ショパンコンクール
第18回ショパン国際ピアノコンクールの結果が発表された。
今回、私は予備予選からファイナルまでだいたい7、8割youtubeで視聴した。昔、ショパンコンクールの特番をテレビで観たことはあったかもしれない。でも、最初から最後まで、沢山の人々の演奏を短期間に集中して聴いたのはこれが初めてだ。
そもそも観るきっかけになったのは、甥っ子の小学校とピアノ教室の同級生Rさんが出場することを知ったこと。私は、Rさんが小学校低学年ぐらいの時に発表会でバッハを見事に弾いていたのを聴いたことがあった。私の姉が、「Rちゃんは将来、きっと有名なピアニストになるよ!」と言って、発表会に呼んでくれたのだ。だから、Rさんがショパンコンクールに出場することになって、姉は「さすが、Rちゃん!」と、とても喜んでいた。私もRさんの演奏が聴きたくて、予備予選を視聴することにした。
予備予選で実際に視聴したのは、Rさんはじめ日本人演奏者数名だけだったので、7、8割視聴したというのは誇張になってしまうのだけど、一次予選からは外国人演奏者の演奏も含めほとんど視聴した。見た目からしてラテン系の情熱溢れるスペイン人のマルティン・ガルシア・ガルシアなどは一次予選からすっかり名前と顔を覚えてしまった。その他にもインパクトのある演奏者がたくさんいて、視聴しながら密かにエールを送っていた。
二次予選では牛田智大君のさすがの演奏に聴き入っていたのだけれど、牛田君のまさかの二次予選敗退に衝撃を覚えた。ちなみに牛田君の使っていていたピアノがヤマハで、ヤマハのピアノを使って演奏した人が誰もファイナルに残らなかったのは偶然だったのだろうか?
ピアノといえば、カワイはファイナルでも3人の演奏者が使用した。その中でもアレクサンダー・ガジェヴは2位入賞した(※2位は反田君とガジェヴの二人)。実は私、二次予選のガジェヴの演奏を聴いて、すっかりファンになってしまった。そんなガジェヴが三次予選も通過し、ファイナルに出場することになって、内心とても喜んでいた。もっとも、私の中ではガジェヴの演奏が一番だったのだけど、二次予選ぐらいからは演奏者皆の演奏が甲乙つけがたいぐらい素晴らしかった。日本人では角野隼斗君の演奏が特に印象的だったけど、皆本当にレベルが高くて、特に名古屋大学医学部生の沢田蒼梧君、医学部生ながらピアノをここまで極められるって、どれだけ凄いの!!!と本当に驚いた。
そして昨日(ワルシャワでは一昨日かな?)、すべての演奏が終わり、結果が発表された。
反田恭平君が朝日新聞のインタビューで結果発表の時の心境を聞かれた時、
「実は発表されたとき、自分が何位なのかよく分からなかったんです。3位だったマルティン・ガルシア・ガルシアに「おめでとう、君何位?」と尋ねたら「僕、分かんない」と。アレクサンダー・ガジェヴも一緒の2位だとは僕は知らなくて、「君も2位なの?」なんて、みんな困惑していました。」
と答えたことをネットニュースで知って、やっぱり!と思った。私も結果発表を視聴していたのだけど、発表がポーランド語?で、通訳はいたものの、すべての順位を英語で通訳していたわけではなく、順位がよく分からなかった。最後に名前が呼ばれたブルース・リウが間違いなく優勝だということは分かったが、その一つ前に名前が呼ばれた反田君は2位?なのかなと。でも、かつて優勝が二人いたこともあるので、もしかして優勝?!とも一瞬思った。
それにしてもマルティン・ガルシア・ガルシアの反応よ。彼は名前を呼ばれて満面の笑みを浮かべて、周りのみんなとハグまでしていたのに、反田君に「君何位?」と聞かれて、「僕、分かんない」と答えたとは。でも、何位でもいい、入賞してとっても嬉しい!と全身で表現しているらしい彼を見て、とてもチャーミングだと思ったし、彼の大らかな人柄に惹きつけられた。
次のショパンコンクールは5年後にするのだろうか?それとも、今年6年空あいてしまったので今度は4年後なのだろうか?よく分からないけれど、きっと私はまたショパンコンクールを視聴すると思う。ショパンの楽曲を存分に楽しめるし、色々な国の若手のピアニストについて知ることができるし、演奏だけではなく、演奏者や関係者のトーク番組もあったりと、盛り沢山の内容で本当に楽しめたから。今回のようにじっくり視聴する時間があるか分からないけれど。
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