「勝利」や「成功」からの学びは殆んどなく、「敗北」や「失敗」から多くのことを学んだ③(課長との同居生活? 編)
最初の赴任地への出勤スケジュールは次の通り。
4月30日(水):本店での部門別研修終了
5月1日(木):赴任地に移動(東京⇒福岡)後、夕方に一度赴任先に顔を出さなければならない
5月2日(金):引っ越し荷物の受取
GW(5/3~5):寮の部屋掃除等
5月6日(火):正式な初出勤
(今回は、当時カラオケで歌った曲をチョイス)
身だしなみ
昼過ぎに博多についたので、学生時代にお世話になっていた美容院へ!
(小生)
『こんにちは。北九州勤務になりました。』
(店長)
「おぉぉぉ~おかえり!だね。」
(小生)
『爽やかに刈り上げてください!第一印象大切ですから。』
(店長)
「よっしゃ。爽やかな“刈り上げ”カットでいこう!」
スーツは一番お気に入りの“MENS BIGI”チャコールグレー
白Yシャツ&ネクタイはコムデギャルソン
靴はリーガルのウィングチップ
『我ながら決まっている!』
意気揚々と17時に赴任する支店に到着した。
この時、私はこれから起こる事態を全く想像していなかった。
はじめまして~先制パンチ
「はじめまして。よろしくお願いします。<m(__)m>」
H課長代理
「ようこそ(笑顔)。こっちへ。」
~課長席の裏にある応接セットに案内された~
一通りの挨拶が終わったところ
T課長
「ところで、なんだ、その髪型は。刈り上げすぎだな。」
小生
『爽やかにしようと思いまして、、、。』
T課長
「そもそも、そのダボッとしたスーツはなんだ!学生じゃないんだから。社会人らしくしなきゃ。」
小生
『すみません<m(__)m>』
H課長代理
「まぁまぁ、課長、最近の若者のファッションですよ。私が彼の指導員なので教育しますから(笑) 飲み行きましょう!」
乾杯!~脳天杭打ちパイルドライバー
T課長
「ところで、君は寮に入るんだよね。僕も先週末から寮での単身赴任生活だよ。よろしく。」
小生
「え?あ?そ?そうなんですね。寮で同じ?よろしくお願いします。」
W課長代理
「寮の風呂からの景色は最高だよ。僕も以前寮にいたからね。今は家族が来たので社宅だけどね。」
小生
「風呂でも一緒?」
T課長
「寮の風呂で“背中流せ”なんて言わないから心配するな(笑)」
H課長代理
「お前 酒強いんだ。ピッチ早いよね。ゴルフできるの?」
小生
「打ちっぱなしの練習場に何度か行った程度です。」
W課長代理
「T課長はシングルだから教えてもらったいいよ。」
T課長
「シングルじゃないよ。ははは。まだまだだな。こんどゴルフ教えてやるよ。」
二次会としてスナックに連れていかれ
W課長代理
「おい!まずお前歌ってみろ!」
♬大阪で生まれた女♬ を歌って、
その後はオッサンたちの演歌を聴かされるという楽しさが全くわからなかい、苦痛でしかない宴会だった。
なぜか?どんなに酒を飲んでも酔えない、覚めた自分が、心の中で呟いた。
『まただ、東大卒のT 絶対このオッサンとは、、無理。W課長代理も無理。』
また“蕁麻疹”が薄っすらでき来た感じだ。
T課長と二人、タクシーで寮に向かった。
ここから3年間、T課長とは職場でも寮でも一緒という会社生活がスタートした。
GWでの覚悟
① ワークライフバランス
当時“ワークライフバランス”という言葉はなかったが、「仕事と生活のバランス」というか?
寮というプライベート空間で、いかにT課長との接点を持たないようにすればいいかで頭が一杯だった。
「そうだ!寮長になればいい。『寮内では俺の方がエライ』という立場になればいい」
といった考えていた。(私は、2年後(入社3年目)に“寮長”になった(笑))
② 毎週のゴルフ練習
遅かれ早かれゴルフに連れていかれると感じた。
「よし!“ぎゃふん”と言わしてやる」
毎週ゴルフの練習に行くと決意した。
③ カラオケ
社会人にはカラオケも絶対必要と肌で感じた。
洋楽ばかり聴いてきたので、邦楽のヒット曲を聴くようにした。
この時期を振り返ってみて
先入観を捨てる
多くの失敗は、「自分の“先入観”の元に成っている」と気付くのが遅すぎた。
「〜に違いない!」「あの人はこんな考えだ」といった“決めつけ”“思い込み”で、知らずに過去の出来事に合わせていた。
“先入観”を捨てると今までとは全く違う景色が見えるようになる。
学問なき経験は経験なき学問に勝る
経験に勝るものはない。
学問は知識を頭に詰め込むが、文字から得た知識は、非常に断片的なものにすぎない。
断片的な知識だけでは、実際の現場では全く役に立たないことが多い。
実体験にともなう情報量は、とんでもない量の情報だ。
ある程度の断片的な知識を入れておいて、実際にやってみることによって、知識が使える“知恵”になる。
初志貫徹
短期間に集中してゴルフを練習したことは、あらゆる面で後々役に立った。
カラオケの必要性から邦楽ヒット曲を聴き始めたのは良かったが、どうしてもスナックでのカラオケは未だに好きになれない。
何度も各職場の上司から小言を言われたが、自分の“ファッション観”だけは変えずに早期退職するまで突き通した。
このことだけは“初志貫徹”と言える。
ただ、サラリーマンとしてプラス要素はなく、マイナス要素だけだった(笑)