TETRAPOT株式会社 執行役員 管理本部長 小谷 佑介さん ~生え抜きのボランチ~
「ボランチ」とは?
元々はポルトガル語のvolanteという言葉で、「(車の)ハンドル」、「舵取り」といった意味。
サッカーにおけるボランチは、試合の流れをコントロールする“舵取り役”や“司令塔”で試合の要となる存在。
チーム全体の動きを把握し、流れを先読みできる頭脳・センス・視野の広さ。
落ち着いて状況判断ができる冷静さ・メンタル面での強さも必要。
今回のお相手は?
一見、華奢で線が細い印象を受けるが、実は学生時代からサッカーで鍛えられたバネのある筋肉体質。
優しいハイトーンボイスで熱い“魂”がこもった語りが特徴の
“生え抜き”のボランチ(守備的ミッドフィールダー)
TETRAPOT株式会社執行役員 管理本部長 小谷 佑介 さん
TETORAPOT株式会社は、2008年に設立されたCRM事業を柱にした総合マーケティングカンパニー。
わずか3名でスタートして、現在はTETRAPOTグループとして従業員数も1,000名を超えるメガベンチャー企業だ。
若く、明るい、風通しが良い
毎年多くの学生採用を続けている注目企業。
取材スタート!
司会者(当該企画のスポンサー企業の提案で『学生ビジネスについて』という切り口から、3人でのフリーディスカッションという形式で取材はスタートした。
(司会者)
「山本五十六指令長官の名言にあるように、最近の学生さんは特に
『やって見せ、言って聞かせて、させて見せ、褒めてやらねば、人は動かじ。』 という傾向が強いです。」
(小谷さん)
「そうですね。私が社内で『”学生ビジネス”を立ち上げる』と掲げながら、現場をちょっと離れた立場になってしまって、担当者に任せきりの部分は否めないです。 ご指摘は耳に痛い。」
(司会者)
「学生さんには、“こんな感じでやって”という漠然としたオーダーではダメですね。ある程度の“ゴール”をイメージさせないと。”こんな出来姿”という“再現性”が重要です。」
(小谷さん)
「一緒にやっていくというスタンスなんですね。今一度考え直してみます。ありがとうございます。」
管理本部の仕事とは?
私は二人の話を聞きながら、ふと疑問が浮かんだ。
「小谷さん、あの、、、不勉強で恐縮ですが、管理本部って どんな仕事なんですか?」
(小谷さん)
「大雑把な言い方ですが、人事も総務も庶務も、営業以外の仕事全般、会社全体を見ている部署でしょうか?」
ベンチャー企業は
【“ピッチャーで4番バッター” が引っ張る『野球型企業』】
と例えられることが多い。
エース頼みのワンマンチームは、各ポジションの“狭間”に落ちる“ポテンヒット”からリズムが崩れることがある。
この“ポテンヒット”は、ピッチャーとしては打ち取っていて、記録上は野手陣のエラーではない。
ポジション間の “お見合い” “遠慮” というコミュニケーション不足によって生じる“不協和”によるものだ。
この“不協和”は、リズムを崩すので、負の連鎖に繋がりかねない。
管理本部の仕事は?
“ポテンヒット”を未然に防ぐ体制を構築
“エラー”再発防止に向けての“声掛け”&“制度作り”
野球型企業からサッカー型企業への転換
「小谷さんは、サッカーやってたんですよね。ポジションは?」
(小谷さん)
「ポジションは守備的ミッドフィールダー(ボランチ)です。」
(司会者)
「なるほど!」
“野球”は試合中に選手が『止まってる時間』が多い。
VUCA時代の今、チーム全員が動いてゴールを目指す “サッカー型企業” への転換が必要だ。
攻守の切り替えが早い戦況では、各プレーヤーが瞬時に判断して動かなければ、カウンターアタックを食らってしまう。
それ故に、ゲームを組み立ててチーム全体を見渡す“ボランチ” が重要となってくる。
(司会者)
「今、PDCAなんて時代遅れです。『計画』してからでは遅いです。」
(小谷さん)
「考えてる間に、隙間にスルーパス通されたら失点しちゃいますよね。」
隙間時間の”ファンタジスタ”
「小谷さんの好きな時間は?」
(小谷さん)
「仲間と飲みながら話をしたり、聞いたりする時間ですね。」
「毎日必ず湯船につからないと嫌です。お風呂タイムは好きですね。長風呂です。
それと、風呂あがって寝落ちするまでの90分の “隙間時間” が大好きです。今日一日を振り返ったり、調べものをしたり、YouTubeをみたり、」
マルチタスク人間は【“隙間時間”の活用上手】と言われている。
24時間は誰に対しても“平等”であるが、時間の使い方によって“差”が生まれる。いかに”隙間時間”を有効活用するか? によっても”差”は広がっていく。
(司会者)
「小谷さん、仕事楽しいですか?」
(小谷さん)
「楽しいです!!!」
(司会者)
「適材適所。適任ですね、管理本部長って。」
二人の”やりとり”を聞きながら、私は、本田圭佑さんと中山雅史さんの対談を思い出していた。
「サッカーチームを変えるのは、若者、バカ者、よそ者 だ。 よそ者は、経験を積んだベテラン。」
若者主流の企業の更なる成長には、よそ者のベテラン(メンター)投入は効果的だろう。
「故きを温めて新しきを知る、以って師と為すべし」
隙間時間のファンタジスタは、年齢”差”も埋めるビジネス手法も考えているのではないか?
時の過ぎ行くままに
時間がぎっしりと詰まればせわしない
空間が高密度になれば息苦しい
世間のつきあいもベッタリになれば気詰まりしてしまう。
時間、空間、世間すべての面で
「間をとる」 「間をおく」 「間を配る」
ことが日常の心やさしい作法。
この作法を身に着けている若者は少ない。
時の流れと共に、新しい人との”繋がり”によって身に着けいていくもの。
管理本部長という立場になったことで、この作法を身に着けたのか?
この作法を身に着けているので、管理本部長になれたのか?
私は後者だと思う。彼の生まれながらの ”センス”
小谷佑介という”男”は?
“時の流れ”を掴み
“隙間時間”を上手に使い
“間”の取り方が絶妙
スペースを見つけて的確なスルーパス
隙間を埋めて”失点”を防ぐ 攻守の起点
ピッチ上のメンバーも、ベンチのメンバーも、誰であっても一緒にいて、心地良い気分してくれる 舵取り役
”生え抜きのボランチ” そんな”男”
今宵も 風呂上り 90分(45分ハーフ × 2)の隙間時間を過ごして"寝落ち”してるのかもしれない(笑)