Cloud クラウド
真面目な転売ヤーがその仕事っぷりにより少しずつ恨みを買い、それが膨れ上がって命を狙われる羽目に遭うけれど、それよりも仕入れた商品がちゃんと捌けるかどうかが気になっちゃう話です。
この映画、前半は主人公の周りで不穏な出来事が少しずつ起こるサスペンス、後半は素人がバンバン殺し合うガンアクションという構成です。黒沢清監督らしいメンタルにくる前半の恐ろしさとは裏腹に、銃なんて見たこともない人達によるガンアクションは少し滑稽ですらありますが、「闇バイト実行犯による強盗事件」のような、モラルとか命の価値とかそんなことより重要な何かをシステムによって持たされてしまう現代の恐ろしさというものを浮き彫りにしています。
・・現代の恐ろしさって書いたけど、昔っからそうか・・・
「転売屋」なんて現代的な題材だけど、扱ってるテーマは普遍的なものなのかもしれないですね。空恐ろしかったです。地味に心にダメージ食らったらしくその日の夜は悪夢にうなされました。