⑮『ジョジョの奇妙な冒険』feat.Echoes(by Pink Floyd)
最初は気弱でおとなしい性格の少年として描かれていますが、物語が進むにつれて精神的に大きく成長していくキャラクター
広瀬康一
幸運な偶然でスタンドの矢に刺されたことで手に入れたスタンド能力
「エコーズ」
元ネタは、1971年リリースのピンク・フロイド(Pink Floyd)6枚目のスタジオ・アルバム『おせっかい(Meddle)』に収録された23:30の大作
「Echoes(エコーズ)」
『おせっかい(Meddle)』
本作は、前作までのサイケデリックな実験性から脱却し、プログレッシブ・ロックへの本格的な進化を遂げたアルバムとされて、ピンク・フロイドのバンドのキャリアにおける重要な転換点となった作品です。
「Meddle」という言葉の意味
英語の "meddle" は「干渉する」「余計な世話を焼く」という意味を持ちます。このタイトルには、「ピンク・フロイドがリスナーや音楽業界に一種の挑発的な姿勢を見せる」という意図が含まれていると考えられます。
アルバム制作中に、特に大きなテーマやコンセプトを持っていなかったため、「このアルバムは一体何を目指しているのか?」という議論が内部で巻き起こりました。
ロジャー・ウォーターズ(バンド・リーダー)はインタビューで、
「このアルバムには特定のコンセプトはないが、それぞれの楽曲がバラバラに”干渉”し合う感じが気に入っている」
と語ったことがあります。
オープニングトラック「One of These Days」
その独特な構成と迫力あるサウンドで、ピンク・フロイドの楽曲の中でも非常に特異な位置を占めています。
One Of These Days (BBC 1971)
この曲はほとんどインストゥルメンタルですが、中盤にニック・メイスンが語る一言のボーカルが挿入されています
このフレーズは、当時のバンドメンバーが音楽業界の過酷な現状や、ラジオDJへの苛立ちを反映したものだとされています。
特に、BBCのDJであるジミー・ヤングへの当てつけだという説があります。
また、日本では全日本プロレスのアブドーラ・ザ・ブッチャー(Abdullah the Butcher)の入場曲として有名になりました。
「エコーズ(Echoes)」
アルバムを締めくくる23分以上の大作「エコーズ」は、ピンク・フロイドの音楽的な方向性を決定づける楽曲として、後の『狂気(The Dark Side of the Moon)』や『炎(Wish You Were Here)』などの名作へと繋がる重要な橋渡しとなりました。
ピアノの単音から始まり、宇宙的なサウンドスケープへと展開。
自然や人間同士のつながりをテーマにした歌詞と、音楽的な冒険心が融合した名曲です。
『ピンク・フロイド ライブ・アット・ポンペイ』(Pink Floyd: Live at Pompeii)
1972年に制作されたピンク・フロイドのコンサート映画であり、当時のバンドの実験的で革新的な音楽性を捉えた作品です。
この映画の最大の特徴は、観客が一切いないイタリア・ポンペイ遺跡(古代ローマ円形劇場)で行われたパフォーマンスです
これは、伝統的な「ライブ」の概念を覆し、音楽と遺跡の静けさを融合させたアート作品として評価されています。
「Echoes, Part 1」が、映画の冒頭を飾ります。
「Echoes, Part 2」は、映画のクライマックスを飾る楽曲で、映画全体の壮大なテーマを締めくくります。
広瀬康一のスタンドと楽曲「Echoes」との関連性
広瀬康一のスタンド「エコーズ」は、楽曲が持つテーマや音楽的な広がりをキャラクターに反映しています。
スタンド「エコーズ」は、ACT1、ACT2、ACT3の3つの形態に進化し、それぞれが違った能力を持つという珍しいタイプです。
楽曲「Echoes」は、全体がいくつかのセクションに分かれており、緻密な構成と多様な音楽的要素が融合した23分に及ぶ長尺の楽曲構成は、後のプログレッシブ・ロックの典型的なスタイルを確立しました。
スタンド「エコーズ」が音の力を具現化し、敵との戦闘や仲間を支える力として成長する様子は、「Echoes」の楽曲が見せる多段階的な展開と深く結びついています。
歌詞のテーマとメッセージ
「Echoes」の歌詞は、「人間同士のつながりや共感」「孤独の克服」をテーマにしています。
これはロジャー・ウォーターズが手がけたもので、彼が社会や人間関係に対して抱く哲学的な視点が反映されています。
その壮大なスケールと深遠なメッセージは、広瀬康一のスタンド「エコーズ」にも共通するテーマで、音楽と物語が交錯する荒木飛呂彦先生の独創性を際立たせています。
映画『Crystal Voyager』
監督: ジョージ・グリーノー(George Greenough)
サーフィン文化、自然、そして波乗りの芸術を探求した映画。
後にサーフィン映画の傑作「ビッグ・ウェンズデー」で水中撮影を担当した天才サーファーにして水中カメラマンである監督ジョージ・グリーノー自身が撮影した「サーフィン中の視点」を映像化した革新的な作品。
最後の約23分間にわたり、ピンク・フロイドの「Echoes」がサウンドトラックとして使用されいて、波の内側で撮影された映像と楽曲が完璧に調和し、観客に強烈な感覚を与えるシーンとして知られています。
ピンク・フロイドのメンバーが、ロンドンのスタジオで「Crystal Voyager」映像を観て、35mmプリントを映画製作者から1本譲り受けることを条件に「Echoes」の使用を許諾したというエピソードが残っています。
ピンク・フロイドは、この映画をコンサートの背景として使用しました。
続く、、、