見出し画像

音楽との親和性が高い1950年代~60年代のUKストリートスタイル

カルチャーやムーヴメントは ある1つの要素だけでは起こらずに 何かと結びついてこそ 爆発的に発生して流行になります

インターネットや携帯電話が存在しない時代には 音楽が カルチャーやムーブメントを引き起こし 新しいファッション 新しいビジネスを創造していきました

『ファッションを見れば その人がどんな音楽を好んで聴いているのかが分かる』

『その人が好んで聴いている音楽がわかれば 好むファッション傾向がわかる』

とも思えたほど 音楽とファッションの親和性は高かったのでしょう


しかし テクノロジーの進化 インターネット・スマホの普及によって 流行のキッカケが 多方面・多様化していって 音楽とファッションの親和性は低きなってきた気がしますが、、、


UKストリートスタイルは 時の流れとともに変質したり 原点回帰を繰り返しながら 現代のストリートスタイルにも大きな影響を与えているというのは 紛れもない事実です


1950年代~1960年代のUKストリートスタイル


ロッカーズ系

1950〜60年代を中心に盛り上がったロックンロールを愛した バイクと革ジャンとブーツというワイルドなファッション・カルチャー

モッズ系

1960年代前半のブリティッシュロックやソウルを好むファッション・カルチャー


ロッカーズのルーツ


1950年代前半にアメリカのカリフォルニアに登場した

バイカーズと呼ばれる集団がいた 彼らは

ダブル襟のライダース

ロールアップしたジーンズ

エンジニアブーツ

Tシャツ

というスタイルで大型バイクで街を爆走



このバイカーズのカルチャーと同様の流れが 1950年代後半イギリスでも現れた それが  ロッカーズ


ロッカーズは

ライダースをスタッズやワッペンでカスタム

細身のストレートジーンズやブラックデニム

を履いたりするなど独自のスタイル


ロッカーズよりも前にイギリスでは 

テディボーイズ(”テッズ”) という集団がいました



ベルベットの襟と袖がついた着丈の長いドレープジャケット

スリムなズボン

髪をポンパドールやリーゼント

ラバーソールを履く

というスタイル



このテディボーイズの多くは1960年代になるとロッカーズに合流していき ロッカーズが 若者の一大勢力になっていきました


モッズのルーツは 1950年代の”モダニスト”


1950年代の後半のイギリスでは イタリアンスタイルのファッションが流行

オーダーメイドの細身のジャケット

ボタンダウンシャツ

折り返しのない細身のパンツ

というスタイルで バーやクラブに集う若者が

”モダニスト” と呼ばれていたそうです


この”モダニスト”が好んで聴いていた音楽が ”モダンジャズ”



モッズとは?


1960年にイギリスでは徴兵制度が廃止となって 仕事で得た収入を ファッション・音楽・クラブ・バイク・ドラッグといった己の楽しみに費やすことで”モダニスト”を自分流に表現した若者たちが

”モッズ”と呼ばれるようになっていきました


ビートルズがイギリスの階級社会に一石を投じた


デビューをする前のビートルズは”ロッカーズ”です

しかし マネージャーであるブライアン・エプスタイン氏の指示によって、モッズファッションでデビューすることとなったらしい


イギリスにおいては、中世の封建制度のもとで確立した身分関係としての「階級」が残存していて 近代の資本主義体制のもとで醸成された職業的・経済的な「階層」とともに共存していると言われています

この階級社会において ビートルズ が

『音楽に高級も低級もない。良い音楽は良い音楽』

ということ世界中に広めていった功績は凄い


1963年11月 王室主催の演奏会

♬ツイスト・アンド・シャウト♬ を演奏する前に ジョン・レノンが 

次が最後の曲ですが、ひとつお願いがあります。安い席の人は手拍子をお願いします。そのほかの方たちは宝石をじゃらじゃら鳴らしてください

労働者階級の若者が 王室の人たちにジョークをかますなんて考えられないことだったそうです


モッズたちのファッションは?


Vゾーンの浅い細身のテーラードスーツ

ナロータイ

フレッドペリーのポロシャツ

表革のローファー 

そしてM-51パーカー

前髪を下ろしたモッズ・ヘアーでスクーター(ベスパ・ランブレッタ)にまたがるスタイルでクラブに集まっては 夜通し踊り 遊んでいた



モッズを象徴するミュージシャンは Small Faces でしょう



The Who も”モッズ”として語られていますが ♬My Generation♬ 以降のロジャー・ダルトリ―のファッションは全く”モッズ”ではないですね(笑) 



さらに モッズがクラブで聴いていた音楽は?

モダンジャズ、スカ、そして マービン・ゲイ、シュープリームスといったモータウン系ソウルも好んで聴いていたそうです



このジャンル・ミックスが その後のイギリス発祥の新しいジャンル(ブリティッシュ・ハードロックしかりプログレッシブ・ロック)を創造していったのでしょう



「ブライトンの暴動」(スタイルウォー)


64年5月18日、イースター・バンク・ホリデイのブライトン

大勢のモッズのグル一プが デッキチェアーを振り回して 当時敵対関係にあった二人のロッカーズをプロムナードから4~5メートル下のビーチヘ突き落としたことが引き金となって 大乱闘へと発展

この事件をキッカケにして、モッズ=不良というイメージが世間に広く浸透していきました


新聞では この騒動を スタイルウォー と称しました。



その後 モッズのスタイルは変化していきます


ポークパイハット

トップが低く平らな円筒形で独特のフチがあり、狭いつばがわずかにカールアップした帽子

リーバイスのスタプレ

64年 リーバイスコレクションに色落ちや経年変化が魅力のデニムと異なってどれだけ洗っても“変わらない”のがウリのステイ・プレスト(通称“スタプレ”)

スウェードのデザートブーツ

といったカジュアルめな モッズスタイルが増えていきました。



そして1960年代後半のモッズは タイトなルックスはそのままで 


スキンヘッズ

坊主頭はshaven head skinheadsは反社会的な思想を持った人達を指す

ドクターマーチンのブーツ

ベンシャーマンのシャツ

H型サスペンダー

となっていき


デーブなレゲエを聴くようになっていったのです 



この流れが 1970年代の新しいムーブメントに繋がっていきます。


1970年代のUKストリートスタイル


音楽からの影響をもろに受けたUKストリートスタイルは 

突発的に現れ 既存のストリートカルチャーと融合しながら発展していきます


1970年代前半の グラム・ロック

ビートルズなき後

T・レックスのマーク・ボラン

デヴィッド・ボウイ

の人気爆発によって広まったのが グラム・ロック



70年代中期~後期の パンク・ロック

アメリカ・ニューヨークのアンダーグラウンドで盛り上がっていたパンク・ムーブメントのロンドン上陸

セックス・ピストルズの仕掛人としても ファッション面でもの仕掛人である マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドの影響は大きいでしょう


そして 1970年代後半からの ニューロマンティックス へ


いかに この1950年代~1970年代は 音楽とファッションの親和性が高い時代であったことが分かると思います。


1970年代以降の 音楽とファッションの関係については 改めて投稿する予定ですので お楽しみに!

いいなと思ったら応援しよう!