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ベイスターズが高橋遥人投手を攻略できた理由はラミレス前監督にあり!?
昨日の横浜DeNAベイスターズvs阪神タイガースのCS1stステージの結果を受けてこのような記事が出ていました。
好投手である高橋遥人投手をベイスターズ打線が一気呵成の集中打で攻略出来たのは「ファーストストライク攻撃」にあったのではないかと分析されていた記事です。
そこで今シーズンのドラゴンズとベイスターズの打撃成績をストライクカウント毎に出してみると…
中日ドラゴンズ
ノーストライク(963打数299安打)
打率.310
ワンストライク(1348打数415安打)
打率.307
ツーストライク(2485打数452安打)
打率.181
横浜DeNAベイスターズ
ノーストライク(985打数387安打)
打率.392
ワンストライク(1328打数433安打)
打率.326
ツーストライク(2550打数485安打)
打率.191
打線の自力の差としてワンストライク、あるいはツーストライクからの打撃成績でもベイスターズがわずかに上回る結果となりましたが、改めて数字にしてみるとノーストライク状態の打撃成績には1割近い顕著な差が顕れました。
どちらのチームもストライクカウントが増える度に打率が落ちていくことは変わりませんので、より高い確率でヒットを打つ根拠としてこのファーストストライク攻撃は前監督のラミレスさんが積極的に推奨していたものです。
バッテリーとしてもファーストストライクというのは、打者の狙いがそこまで明確に見えていないので非常に難しいボールです。
ここでのカギは単純に初球からどんどん振っているというだけでなく、打率として4割近い結果を残す事ができているということ。
ベイスターズはファーストストライクを打っていくための準備がチームとしてきちんと出来ているという事です。
昨日の試合で言えば、ご自身のYouTubeチャンネルでライブ配信をしていた谷繁元信さんが、ビッグイニングを作ったベイスターズ打線のアプローチを見て梅野捕手の配球傾向を完全に読んでいると話されていました。
これこそチームとして準備が出来ていた証であると思います。
もちろん毎回毎回それで全て上手くいくという事ではありませんが、チームとして数字を根拠に戦術に説得力を持たせ、前監督からずっと研鑽を重ねてきた成果が昨日の試合に出たのは間違いありません。
日本の野球界は長年、「力のあるエースを立てて一発勝負のトーナメントを戦い抜く」高校野球が大きな影響力を持ってきました。
【初球から打ちに行くよりなるべく投手に球数を投げさせる】
【ミスする可能性のある行程が一つしかないフライを打つより三つあるゴロを打て】
その結果、こうした固定観念が蔓延するようになり、ファンがプロに対してもそれを求めるようになりました。
しかし、年間で140試合も戦うプロ野球という世界では、統計学的な考え方が優位になるのは当然です。
当然、CSのような短期決戦では、統計の上にさらに戦略を乗せる必要が大きくなるので、それが全てという事ではありませんが、ラミレス前監督以降、今シーズンはアナリストまで帯同させて根拠の上に積み重ねてきたベイスターズの攻撃力。
その集大成とも言うべき昨日の試合内容でした。
次のジャイアンツとのファイナルステージは、さらに厳しい戦いになる事は間違いありません。
それでもベイスターズが積み重ねてきた野球を貫いて、ハマスタに戻ってきてくれることを信じましょう。