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中高年メンズファッションのヒントになる日本の美意識の考え方

個人的な見解ですが 中高年メンズの【おしゃれなファッション】とは?

余計な色・装飾などをそぎ落として 上品なイメージを与えるファッション

と思っています。


「間」と「移ろい」


日本人は 生活や文化のあらゆる分野で『間』を大切にして それを使いこなしながら生活しています


物的空間としての「空間的な間」・・・空間が高密度になれば息苦しい

「時間的空間」の「間」・・・時間がぎっしりと詰まればせわしない

「心理的な間」・・・世間のつきあいもベッタリになれば気詰まりしてしまう


現代社会においてこそ この 『間』 がとても大切だと思います


<『間』の大切さがわかる千利休の朝顔をめぐるエピソード>

利休は珍しい種類の朝顔を栽培して評判を呼んでいた。その評判を聞いた秀吉が実際に朝顔を見てみたいと望んだので、利休は秀吉を自分の邸に招く。ところがその当日の朝、利休は庭に咲いていた朝顔の花を全部摘み取らせてしまった。やって来た秀吉は、期待を裏切られて、当然不機嫌になる。しかしかたわらの茶室に招じ入れられると、その床の間に一輪、見事な朝顔が活けられていた。それを見て秀吉は大いに満足したという。(高階秀爾 著『日本人にとって美しさとは何か』より抜粋)


このエピソードは 千利休の『美』に対する考えがよく示されています

庭一面に咲いた朝顔の花も魅力的なのですが その美しさを敢えて犠牲にして 床の間のただ一点にすべてを凝縮させる 

余計なものを切り捨て 一輪の花の美しさ を際立たせる

これが 千利休の美 なのでしょう

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四季がハッキリしている日本で愛されている代表的な花と言えば 

『桜の花』 

ではないでしょうか?


「美しく咲く姿は永遠ではない」という儚さ

「一瞬の美学」 「刹那の美」 「朽ちていく美学」

とでも言うのでしょうか


日本には 「移ろい」や「変化」に対して 『美』 を見出す傾向があるようです

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日本庭園を思い浮かべてください

西洋の庭園の「調和の取れた景観」』とは異なっていて


「自然のままに変化する景観を楽しむ」

「四季折々の景観を楽しむ」

自然的で あるがままに作り出されていて


「移ろい」と「変化」が感じられる

ただ一面に白い砂礫を敷きつめただけの清浄な空間



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『間』があることで 「余裕」すら感じられる 『美』 

「移ろい」や「変化」に対しての『美』


それは 流行に惑わされることではなく 流行を感じて取り入れて楽しむ

ということ

これは ファッションでも言えることです。



「侘び」と「寂び」


「侘び」「寂び」は 表裏一体の価値観なので セットで語られます

小生にとって 分かりやすかった説明が【クーリエ・ジャポンの茶人・木村宗慎さんインタビュー記事】(一部を抜粋して紹介します)


『寂び』は、見た目の美しさについての言葉です。この世のものは、経年変化によって、さびれたり、汚れたり、欠けたりします。一般的には劣化とみなされますが、逆に、その変化が織りなす、多様で独特な美しさをさびといいます。
一方、『侘び』は、さびれや汚れを受け入れ、楽しもうとするポジティブな心についての言葉です。
つまり 『寂び』の美しさを 見出す心が『侘び』なんです。


「侘び」も「寂び」も 茶道、俳諧、能楽などの中で育まれていった『美意識』だそうです


飾り立てることで美を表現するのではなく


『飾らないことで美を表現する』


”余計なものを削ぎ落とした美の概念”

”研ぎ澄まされた最小現の美”


ここが ファッションにも通じるものです。


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「粋(いき)」と「通(つう)」そして「渋さ」


「旦那 粋だね!」 「流石 通だね!」

といった感じで 中高年メンズにとっては 言われてみたい言葉です


「粋(いき)」は「心意気」や「潔さ」といった生き様に直結する美意識


「粋(いき)」の反対語は 「野暮」「無粋」

「粋がある」とは 細かな気遣いやさりげない行動を指している


「通(つう)」は「遊び心」の美意識


そして「渋さ」も 「かっこよさ」や「美学」を指す言葉として使われています

「渋さ」は 落ち着いた趣きがあり 地味で味わい深く 奥深い美

時間とともに培われた経験によって生み出されるモノで 尊敬や憧れから使われる美意識の表現でしょう(この「渋さ」は一般的には 女性には使われないようです)


ファッションにおいて 本人は 「渋さ」 「寂び」の心 のつもり なのかもしれませんが 

「錆(サビ)」にしか見えなくて 渋柿を食べた時などの舌がしびれる味の「渋さ」に感じられるようでは 粋な男にはなれないでしょう(笑)


”遊び心”の美意識

これはファッションにおいて重要なキーワードですね


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日本の美意識での 中高年メンズの「カッコよさ」とは


余計なものを取り除いた最小限の美

年齢の積み重ねによって醸し出す”趣”があって 

季節に応じた”装い”

さりげな気遣いのある所作

を感じさせる人 


こんな人が 粋でカッコイイ と言われる人でしょう



程よい「塩梅(あんばい)」で味を引き出す


日本人が得意(?)とする「曖昧さ」

ハッキリしない「曖昧な色」だけでのコーディネートは お勧めできません


「曖昧な色」は 上手に着こなさないと おしゃれに見えません 

ちょっとくらいは 派手な色を取り入れた方がいい と思っています

ごちゃごちゃ と派手な色や柄を 何種類も「足し算」することではありません


「曖昧(あいまい)」ではなく 程よい「塩梅(あんばい)」が必要です

それは

味を引き出す「足し過ぎない」”引き算”のコーディネート(3色以内)



相手の弱みにつけこむ表現「足元を見る」


「足元を見る」は

昔の駕籠かきが 旅人の足元の様子から疲れ具合を見てそれにつけこみ 法外な駕籠賃を要求したというのが語源です


粋で 通な男は 隙があってはいけません

足元を見られないように 足元には 細心の注意を払ってください


お洒落は 足元から です


『間』抜けな男ならないように

『魔』がささないように













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