③『ジョジョの奇妙な冒険』feat.Hall & Oates (or"Fullforce")
第3部「スターダストクルセイダース」に登場するキャラクター
ホル・ホース
「一番よりNo.2!」という人生哲学を掲げ、あくまで協力的に戦う男。
彼のスタンド「皇帝(エンペラー)」もまた、銃の形状でありながら単独では限界があるため、相棒とのコンビネーションで力を発揮するスタイルが反映されています。
その名前の由来は?
1980年代に人気を博したアメリカのロック・デュオ
「ホール&オーツ(Hall & Oates)」
または
ファンクとR&Bのヴォーカル・グループ
「フル・フォース(Fullforce)」
から取られた可能性があります。それぞれの音楽グループがホル・ホースのキャラクターにどう関係しているかについて考察していきます。
ホール&オーツ:協力とコンビネーション
「ホール&オーツ」は、デュオとして「一人では達成できない音楽性」を生み出してきました。
ダリル・ホールがリードボーカルを務め、ジョン・オーツがギターやコーラス、ソングライティングでサポートするという役割分担が特徴的で、二人の絶妙なバランスが楽曲に深みを与えています。
彼らの楽曲や歌詞、ライブでのパフォーマンスに現れる
「二人で一つの個性を作り上げる」というスタイルが
ホル・ホースのキャラクター性と共鳴している点があり、
「誰かと組んで初めて実力を発揮する」というスタンスに通じます。
彼らの音楽は、ロックやポップ、R&B、ソウルの要素を取り入れて、1970年代から80年代にかけて多くのヒット曲を生み出しました。
彼らの楽曲には、協力や支え合いといったテーマが頻繁に登場します。
たとえば、「You Make My Dreams」や「Maneater」などの曲には、「愛や支えがもたらす力」が表現され、相手と共にいることで生まれる力強さや安定が歌われています。
特に「Out of Touch」では、誰かを失うことによる孤独や、二人でいなければ成り立たない関係性が強調されており、ホル・ホースの孤独感や他者との協力への渇望を示唆しているかのようです。
ホール&オーツの楽曲とライブにおける「協調的なパフォーマンススタイル」は、ホル・ホースの協力的な戦い方に影響を与えている可能性があります。
「二人で一つ」を実現するバランスの良さとパートナーシップ
ホル・ホースのキャラクター性に共通するものであり、彼が誰かと組んで力を発揮する「協力型のスタンド使い」「No.2として力を発揮する」という哲学に強く影響を与えています。
フル・フォース:エネルギーとサポート
ホル・ホースの名前のもう一つの由来とされる「フル・フォース(Full Force)」は、1980年代に活躍したアメリカのヴォーカル・グループであり、ファンク、R&B、ダンスミュージックのジャンルで人気を博しました。
彼らの楽曲やパフォーマンスに表れる「支え合い」「連携」「エネルギー」が、ホル・ホースの「一番よりNo.2!」という哲学や協力的な戦闘スタイルに通じます。
フル・フォースは、単独でアーティスト活動を行うだけでなく、他のミュージシャンのプロデュースやバックアップを行う「サポート」の姿勢でも知られています。
彼らは多くのアーティストの楽曲に貢献し、ビッグヒットを生み出すのに協力してきました。
これはホル・ホースの「No.2としての自覚」に近いもので、彼も自分が「一番」になることよりも、誰かのサポート役に回ることで力を発揮するスタンスを持っています。
ホル・ホースの名前の由来はどっち?
ホル・ホースは、基本的に仲間を信用したがらない第3部の敵スタンド使いの中では珍しく『協調性』というスキルを持つ男です。
一度目の対決時はJ・ガイル、二度目にはボインゴとコンビを組みます。
J・ガイルの名前の由来は?
J・ガイルズ・バンド(The J. Geils Band)
1980年代前半に大きな成功を収め、ラジオやテレビで頻繁に取り上げられるなど、当時の音楽シーンでの人気を競っていました。
初期にブルース・ロックを基盤としたサウンドを展開していましたが、後に「Centerfold」などのヒットでポップやニューウェーブを取り入れ、幅広い音楽性を見せるようになりました。
ボインゴの名前の由来は?
オインゴ・ボインゴ(Oingo Boingo)
ポップ、ロック、ニューウェーブを融合させ、実験的な音楽要素を取り入れたユニークなサウンドを展開して、80年代カルチャーにおけるアイコン的存在となりました。
J・ガイルとボインゴの詳細については、彼らを考察する投稿記事(後日投稿予定)に譲りますが、ホル・ホースが彼らとコンビを組んだという視点から考察してみると、
ホル・ホースの名前の由来は「ホール&オーツ」でしょう。
J・ガイルズ・バンドは「ブルース」を基盤としてポップやニューウェーブを取り入れていくスタンス
オインゴ・ボインゴは、まったく異なるジャンルの音楽を融合させていくスタイル
ホール&オーツは、R&Bやソウル、ロックを取り入れた「ブルー・アイド・ソウル」と呼ばれる独自のスタイルを築きました。
私は、黒人音楽大好き人間なので、黒人ヴォーカル・グループのフル・フォースを連想したのですが、深読みだったかもしれません。
しかし、フル・フォースのように「サポートすることの意義」を音楽活動で体現してきた点が、ホル・ホースのキャラクターと響き合うと思います。
余 談
2023年、ダリル・ホールとジョン・オーツの2人が設立した版権管理会社「ホール・オーツ・エンタープライズ」の株式の半分をオーツが投資ファンドに売却しようとしたことに端を発し、ホールがオーツを訴えるなど関係が泥沼化。
2024年4月にはジョン・オーツがメディアに対し
「ホール&オーツはもう終わった」と発言
5月にはダリル・ホールが
「グループを見ることはもうない」と発言
事実上グループは解散しました。
次号へ続く
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