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ジャズコンボで考えるビロンギング(帰属性)という概念
市場予測が困難な変化に見舞われた時に『即興』しやすい組織であればあるほど 従来の方法論に縛られることなく 俊敏な対応が可能なはずです
昨日の投稿で十分に語れていなかった『ビロンギング(帰属性)』について考えてみました
『クライシス・マネジメント』はジャズコンボ組織が最適
私は クライシスマネジメントを
と考えています
前例のない 過去の経験が殆ど役に立たない状況陥った時に『即興性』こそが必要なことです
ジャズメンの即興演奏は
学んできた音楽理論 自分なりの音楽の歴的な理解 演奏技術の理解などの全てのリソースをかき集めて 直感的にアウトプットしている
もので 芯がしっかりした広い知識から創造されている”直感”です
危機管理下において
これは ジャズメンのセッションと同じで インタープレイの考え方です
合奏的対話=相互作用=インタープレイ
アイデアの創出が得意な人材は『アナロジー思考』が高い傾向にあり 応用力も高いため 危機管理下における『即興性』に長けていて レジリエンス(復興)に向けての能力を発揮できるはずです
ジャズコンボにおける即興を可能にしている要因
① 最大の柔軟性を生むための最小の構造
② 過去と関連付けることによる創造
③ 間違いという学習の源泉
④ ソロとサポートのローテーション
マイルス・デイヴィスは
同じところなんかにずっといたくない
クリエイティブなことができないなら、死んだ方がましだ
生きてる意味がないじゃないか
オレは現状に甘んじる人間は好きじゃない
常に前進し 変化を求める人間が好きだ
と常に変化して その変化を受け入れる必要性を訴えていますが
グループを作る場合は いろいろな人間を混ぜないと駄目だ
持ち味ってもんが違うからな
音楽は競争じゃない 協調だ
一緒に演奏して 互いに作り上げていくものなんだ
と多様性の必要性も訴えています
マイルスというクリエイティブなイノベーターは 「アッ」と言わせるような方法で周りに影響を与えるのは事実です
しかし一方で 補完的なパーソナリティをもつ他者に支えられているからこそ 革新的なプロジェクトは実現できるのも事実です
これが『ダイバーシティ』&『インクルージョン』の考え方です
「経験への開放性」の高い人
『ビッグ・ファイブ理論』
1990年代に心理学者のルイスゴールドバーグが『パーソナリティの特性論(性格分析)』において「人間が持つさまざまな性格は5つの要素の組み合わせで構成される」としたもの(「外向性」「調和性」「誠実性」「神経症的傾向」「経験への開放性」の5つに大別されます)
ここで注目したのが「経験への開放性」です
この「経験への開放性」は 新しい考えや人間関係 環境をどの程度受け入れるかを表すもので 芸術や文化に興味を示し クリエイティビティと深く結びついています
「経験への開放性」が高い人は
常に新たな刺激や知識 そして未知の感覚を追求したいので いつでも変化を受け入れる準備ができていて 様々な考え方や行動の仕方を拒絶することなく受け入れることができる傾向が強い。 独立した思考と行動が求められる状況ではモチベーションが高まりますが 規則や慣習に従う行動が求められる状況においては モチベーションが弱まると考えていいでしょう
「経験への開放性」が低い人は
高い人ほどの寛容性を持ち合わせていないので 伝統やルーティーンに固執して より保守的な思考パターンを有しています
日本型経営組織において『均質性』『同質性』に重点が置かれた人材採用が多いので クリエイティブな人の扱いに手を焼くという理由が 何となく分かるような気がします(笑)
「経験への開放性」という観点で考えるビロンギング(帰属性)
『ビロンギング(belonging/帰属性)』
従業員がありのまま自分を偽らずに 組織やコミュニティの一員として「居場所があると感じられる状態」(結果/outcome)
リーダー&フォロワーともに”居心地の良さ”が感じられるのは 次の2つのパターンです
①【従来からある組織で 今までの業務プロセスの延長線上にない全く新しいチャレンジ】に必要な人材
「経験への開放性が高い」リーダー的ポジションの人事権を持った人
「人事権」は大きな要素です
どんなに能力が高い人を投入しても 人事権を持っていなければ 既存メンバーの同調圧力によって 潰されます
②【新しい組織で最高のパフォーマンスを発揮できる形態は?】
組織としての目的・目標・それぞれのメンバーの役割を明確にしてオープンにした上で 「経験への開放性が高く」て”鎹”になれるリーダーを配置した ジャズコンボ型組織
ここでのメンバー選定は ジョブ型雇用 に近いでしょう
✅ 【従来から存在している組織】において【今までの業務プロセスの延長線上でのチャレンジ】に ジャズメン的発想の人の投入は 逆効果 で 組織を混乱させるだけです
プロジェクトを時間とともに動的に変化していく一連の演奏と考える
作品は「結果を作り出すこと」ではなく「変化を生み出すこと」
と言えます
つまり 創造性を生かしたいなら
演奏前から 完璧な成果物を思い描こうとすることは必要ないです
しかし ここで問題になる難しい点は?
創造的プロセスにおける「変化」をどう評価するかということ
この『評価方法』も含めた上での ”居場所”が『ビロンギング』
まとめ
【心理的安定性】が高い組織作りには 『ビロンギング(帰属性)』という概念を組織内に浸透させる必要があると考えます