状況に沿った説明を、ちえりちゃんが話してくれた内容と齟齬なく説明してくれた。

そしてどう考えても表に出すべきではない機密情報や致命的な印象の悪化にしかならない悪手だったことを、リスナーにお詫びしていた。

たまちゃんの人格批判をしたとかいう意見も見たが、どこの話だかわからなかった。
書き起こしも見たけどマジでわからん。

タイミングが良くなかったのは、ピノちゃんの配信の2日後にもちとたまの2人が抜けることが発表されたことだ。

意思疎通ができてないんじゃない。
問題になった出来事のひとつ「情報漏洩」対策が、ピノちゃんとちえりちゃんにヘイトを向けさせた。

辛かっただろうな。
苦しかっただろうな。
全部投げ捨てたかっただろうな。

でも、ちえりちゃんもピノちゃんも、続いて配信したすーちゃんイオリンめめめも、この子達は悲しみを隠して舞台に立てるプロなんだと思った。

動画がメインになる宣言をしていたなとなとふーさん。
2020年に入り何本か上げてたけど、正直物足りないなって思ってしまった。

突発配信&重複配信解禁ルールがなとなと主導で提案・施行され、圧倒的に配信が増えた。
と、同時に八重沢なとりは「アイドル部の」とは名乗らなくなった。
思えばこの頃から、なとなとは終わりを見すえて走り出したのかもしれない。
何度かメン限で、泣いていた。
…たまちゃんの時と同じような言い分で。

その一方で、Tr!c tracやAPEXや侵略など、部内コラボのおかげで絡みがある子達は絶対に仲がいいと確信できた。



なとなとにとっては、アイドル部という箱が狭くなってしまったんだろう。

ふーさんといろははどうしていいか分からなくなったのかもしれないな。

あずきちとりこぴんはどうしようもない恐怖感を抱いてるのかもしれない。

Tr!c tracとして残る5人は、寂しさと無力感に苛まれてることだろう。

もちろん今挙げた彼女たちの想いは俺のただの想像。

でも、今やどっとライブの一人一人が好きになった俺はTr!c tracを見続けるために、アイドル部だった12人を忘れない為に推し事し続けようと思ってる。

心残りは、ちゃんと好きにさせてくれなかったりこぴんと、ちゃんとお別れさせてくれなかったあずきちかな。

アイドル部が大好きだ。
ほっといたら泣けてくるくらいには大好きだ。
泣くほど好きで、馬鹿らしいけどこれがガチ恋なんだろうね。
ないと思ってたのに、案外簡単に落ちるもんだなぁ。



拝啓、アイドル部の皆様へ。
卒業おめでとうございます。
せめて、せめて創作では、あなた達を12人で描いても許されますか。
生きてるように動かしてもいいですか。
無くなって欲しくないから、卒業する5人と辞めた2人を自由にさせて貰ってもいいですか。


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