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北京オリンピック『スマイルジャパン』vsスウェーデン戦のポイントは?

いよいよ始まります! 北京オリンピック。
チーム戦日本勢で最初の登場になるのが、我らがアイスホッケー女子日本代表『スマイルジャパン』です。明日2/4の開会式に先立って、予選B組の日本対スウェーデン戦が17:40にフェイスオフされます。
※フェイスオフ=試合開始のこと。

昨日アップした記事↓にも書きましたが、女子アイスホッケーはやや変則的な形の予選リーグ+決勝トーナメントのフォーマット。B組の日本がベスト8=準々決勝進出するには、まずはB組で3位以上が条件です

何で初戦のスウェーデン戦が重要なの??

『スマイルジャパン』がメダルを目指すには準々決勝に勝たなければなりません。
ところが、女子アイスホッケーはある特殊な事情があります。それは……

アメリカとカナダの2カ国が異様に強い!(笑)

ということです。1998年の長野オリンピックでに女子アイスホッケーが正式採用されてから過去オリンピックで決勝に勝ち上がったのが……
アメリカとカナダだけ。
※近年はフィンランドも強くなっていますが、2強にいつも勝てるかというと難しい。
↓プレステのゲームで女子代表も採用されるほど、アメリカとカナダは人気も実力もスゴい(^o^) もちろんスマイルジャパンも出てます(*^_^*)

なので、『スマイルジャパン』がB組2・3位通過だとA組1・2位で抜けてくるであろうアメリカとカナダのどっちかに準々決勝で当たることが濃厚で、そうなってくると、まあ勝つのはかーなーりっ、大変(笑)。
なのでメダルを取るには1位通過が絶対条件となってきます。

そのため、初戦のスウェーデン戦がとても重要になってくるわけです。勝てれば『スマイルジャパン』に一気に勢いがつき、日本選手団全体の雰囲気も良い方向に回り出すのは確実。
ということで、ぜひ皆さん、日本対スウェーデン戦には注目してください!

スウェーデン戦に勝つための、キーパーソンは??

そこで、今回スウェーデン戦で一番注目して欲しい選手をご紹介します。それは、DF(ディフェンス)の背番号4番。床亜矢可(とこあやか)選手。

彼女は、27歳という若さながら既に3回目のオリンピック。ソチ、ピョンチャン、そして北京と日本の守りの中心選手として活躍してきました。
ソチ五輪に出場する前には、甲状腺の病気で手術に踏み切り、それを克服してオリンピックまでたどり着いた、という話題もありました。


そんな床亜矢可選手ですが、いまや世界でも5本の指に入るDFの選手として高く評価されています。
的確な読みから相手の攻撃を未然に摘み取るポジショニング。ピンチの場所に素早く移動できるスケーティングの速さと技術。相手にあたり負けないボディコンタクト能力。
そして、彼女の最も強力な武器が高いシュート力。

ブルーラインから放たれるシュートは強く正確で、GKをいつも脅かします。
彼女のシュートはまるでレーザービームのよう。

そしてもう1つ。彼女の魅力を。それは
スウェーデン戦にめっぽう強い。

前回のピョンチャン五輪では順位決定戦でスウェーデンと当たりましたが、1-1で延長にもつれ込んだ試合は彼女の強烈なシュートでオーバータイム勝ち。
※アイスホッケーでは延長=オーバータイムといいます。オーバータイムは先に点を取った瞬間に勝利が決定。いわゆるVゴールですね。


また、2019年にフィンランドで行われた女子世界選手権では、グループリーグの最終戦で対戦。試合終了1分前に床亜矢可選手の強烈なシュートがゴールネットに突き刺さり、3-2で日本が勝利。
スウェーデンはこの敗戦が理由で、世界選手権1部⇒2部に降格。床亜矢可選手はまさに“スウェーデンキラー”と呼ばれるゆえん。

2019世界選手権。床亜矢可のゴール直後に喜び合う選手たち
※この記事のトップ画像が、この時の決勝ゴールのシーンです

ということで、
今回も彼女のスティックからスラップショットが火を噴くことを思い切り期待しています。
※スラップショット=全力で振りかぶって打つ強烈なシュートのこと。

スウェーデンにはめっぽう強い・床亜矢可選手

もちろん、スウェーデンの攻撃をしっかり防ぐ役割も果たしたうえでの攻撃参加です。攻めるときは攻め、守る時は守る。そのあたりの判断力も的確で、本当に床亜矢可選手は日本代表に欠くことのできない選手に成長しました。

攻撃では志賀紅音-床秦留可-浮田留衣のセットに注目!

さらに、今回北京五輪に出場する『スマイルジャパン』は前回大会から攻撃力がアップしています。
その原動力となるのが、セカンドラインと呼ばれるFW(フォワード)3人の組み合わせ。
※アイスホッケーではFW3人、DF2人の組合わせをラインと呼びます。このラインを4組作り、45~60秒ごとに試合中にどんどん交代します。

セカンドラインでは、センターの(とこはるか)選手がコンダクター(指揮者)。オリンピックは2回目の出場。亜矢可選手の妹です。
床秦留可選手の魅力はなんといっても「パス」。彼女のパスセンスは素晴らしく、また独特のリズムを持っています。相手DFとDFのあいだの隙間にするっとパスを通す高い技術に注目してください。


パスの名手・床秦留可選手。

https://www.ana.co.jp/ja/jp/promotion/ready-for-take-off/toko_ayaka_haruka/page3.html  ←床姉妹を特集したANAの記事。2人ともANAの所属です。



そのパスを受ける2人がウィングの志賀紅音選手と浮田留衣選手。
志賀紅音選手は今大会がオリンピック初出場。
昨年8月に開催された女子世界選手権で、あの強豪アメリカから2得点を挙げ、一気に世界中から注目される存在になりました。
正確なシュートと思い切りの良さ、とにかく隙あればどんどんシュートを打っていく姿勢も魅力です。


注目度急上昇中。15・志賀紅音選手

↑IIHF(国際アイスホッケー連盟)も、25歳以下初出場の注目選手として志賀紅音選手を紹介。


浮田留衣選手はソチ、ピョンチャン、北京と3回目のオリンピック。
シュート力もありますが、とにかくパックの扱いがうまい。ゴール前でひゅっとパックを横に動かして隙間を見つけ、その狭いところを通すような技ありシュートもぜひ披露してもらいたいところ。
※パック=ボールの代わりとなる硬質ゴムでできた円盤のこと。大判焼きのような大きさ。直径:約75mm/高さ:約25mm/重量:156~170gと決まってます。

この3人が出場しているときは、明らかに日本が点を奪いに行っているシチュエーションと考えて貰ってけっこうです。ぜひ、ゴールを期待して応援してください。


筆者が考える日本とスウェーデンの力関係

今回相手となるスウェーデンですが、2019年の世界選手権で日本に敗れて2部落ちした後、若手に一気に選手を入れ替えました。
過去には強豪と呼ばれていたスウェーデンですが、いまは将来のトップ3入りを見据えてチームを作り直している状態。
国内に女子のプロリーグもあり、今後強くなることは間違いないですが、
現時点ではまだ日本の方がチーム力は少し上と見ます。
ただ、楽観できるほどの差があるとも言えません。

ぜひ、今日の試合ではそんなところも注目していただいて、4年に1度のビッグゲームを楽しんでいただければと思います。

文・写真/ポタやん(IcePressJapan編集長)
写真/千葉修太郎(IcePressJapan)


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ポタやん(アイスプレスジャパン編集長)
ポタやんです。基本的にはライター&編集者ですが、最近は映像制作も精力的に行っています。現在アイスホッケー&アイスクロス情報サイト「IcePressJapan」を運営中。冬スポーツ色々を盛り上げるべく頑張ります!