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①『ジョジョの奇妙な冒険』feat.Iggy Pop

イギー・ポップと「ジョジョの奇妙な冒険」


第3部に登場する犬のキャラクター「イギー」
これは単なる名前の引用ではなく、キャラクターとしてのイギー・ポップの象徴的なエネルギーが込められています。

タロットカードの暗示を持つスタンド番号0
暗示:賢者
スタンド名・通称:ザ・フール

スタンド使い:イギー

「ロック界の愚者」 - イギー・ポップ(Iggy Pop)

イギー・ポップは、しばしば「パンクのゴッドファーザー」と称されるほど、ロック史における重要な存在です。

彼のパフォーマンススタイルや音楽の特徴は、「愚者」の象徴と深く結びついており、型破りで予測不可能な個性を持つ「愚者」のキャラクターを体現していると言えます。

破天荒なパフォーマンスと「愚者」の精神

イギー・ポップのステージパフォーマンスは、彼の破天荒さと無鉄砲さが際立ちます。裸足でステージを走り回り、観客に飛び込む姿や、ガラス片の上で転がるといった過激な行動は、当時のロックシーンでも一線を画したものでした。

この大胆で予測不能な行動は「愚者」のカードが持つ意味と共鳴しており、無防備に前進する姿勢や、ルールを無視して自由に生きる姿が表現されています。

彼のバンド「ザ・ストゥージズ(The Stooges)」もまた、規則や既成概念に縛られない音楽を追求しました。

1969年にリリースされたデビューアルバム『The Stooges』は、無骨で粗削りなサウンドであり、当時のロックシーンに衝撃を与えました。

特に「I Wanna Be Your Dog」などの楽曲は、イギーの無骨な感性と、ロックに対する彼の純粋な情熱を象徴しています。
この楽曲が表現するような、制約を拒む自由なエネルギーこそが、「愚者」に見られる無垢な冒険心そのものです。


イギー・ポップは、単に過激なパフォーマーとしてだけでなく、「愚者」としての哲学を持っていました。
彼の音楽や行動は「規則に従わないこと」を是とし、「自分自身のルールで生きる」ことの大切さを示唆しています。

多くのロックミュージシャンが社会や権力に対する反抗のメッセージを込めているように、イギーもまた「自由」を求め、制約を拒み続けました。

特に1977年にリリースされたアルバム『The Idiot』は、イギーのこの精神が最も象徴的に表れた作品の一つです。

このアルバムは、デヴィッド・ボウイとの共同作業で制作され、タイトルの「The Idiot(愚者)」はイギー自身の姿を皮肉的に表現しています。

彼は常に「普通」とされるものを拒み、荒削りで純粋な感情を音楽にぶつけることで、聴衆に訴えかけました。



イギー・ポップとジョジョに共通する「生き方」


イギー・ポップと同様に『ジョジョの奇妙な冒険』の「イギー」というキャラクターも、同様の「自由と奔放さ」を象徴しています。

彼は単なる「犬」という枠にとどまらず、仲間たちのために戦い続け、時には「愚か」なほど真っ直ぐに行動します。

その生き様はイギー・ポップの人生と重なり、「型にはまらない生き方」の美しさと困難さを示しています。

イギー・ポップという存在がもたらしたロック界への影響、「愚者」としての象徴、「自由奔放で予測不能なキャラクター」

『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する「イギー」というキャラクターにも色濃く反映されています。


余 談

デヴィッド・ボウイのアルバム『Diamond Dogs』と『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する「イギー」には、直接的な関係は明示されていませんが、間接的な影響や共通のテーマを見出すことができます。

『Diamond Dogs』は1974年にリリースされ、未来的でディストピア的なテーマが特徴的なアルバムです。

ボウイはこの作品で、ジョージ・オーウェルの『1984年』にインスパイアされた「破滅的な未来像」を描き出しました。

アルバムの中には、崩壊した都市をさまようアウトサイダーや反体制的なキャラクターが登場し、その独自の世界観は「自由」と「無秩序」のコントラストを際立たせています。

このディストピアのテーマは、イギー・ポップとのコラボレーションにも影響を与えており、ボウイが作り上げた「ダークで混沌とした社会」は、イギー・ポップのアナーキーなイメージとも通じるものがあります。



次号へ続く


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