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女子アイスホッケー『スマイルジャパン』フィンランドの特徴&弱点とは? 試合展望(後編)
北京オリンピック、女子アイスホッケー準々決勝。
2/12(土)17:40-
日本『スマイルジャパン』vs.フィンランド
フィンランドにどんな形でも良いから勝ってほしいと心より願っている編集長ポタやんですが、スポーツジャーナリストとしての冷静な目で見ると、愛称「レディーライオンズ」と呼ばれるフィンランド女子代表は、簡単に勝てる相手ではありません。
フィンランド女子代表はかなり昔から世界一を目指して強化を続けており、長野オリンピックで「銅」を取って以来、常に2強を追う「3位」の位置をキープ。
男子チーム同様に、短めのパスをぽんぽんときれいに繋いでアタッキングゾーンにエントリーし、そこからフォーメーションをしっかり組んで得点を取るといった、非常に美しいホッケースタイルの国です。
この記事のトップ画像は2019年3月の女子世界選手権準々決勝・日本対アメリカ戦。
北京オリンピックでフィンランドに勝てば、準決勝でカナダが待っています。このレベルまでたどり着きたい
![](https://assets.st-note.com/img/1644644898459-4Im8cCej8p.jpg?width=1200)
そんなフィンランド女子代表、「レディーライオンズ」は世界一に極限まで近づいたときが1度あります。
2019年3月に行われた自国開催の女子世界選手権でアメリカとの決勝まで勝ち進み、延長オーバータイムで「優勝か!?」というゴールを決めた瞬間。
その後審判に取り消され「幻のゴール」となりましたが、その決勝では延長でも決着つかず、ゲームウィニングショット(GWS)でようやくアメリカが勝つという僅差の決着でした。
↓その試合の模様はこちらの記事の後半でふれています
フィンランドの要注意人物は?①……、チームの要・6番ヒーリコスキー
その大会でのMVPが、6番のジェンニ・ヒーリコスキー(Jenni Hiirikoski)選手。今日の試合でもキャプテンとしてチームを牽引します。
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パス能力に長けたディフェンス(DF)で、自陣から長いけれどもとても正確なパスを出します。そのプレーは、強力な選手が揃った攻撃陣を束ねる指揮者のよう。また、ここまでチームで2位となる17シュートを放つなど、攻撃も大好き。出場時間もダントツでチームトップ! スタミナ面も「まかせなさい!」
Jenni Hiirikoski: Captain of @leijonat, Leader of Lions. #WomensWorlds pic.twitter.com/vtBlr73KBy
— IIHF (@IIHFHockey) August 31, 2021
↑IIHFによる彼女のインタビュー
ヒーリコスキー選手は世界でも有数の能力を持つDFです。
日本は彼女から決定的なパスを出されないよう、とくに相手陣のブルーライン付近での攻防において先手を取るようにしなければなりません。
フィンランドの要注意人物は?②……、点取り屋・77番タパニ
FWでは、A組の強豪相手にここまでチームトップの3得点を挙げている77番・スザンナ・タパニ(Susanna Tapani)選手。
身長177cm、体重68kgの大型選手。
放たれるシュートは強力で、それでいてスケーティングスピードも高いレベルにあります。
かつ、リンゲットというフィンランドでは人気のスポーツとも掛け持ちしているせいか、細かいパックの扱いがけっこう上手い。
↑タパニ選手の記事。結構かわいい
https://www.facebook.com/susannatapaniofficial
↑タパニ選手のFacebook
タパニ選手は、女子中国代表のほとんどが在籍してロシアリーグで戦っていたチーム、KRS VankeRaysに所属しているんですね。中国が強化するための1つの方策として、強力な練習相手としても重宝されたのではと想像します。
守る日本代表としては、彼女をできるだけフリーにしないこと。
ここまで日本はしっかりした守りができているので大丈夫とは思いますが、
一瞬のミスを突いてくるのがこのレベルの選手ですので、DFとしては気を付けたいところです。
↑ゲームウィニングショットでこんなことをする度胸も。タパニ選手のいるラインは要注意です
フィンランドの弱点は? ……経験少なめな、ゴーリー
さて、この北京オリンピック。フィンランドに唯一の不安材料があるとすれば、それはゴーリー(GK)と言うことになるでしょう。
先ほども触れたようにフィンランドは2019年の女子世界選手権で「銀」を取っているのですが、そのときのGKはノーラ・ラティ。
フィンランドの絶対的守護神として、ビッグゲームではつねにゴールマウスを守ってきましたが、今回は大会前に首脳陣とのトラブルがあったと報道されており、メンバー落ち。
それまで控えだった24歳のアンニ・ケイサラ(Anni KEISALA)選手が今大会は正GKとして活躍していますが、代表歴はラティの214試合に対して18試合に留まり、昨季のセーブ率は86.8%とやや低め。
ビッグゲームでの経験が少なく、果たしてコンディショニングやメンタルコントロール面でベストの状況で試合を迎えられるかどうか?
北京オリンピックでの、ここまでのセーブ率も日本の93.91%に対し、フィンランドは86.71%と日本が勝っています。
ケイサラ選手を紹介するフィンランドの記事
↑ケイサラ選手のインスタグラム
ケイサラ選手は、ここまでのデータを見る限りは、ややブロッカーサイド(スティックを持っている右手側)のヒザくらいの高さでやや隙間を空けるクセがありそうです。そのあたりの相手分析は、研究大好きな春名GKコーチを中心に進んでいると思いますので、選手も理解していることでしょう。
床秦留可選手と浮田選手、志賀紅音選手で構成されるファーストラインはその穴をちゃんと突ける技術がありますので、ファインゴールを期待したいと思います。
4度目の対戦。フィンランドから歴史的勝利を!
過去、オリンピックと世界選手権レベルで、日本とフィンランドが対戦したのは3回。
1998年2月9日、女子が初めて正式競技に採用された長野オリンピックの予選リーグで日本はフィンランドに1-11の大差で敗れています。すでにこの時点でフィンランドは世界のトップレベルでした。長野オリンピックでは最終的にフィンランドが銅メダルを獲得しています。
世界選手権では2004年のカナダ・ハリファックス大会がフィンランドとの初対戦。
2004年3月31日に日本は0-1と僅差の勝負を見せましたが、相手がベストメンバーを出していなかった可能性あり。
この試合には当時21歳の久保英恵選手がファーストライン(1つ目)で出場。この時点でチームの主力として活躍していました。
その後世界選手権では2回フィンランドと対戦しているようですが、2002~2008年くらいの間はIIHF(国際アイスホッケー連盟)のサイトがFlashという技術で作られていたのが理由で今は閉鎖されており、当時のメンバーも確認できず。
久保選手も、そのあたりの数年は日本代表を不可解に外されていた時期もあり、おそらく対戦はないはずです。
したがって18年ぶりのフィンランドとの対戦に燃えていることは間違いないでしょう。
とにかく悔いのないように。スマイルジャパンの選手たちにはこのフィンランド戦で今持っている力を120%出しきってほしい。
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ぜひ、この記事も参考にしていただき、日本女子代表がはじめてのぼり詰めたオリンピックの準々決勝を楽しんでいただけたらと思います。
【北京オリンピック 女子アイスホッケー 放送予定】
スマイルジャパンの試合はすべて地上波で放送!
<準々決勝>
2月12日17:30- vsフィンランド(テレビ東京系)
ネット中継→ gorin.jp
文・写真/ポタやん(IcePressJapan編集長)
写真/千葉修太郎(IcePressJapan)
本当にたくさんの方に読んでいただき感謝しております。ありがとうございます。
北京オリンピック・アイスホッケー競技を最終日まで楽しんでいただくために、オススメの記事を貼っておきます。
↓現代アイスホッケーの得点の取り方を解説した、こちらの記事。
男子アイスホッケーが始まると、ここで紹介した攻撃パターンはより必須のプレー。知っていると面白さ180%UPです(当社比)。
女子のアメリカvsカナダの試合は男子並みwの迫力で驚きますよ。ぜひ。
↓そして、『スマイルジャパン』の原点について書かせていただきました。
個人的にも思い入れのある記事ですので、お時間あるときにぜひ。
体力が持つ限り、いい原稿をお届けできるよう、頑張ります。
アイスプレスジャパン編集長 ポタやん こと 関谷智紀
↓より詳しい『スマイルジャパン』&アイスホッケー情報は
アイスプレスジャパンへ。
「アイスプレスジャパン」では北京へ出発する直前に行われたリモートインタビューでの選手&監督の声もたっぷりとお伝えしています。もちろん久保選手も。
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