子供向け教育教材関連業界に興味津々 誰の?ニーズをどうやって把握するのか?
インテックス大阪で開催されていた 『第2回STEAM教育EXPO』 に行ってきた。
この種の展示会は、それぞれの業界の最新鋭機種を実際に体験できたり、情報が簡単に入手できたりするので、サラリーマン時代からよく足を運んでいた。
今回は、私にとっては今まで“無縁”と言ってもいい教育関連の展示会だ。
生涯現役で働き続けるには、個々人が主体的に勉強してスキルアップする “リカレント教育” の必要性を痛感している。
『オッサンにとっても“STEAM教育”というのは、何かのヒントになるのではないか?』
『まず興味を持てないと長続きしないだろうから、どんな仕掛があるのだろうか?』
との思いから、この展示会に行くことにした。
STEAM教育とは
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(ものづくり)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語。
STEAM教育は
これら5つの領域を重視する教育方針を意味する。
目的は、現実の問題を解決に導く力や今までにないものを創造する力を育むこと。
(元々はアメリカが、科学技術分野での競争力を高めるために推進してきた教育方針)
科学技術・情報技術が発展し、近い将来は人間が行っている仕事の多くを、ロボットやAIが担うようになる。
近未来においては、テクノロジーを使いこなすだけでなく、新たな変化を創造していく能力が人間に求められる。
そんな能力を持つ人材を育てる手法として、世界中で注目を集め、導入が進められているのが“STEAM教育”だ。
新しい何かを創造するのに必要な知識や思考は、複数の科目にまたがっていて、お互いにつながっている。
文部科学省の「Society5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」で三つの力が必要だと記載している。
● 文章や情報を正確に読み解き、対話する力
● 科学的に思考、吟味し活用する力
● 価値を見つけ出す感性と力、好奇心・探求力
科学や数学的な思考、正確な技術、設計図とデザイン
新しいものを知り、新しい学ぶには、どんな世代の人でも まず“楽しむ” ことが重要だと思う。
出展企業にヒアリングしてみたが、、、
この種の展示会出展企業は、自社商品・サービスを “売り込みたい” “せめて名刺が欲しい”と、何とか“商談”に結び付けようとする“前のめり担当者”だらけだ。
「我が社の商品は、こんな内容のモノです。」
と勝手に担当者が寄ってきて話始める。
「で?貴社のウリは?」 とでも聞こうものなら
「どうぞこちらへ」 と拉致される。
数社に同じ質問をしてみた。
「日本のSTEAM教育って遅れてるよね。何が課題なの?」
すると、どの会社も
「我が社の商品は、簡単に導入できるシステムですので様々な課題を解決できます。」
と、よだれを垂らしながら自社商品PRを熱く語り出す。
デモンストレーションをやっているブースでは
出展企業の社員が、プレゼンテーションをしているのだろうが、ハッキリ言って“下手糞”。
一方的な説明だけで面白くない。
(百貨店の催事場で行われている日用品の実演販売者にやってもらったほうがいいのでは?(笑))
この種の展示会は、商材を“売りたい”業者と、商材を必要としている“買いたい”教育関係者が出会い、“商談”を行う場だと分かってはいたが、残念ながら、私にとって“ヒント”になるものは何もなかった。
エリートの知人の話
サラリーマン時代の東大卒のエリート社員から聞いた話
知人
「京都勤務したことで関西の良さがわかったよ。神戸にマンション買おうと思ってる。」
小生
「へー 奥さんも貴方も東京出身でしょ。そんなに関西が気に入ったの?」
知人
「一人息子を灘中学校・高校に行かせようと思ってて」
小生
「・・・(絶句)・・・」
私も世間体だけ(?)で親が
「どこの大学に行け」
「この就職先はお前には向いていない。諦めろ。」
と言われた経験がある。
「なんで?親の希望に合わせる人生をおくらなければならないのか?俺の人生じゃないの?」 と親に反発して生きてきた。
それ故に、自分の息子たちに対して
「勉強しろ!」 「どこの学校に行け!」 「どんな仕事をしろ!」
と言ったことがない。
“人として”最低限必要なマナーや所作を“躾”て、息子が自立するまで面倒をみるのが親
息子の人生は息子の人生
息子が“やりたいこと”を支援するのが親
と考えてきた。
「子供をどこの学校に行かせたい」
というのは親の希望であって、子供の希望なのだろうか?
自分にとって何が“やりたいこと”なのか?を考える多くの体験をさせてあげることは親として立派なことだと思うが、
親の考えを子供に押し付ける
というのは間違っていると思うが、、、。
子供教育産業におけるターゲットとは
購入者 = 親
使用者 = 子供
『STEAM教育EXPO』には、一人の子供もいなかった。
まるでレースクイーンのようなコスチュームの女性が、オッサンに声掛けして自社ブースに誘い込んでいる。
これはこれで、自社ブースに引き込む手法のひとつとして否定するものではない(笑)。
各商品創造過程で、どうやって使用者になる子供の反応を把握してきたのだろうか?という疑問は拭えない。
教育商品・サービスの“良し悪し”が分かるのは、子供が興味を持って取り組んで、多くのことを学び、成長していったことが感じられた時だ。
多くの子供たちに体験してもらって、その反応などを分析してIT化して、タブレットPCやスマホで使える商品にするには、試行錯誤の連続であっただろうし、時間と資金が必要だっただろう。
しかし、教師や親からは
「自分たちの世代にはなかったこの教育を、どのように実践すればよいか分からない」
といった疑問の声も聞こえてくるのも事実だ。
STEAM教育が理解しづらいのは
「横断的」で「創造的」な学びを「体験」を通じて楽しんで行うこと
にあるようにも思う。
『STEAM教育EXPO』での“モヤモヤ”感は
どうやって?子供のニーズを把握したんだろう? という素朴な疑問と
百歩譲ったとしても 「こいつに子供の教育ができるはずがない」 としか思えない各ブースにいる社員らしき人の“振る舞い”には共感できなかったことだ。
子供向け教育教材に興味津々
現在までゆるやかに成長を続けている教育業界。
今後も伸びていくことが予想されてはいるが、少子化の影響により大きな変化を要する業界でもある。
ただ、受験合格を目指した塾だけでなく、
『プログラミング』 『STEAM教育』 『探究』
などといった新しいジャンルの習い事によって、まだまだ業界の活気は続いていくと思われる。
オッサンだからといって“知ったかぶり”するのでなく、“どんな人にも教えてもらう”という姿勢の方が楽しい。
NHKで毎週日曜日18時に放映している
『これでわかった!世界のいま』
という子供向け番組は、実に分かりやすい。
“分かりやすい文章”とは
小学生、中学生レベルの一般教養があれば十分に理解できる文章
今後の子供向け教育産業は
スーパージェネラリストによる発案を正しく理解できるシステムエンジニア
各階層のニーズを把握できるマーケター
それぞれの役割を演じきれるインストラクター
といった人材確保と育成が急務なのではないだろうか?
「横断的」で「創造的」な学びを「体験」を通じて楽しんで行うこと
主語は 子供
これを実現するには、お勉強ばかりやってきた”お受験優等生”の大人でなく、ヤンチャして”遊び心”を持った大人に創造して欲しいものだ。
企業・産業研究が趣味(?)の筆者にとって
“教育業界”は奥深く、興味津々。