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リターンして思いだしたバイクの亊いろいろ

「いやあ・・・まいったなぁ・・・」
30年弱ぶりにバイクを買って、納車したお店からクラッチをリリースして公道に乗り出してすぐに口から出た独り言がそれだ

忘れていたよ、バイクが見た目よりかっこいいばっかりじゃないことを

高校生1年生で原付バイクデビューして20歳後半までの約10年で6台のオートバイに乗ってきたが、社会人になり車を買ってしばらくして深く考えないままバイクを手放してしまった。
 その後奥さんと出会い、結婚して父になり、バイクを再び手に入れるどことではなくなったのは誰もが通る自然な流れだろう。

 バイクを手放した後でも、たまに夢を見る。
 バイクに乗っている夢だ。

 多くは一番好きだったXJ750Eに乗って高いギアーで流している。ヒューンと高い音が吸排気音とメカニカルノイズとが合わさって実にいい音がする。
あるときはDT125に乗って小排気量Ⅱストロークのパワーバンドに入れた刺激的なビリビリ音を鮮明に思い出すこともあった。
僕の中で、オートバイの忘れがたい記憶は音で残っていた

で、土曜日に長いブランクを空けてリアルに走り出した瞬間にぐわっと意識に入って来た印象はもっと動的でリアルなモノだった

・クラッチミート時のクラッチ板が擦れ合いトルクが後輪にかかる感覚
・走り出してすぐに気がつくサスペンションからのフィードバック、ある意味自動車では感じられない小さな凹凸の情報量
・ハンドルバーに伝わるエンジンの硬質な振動
・フルフェースヘルメットで視界が限定さてる中、判断しなければいけない路面の寄り細かい情報量と車との差を理解し処理しようとする混乱
・おっかなびっくり車の後ろについて走らせていると後ろの車から邪魔だから先に行けよとのプレッシャー(実際あおられているわけではないのに)、そこで信号待ちですり抜けて先頭に行こうとゆっくり横を抜けていくときに駆動をかけたりず不安定になり、やたらと腕に力が入る。きっとまだ下半身のホールドが甘いんだね・・・
・一番思いだしたのが真夏日外気温33℃、ゆるい渋滞での信号待ちでファンが回り湧き上がる熱風の粘り
・新車の油脂が熱せられたオイルの香り
・信号待ちで止まってずっと握っているクラッチレバー、しんどいのでニュートラルに入れるとすぐに信号が変わるのでまた変速の繰り返し

オートバイに乗るって言うのはこうゆうことだったんだ。

全部忘れてた・・・

エアコンが効いた車に楽な姿勢で乗り続け、オートマばかりでは物足りず最近はオートクルーズや車線逸脱制御までついている。

それに比べて、今回はABSを装備さえしたけれど人が中心なんだ
五感をフルに回転させて乗るのがオートバイ

そうか、昔はこれしか知らなかったからなんとも思わなかったんだ

戻って来て初めてわかったオートバイのあたりまえな亊
バイクショップから家までの距離はたったの16kmなのにぐったり疲れた初日
無事に自宅ガレージに止めてホッとした

家の中から娘達が物珍しそうに出てきて出迎える
彼女らにとってオートバイは未知の乗り物で興味があるみたい
高校生の三女は早速後ろに乗せて欲しいとせがんできたけれど「僕が慣れるまでちょっと待ってね」と思わず返した

こう書くとネガに聞こえるかもしれないけれど、順応しようとフル回転して自分を調整しているところ、脳が発熱している感じ・・・

初日、バイクを家に連れて帰るときに感じた備忘録
すくなくとも初心を忘れないように
リターンに理解を示してくれた家族のためにも、これからの安全を誓って・・・


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