『顧客心理』は変わらない?【プレゼンテーション】の“当たり前”?
北野 武 師匠が、
「映画は劇場で見るのがアカデミー賞のだいたい基準だったけど、ネットで見た映画もアカデミーにノミネートするってなってしまって、劇場で映画を見ることがかなり必要なくなってきている」と【劇場離れ】を予想した。
さらに
「寄席も劇場でやるんじゃないから、必然的に漫才という形態じゃなくスタンダップコメディーになる」
「漫才は、突っ込みの役は見ているライブの客の代わりの突っ込みっていうイメージがあったんだけど、1人でしゃべってバンバンバンバン垂れ流すという、テレビ用の芸になる可能性がある」
とも予想している。
先日、音楽好き仲間6人でのオンライン飲み会で、“かくし芸(面白ネタ)大会”をやってみた。
私は、【松本人志の“すべらない話”】をイメージして案内したのだが、一人が、ギターの弾き語りを始めた。
本人は熱唱してご満悦なのだが、他メンバーは“ドン引き”状態だ。
これは、私がオンライン飲み会連絡LINEで、“かくし芸(面白ネタ)大会”と書いてしまったのが失敗だった。
テクノロジーが急速に発展したからとしって、人間の“脳”も同じスピードで進化する訳ではない。
非対面ビジネスのヒントは、【顧客心理を学ぶ】ところにありそうだ。
<決断疲れを利用したマーケティング>
「多くの選択肢を継続して与え、決断をたくさん重ねると、精神が疲弊し、できる限り”考えなくていい方法”で決断しようとする」という実験結果がある。
洋服のバーゲンセールで選んでいる間に疲れて、結局買うのをやめた経験は、この【決断疲れ】だ。
街の居酒屋さんで豊富なメニューが自慢の店もある。
しかし、多くのメニューを数多く、ずらっと並べて提示されると、客は何を選んだらいいのか?わからなくなり、混乱してしまうこともある。
そこで、「本日のおすすめ」「盛り合わせメニュー」を選ぶように導いている。
「盛り合わせメニュー」は、お得感や華やかさを演出することもでき、購買意欲をそそり”一石二鳥”ということだ。
しかしながら、TVショッピングでは、ほとんどが“単品”の【本日のお勧めの“一品”】販売だ。
仕事に疲れて帰ってきて、ボーッとしてTVを観ている夜の時間帯がゴールデンタイムだろう。
それは、脳がつかれていて、選択するのも面倒になっているので、【お勧めの“一品”】に『今だけ!サービス!お得です!』というトークが加わって、思わず【購入ボタン】を押してしまうという効果も狙っているのだろう。
<マジカルナンバー7±2の法則>
私たちの作業記憶には限界がある。
人が一度に覚えられる数字や単語の数は『7±2』(5~9個)だそうだ。
(例)ミシガン大学のポラック名誉教授の実験
参加者に複数の音を2.5秒ずつ聞いてもらう。
周波数は100ヘルツ~8000ヘルツまでで、音と音の間隔を25秒にした。
すべての音を聞いた直後に「これは何番目の音か?」と質問する。
その結果、4個ぐらいまでは、ほとんど間違えないが、8個以上になると正解率が落ちることがわかった。
この実験で「約5個」というのが限界数だということが証明された。
<ジャムの実験>
スーパーの入口近くにジャムの試食コーナーを設け、それぞれの場合の客の反応を実験した。
(いずれもイチゴ、ラズベリー等の定番商品は除く。)
試食コーナーと売り場コーナーは別々で、気に入ったジャムは売り場コーナーに行って商品をカゴに入れる。
【24種類のジャムを並べた場合】⇒ 60%が試食に立ち寄る
⇒ そのうち3%が購入
【6種類のジャムを並べた場合】 ⇒ 40%が試食に立ち寄る
⇒ そのうち30%購入
この<ジャムの実験>が証明しているのは?
「人間は選択肢が多すぎると、選択することそのものを放棄してしまう」ということ。
買い物の70%は、衝動買いだとも言われている。
ということは、必要なものを買っているのではなく、買うつもりのないものを買っていることになる。
店舗側等がお客様の行動心理をつかんでいて、買ってもらう仕組みを仕掛けているからだ。
スーパーの「刺身」販売コーナーでは、時間帯によっても【売れ筋】が変化するそうだ。
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セールストークは、『共感』『同感』『実感』を感じるスタイリッシュな流れであることは“当たり前”だ。
接することがなくなった「誠意ある“接客”」とは?
最終目的が商品を売ることであるとしても、その過程で顧客を気持ちよくさせることができるなら、それは「誠意ある“接客”」だろう。
この“当たり前”も変わらないだろう。
非対面ビジネスのヒントは、【顧客心理を学ぶ】ところにありそうだ。