“隠れ蓑”は?「媚びる?」「COVIる?」
『“隠れ蓑“にする』という言葉がある。
「表向きの手段を用いて、本心や悪事などの実態を見破られないようにする。」という意味だ。
語源は、【それを身につけると他人からは姿が見えなくなるという(鬼や天狗(てんぐ)が持つ)想像上の蓑】だそうだ。
今年上期のTVのニュース・報道番組・ワイドショーで“COVID-19”関連情報を取り上げなかった日は無かっただろう。
各TV番組では、リモート出演での感染症の専門家(なぜか?いつも同じ人たち)が持論を語り、芸能人コメンテーターが熱弁を振るう。
ネット上では【一億総評論家】によるバトルが開催され、問題の本質を全く理解していない人々が、『匿名性』を【隠れ蓑】にして、“誹謗中傷”合戦を繰り返す。
外出自粛による“巣篭り生活”で、報道番組・ワイドショーを観る機会が増えたが、報道すらされなかった多くの重大事件は起こっていたはずだ。
COVID-19は、日本郵政グループにとっては【隠れ蓑】になっていたのではないだろうか?
日本郵政グループは5月15日、令和3年3月期の連結最終利益が前年同期比42・1%減の2800億円となるとする業績予想を発表した。
① かんぽ生命保険の不正販売に伴う営業自粛
② 新型コロナウイルスの感染拡大による事業環境の悪化
③ 買収した豪州物流大手トール・ホールディングスの再建
この三重苦で収益改善の道筋は見通せないという内容のものだった。
今年1月に社長に就いた増田寛也氏は、お決まりの
「一刻も早く信頼を取り戻したい。お客様本位の業務運営やコンプライアンス(法令順守)の徹底を図る」
と話した。
(保険営業は総務省や金融庁による業務停止命令は3月末で解除された。)
6月12日『持続化給付金』を巡り、日本郵便とかんぽ生命保険の社員約120人が新型コロナとは無関係なのに受給申請して、一部の社員は既に受給しているネットニュースが流れた。
『持続化給付金』の手続き上は、保険の契約件数に応じて支給される営業手当を“個人事業主”として確定申告しているので、申請は可能だ。
私が問題と思うのは、社員が給付金申請手続きをした行為でなく、【“不正販売問題”で再発防止】を目指していると語っている
経営陣と言うか? 組織体制 だ。
「ガバナンスの立て直しどころか、販売自粛によって“営業手当”が入らない社員に対する対応もできないんだ。」
経営陣と本部体制が、制度(評価制度・人事制度)やインセンティブ体系を早急に再構築して、マーケティングや正しい販売スキルを社員に教育できる体制が整備されない限り、また同じような不祥事を繰り返すだけだろう。
昨夏の日本郵政の長門正貢元社長が、かんぽ生命の植平光彦元社長、日本郵便の横山邦男元社長を従えた記者会見を思い出して欲しい。
長門元社長:「自分は何も知らされていなかった」
植平元社長は「全体の規模感を知ったのは6月」
“自分は悪くないんだ”と主張したかったのだろう。
更に、長門元社長は、
郵政民営化委員会の岩田委員長、日本取引所グループの清田CEOの『不正を速やかに公表すべきだった』と指摘に、
「『冗談ではない』と申し上げたい。不正を隠した事実はない。」
と語気を荒げて言い放っていた。
「権力は人を堕落させる」と言われるが、【権力】には人間の心理を変える作用がある。
絶大な【権力】を持つと、【権力者自身】が法律になり、【人事権】は握った【権力者】は、どんなに“愚かな振る舞い”や“決断”をしようとも、周りはそれに“黙従”せざるを得なって、 “ワガママ”度合がエスカレートしていく。
【権力者】に“媚びる”を繰り返えす輩“は、『自分に何かをもたらしてもらえる?』という期待感から、不祥事の実質的な”主犯格”となることもある。
自分の保身だけを考え、自分のために既得権益にしがみつき、属性で人を判断し、『下』の人には高圧的な態度をとる傾向が強いそうだ。
どっちもどっちだが、【権力に溺れる欲】もあるが、【権力にすり寄る欲】というのも厄介だ。
私の投稿記事を読んだいう“匿名希望さん”からメッセージが届いた。
< 読んだと思われる投稿記事(クリック) >
【メッセージ(抜粋&一部修正)】
かんぽ生命の●●●●部に派遣社員として勤めておりましたが、一昨日、理不尽な理由で雇い止めになりました。
たまたま記事を拝見して、実際訪問対応になっても“やっぱり”なあと思い連絡させて頂きました。
そもそも「信頼回復」を本気でする気があるのか?と私も業務をしながら葛藤していました。
「天下のかんぽ様だぞ」
「税金かかるっていってやれ」
「バカだから(契約者様が)」
といった上席の発言。
出る杭は打たれる社風。
媚びを売り、イエスマンだけが幅を利かせて意見したりする人間は潰す。
・・・(以下省略)・・・
日本郵政グループは、「現場からトップに情報が伝わる仕組みが機能していない」グループとしてのガバナンス(企業統治)が効いていない。
縦割り組織のなかで、抜本的な改革は何も進んでいないようだ。
組織風土や組織文化は簡単に変えられないのだろう。
『高齢者をカモにした国家ぐるみの詐欺』と言われてもしかたない不正事件なのだから、
COVID-19を、【隠れ蓑】にするのでなく、【抜本的改革】の“特効薬”と思って欲しいものだ。
麻生太郎財務相兼金融担当相の発言を思い出した。
「言うのは簡単だけど、社風を一新しますなんて話は “嘘八百”。できっこないんだから」
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