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家事力と残業時間の相関を見る(その2)

2021年2月7日に投稿した記事では、日次ベースで残業時間と家事力低下の関連性を分析した。今回は、2月の家事力評価を終えたタイミングであることもあり、月次ベースでの相関を見ることで、課題を捉えていきたいと思う。

1. 2月の家事力評価結果

冒頭紹介した記事に評価項目、基準を詳細に解説しているが、我が家では42の家事項目に対し、私の家事力を月次で妻が評価する。各項目に対し5段階で評価が行われるが、2021年は評価の最大点に対する遂行率年間平均70%を目指している。そんな中今月2月の評価結果は遂行率81.25%であった。これは先月1月と全く同じ結果(項目別の結果はやや異なる)であり、総合的には順調に推移していると言っていい。

2. 2020年~現在までの家事力と残業時間の推移

さて、ここで本記事のタイトルのとおり、家事力と残業時間の相関を見てみたいと思う。分析のため、月次で2020年1月~2021年2月の結果をグラフ化した。

ピンクの棒グラフが「家事力評価結果=月ごとの家事遂行率」であり、青の折れ線グラフが「残業時間」である。このグラフから読み取れる主な事実は以下の通り。

⑴2021年1,2月は、昨年と比較し家事遂行率が約2倍になっている
⑵例年1月は残業時間が0時間
⑶2月の残業時間は今年と昨年でほぼ変わらない
⑷残業時間が最も多い2020年12月は家事遂行率も低い状態であった
⑸2020年2月~6月は、家事力と残業時間が見事に負の相関関係となっている(残業時間の増加に比例して家事力が低下している)
⑹2020年7月は家事力のデータがない

まず、何より嬉しい事実は、⑴~⑶である。今年と昨年の1,2月の比較では、残業時間はほぼ変わらないにもかかわらず、家事遂行率は約2倍になっており、成長を示す明確な根拠といえる。この成長はまさしく“家事力向上プロジェクト”の成果であり、本取組の有効性を表している。
次に興味深いのは、⑷、⑸の事実である。2020年2~6月のグラフは、家事遂行率が山のようなグラフ(正三角形)となっている一方、見事に残業時間は逆三角形の形(=負の相関)になっている。なお、最も残業時間の多い2020年12月の家事遂行率は分析期間の14ヵ月のうち、4番目に低い数値となっている。ちなみに、家事遂行率が最も低い月は2020年11月であるが、この月の残業時間は、全14ヵ月中上から5番目の数値である。
この事実を見ると、完全な負の相関とはいえないようにも思える。しかし、この2020年11月12月の相関の弱さには理由がある。それは、月次のデータ抽出期間のずれである。私の会社では、勤怠データは20日締めで管理されているため、例えば、2020年12月の場合、家事遂行率の結果は12月1日~12月31日が対象期間であることに対して、残業時間の対象期間は11月21日~12月20日になるのだ。ちなみに、⑵の事実「例年1月は残業時間が0時間」の理由は、毎年年末年始に長期休暇をとっており、12月20日頃には休暇期間に入るためである。したがって、12月20日~12月31日は残業がない=家事遂行率が上がるのである。この事実と、最も家事遂行率が低い月が11月(11月1日~11月30日)であることを踏まえると、最も家事遂行率が低下する期間は11月21日~12月20日であることが論理的に考えられる。このことから、“残業時間が増えるほど家事遂行率が低下する”という負の相関は「ある」といえる。
最後に、⑹の事実はおまけだが、私たちは2020年8月中旬に引っ越しをしていて、同年7月は引っ越し準備に追われていて振り返りができなかったことからデータが未取得となっている。

3. 2021年3月以降の予測

昨年の残業時間の推移から考えると、3月~5月の残業時間は減少するはずだが、おそらくそうはならないだろう。なぜなら、2020年3月~5月の残業時間の少なさは、新型コロナウイルスの発生による案件ストップ、延期等が主な理由だからである。加えて、昨年と比べて今年の私の業務責任範囲は広がっていることもあり、昨年よりも残業時間は増えるはずだ。特に、忙しさがピークを迎える7、8、12月を迎えるにあたり生産性を上げるための対策を講じる必要がある。他方、今月は40時間の残業であったが家事遂行率は80%以上を維持することができた。残業時間を減らすための対策を打つことはもちろんだが、もし、残業が発生したとしても一定家事遂行率を維持できるにはどうすればよいか、という視点も重要だと考える。

4. 家事を可視化することの大切さ

今回の記事では、タイトルのとおり家事力と残業時間の相関を見てきた。私は、このnoteを「家庭をよりよい環境・状態にアップデートするため」の手段として投稿を続けているが、単に家事力が向上するだけでなく、想像以上に多くの気づきを得られていると感じている。特に重要な気づきの一つは、“家事を可視化することの大切さ”である。今回の分析ができたのは、これまで継続的に家事遂行率のデータをとってきたからである。家庭の生活データをとることで、他の要素と比較分析ができ、新たな気づきを得ることができる。当然これは家事だけでなく、家庭内のあらゆる事柄が対象となる。私の中では本取組は実験的要素が強いものだが、今後、このプロジェクトから得られた気づきをできる限り役に立つ形にアウトプットしていきたいと思う。

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