一期一会
楽しい事も悔しい事も美しい景色も音楽も
この瞬間でしか感じられない時間。
24-25のメンバーも来年には居ない。
思い残す事は一つもないのに
寂しさだけが心を埋め尽くす。
帰り道、ずっと夢を見ていたような
ずっと夢を見ているような
意識がフワフワと空に浮いていた。
覚めやまぬまま外の景色が流れ
気付けば人もネオンも雑音も多い都会に居た。
「都会も悪くない」
何処に行くか、誰といるか、何をするか
は勿論すごく大事な事なのだけど
そこに居る私がどう過ごすかが大切で
私の気持ちは何を感じているのかが
最も優先するべき事なのだとあの山で再確認した。
一日一日変わらないようで変化している。
今日の景色は明日には無くて
歩いていたら膝ほどの雪に埋もれたり
ジェラートのような滑らかな雪の日もあれば
さらさらフワフワの雪の日もあり
氷の粒のような雪の日もある。
気温はマイナスが当たり前なのに少し動けば汗をかく。
晴れている日の夜は特に寒く、雪が降れば少し暖かい。
少し登れば空気が痛かったり、前が見えなくなる。
朝の雲海は最高だ。
夕方の空は神様が降りてくるんじゃないかと感じる程に美しい。
落ち込んだ後の朝、樹氷を見ると
「もうどうでもいいやーっ」
と心が洗われる。
勿論、雪山は美しい事だけではなく
私が居る間に死人も出た。
それも私が居た日の山に。
去年の遭難者の話も聞いた。
山と遊ぶ私達は、決して山を舐めてはいけない。
“白い粉に狂う”
まさにその通りで、私達は快楽に狂っている。
楽しい事の方が少ない時期もあるのに辞められない。
危険だと分かっていても行かずには居られない。
命を守って自然と遊んでいる。
自然と凄く楽しそうに遊ぶ男の子とも出会った。
出会った瞬間に景色が変わった。
私は、本当に人に恵まれているんだと確信した。
これから時間が経つにつれて
山篭りの日を思い、思いにふけるでしょう。
雪山生活終了