御都合主義が大好きな経営陣は手の平返しで生成系AIを導入するでしょう
白人による「横取りマーケティング」
1950年代始めのアメリカは人種差別が横行する時代であり、黒人アーティストたちが創造する音楽は、白人の主流社会においては軽蔑される傾向にあり、白人が支配する音楽産業に参入することが非常に難しかったのです。
そこで白人主導の音楽業界は、2つの戦略を展開します。
大胆なまでの『黒人アーティストの楽曲の盗用』
白人アーティストたちは、黒人アーティストの楽曲を盗用して、白人のオーディエンス向けに、強固な流通チャネルとメジャーレーベルの宣伝力で、原曲よりも大きな成功を収めるケースが珍しくありませんでした。
白人と黒人のマーケットの切り離し
『楽曲の盗用』がバレたり、原曲とカバーを聴き比べすることがないように、白人と黒人のマーケットを切り離す必要がありました。メジャーレーベルは、誰がどのように白人のオーディエンスにリーチするのかを、完全にコントロールしました。
「横取りマーケティング」が横行した一因に、当時の著作権法の音楽についての規定が曖昧だったことがあげられます。
楽曲の作曲者に対しては保護が与えられていましたが、演奏者や録音会社に対する保護は十分ではありませんでした。
そのため、白人アーティストが黒人アーティストの楽曲をカバーしてレコードを出すことが容易であり、商業的な成功を収めることができたのです。
白人歌手によるR&Bなどのカバーは、より強固な流通チャネルとメジャーレーベルの宣伝力によって、オリジナルの黒人よりも大ヒットするケースが珍しくありませんでした。
「The Wallflower(Dance with Me, Henry、Roll with Me, Henry)」
エタ・ジェイムスは40万枚を売り上げましたが、ジョージア・ギブス(白人)によるカヴァー・バージョンは100万枚を超える大ヒットになりました。
パット・ブーンは、
ファッツ・ドミノの「Ain‘t That a Shame」のカヴァー・バージョンで自身初の『ビルボード』ポップ・チャートで第1位を獲得しました。
この動きに対して、黒人音楽家たちは、権利を守るために法的手段を取り、また音楽のライブ演奏においても、オリジナルの楽曲を演奏することで、白人アーティストとの競争に立ち向かいました。
これらの反撃は、黒人音楽家たちの自立を促し、黒人音楽の発展につながったと考えられます。
ジャズ・アンバサダー
冷戦初期のソ連は、バレエやクラシック音楽で文化外交を展開して、アメリカ社会の『黒人差別』を国際的な宣伝戦に使っていました。
アメリカにとっての最大の弱点『人種問題』
そこで、この対抗策として、アイゼンハワーの承認を受けたアメリカ国務省は、1956年から著名なジャズ・ミュージシャンを「外交官」として海外に派遣します。
最初のイラン演奏旅行に赴いたのはディジー・ガレスピー。その後 ルイ・アームストロング デューク・エリントン デイヴ・ブルーベックなどが派遣されます。
アイゼンハワー大統領が、ソ連に立ち後れているという危機感を認識し文化外交に力を入れるようになった目的は?
✅ ソ連の流す「アメリカ=人種差別国家のプロパガンダ等式」を否定すること
✅ ジャズは『人種差別国家』という批判を交わすのにうってつけの音楽として文化的プロパガンダ合戦に利用した
背景には『ソ連世界初人工衛星スプートニク1号打上成功』があったと考えられます。
ジャズは『人種差別国家』という批判を交わすのにうってつけの音楽として、米ソ両国の威信をかけた文化的プロパガンダ合戦に利用されたのです。
『リトルロック事件』が世界中に伝わった時、国内で差別の対象とされながら「外交官」として『アメリカの理想』を伝えるというジレンマを抱えて海外に渡った黒人ジャズ・ミュージシャンはどんな思いだったのでいたのでしょうか?
サッチモ(ルイ・アームストロング)はツアー中に行われた記者会見で次のように語ります
「南部にいる私の同胞に対する仕打ち 政府は地獄に堕ちて当然だ」
「The President has No guts!」
と発言して、ソ連への文化外交派遣を拒否しました。
サッチモのアメリカ社会への「問いかけ」は?
特権階級のマジョリティこそ、潜在意識のアップデートが必要
ということなのではないでしょうか?
「御都合主義」とは?
都合が良いときだけある考えや原則を持ち出し、それ以外の時は無視するという態度や行動のことを指します。
あなたの所属している企業は、この「御都合主義」をやっていませんか?
まだ、生成系AIの凄さを理解していない経営陣も、コストパフォーマンスに気が付けば、手のひら返しで導入しますよ。
会社に依存して思考停止になってしまっているマイノリティ(従業員)は、大変になると思います!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?