収穫しかない敗戦。ベイスターズの日本シリーズはここから始まる。
2024年シーズン日本シリーズ第一戦。
試合は3-5でベイスターズが敗れました。
しかし、試合内容はベイスターズ側に圧倒的に収穫の多いものになりました。
まず、ベイの投手陣はほぼ完璧な継投と内容です。
ジャクソン投手は立ち上がりこそ日本シリーズの空気に少し力んでいる感じがあったものの、徐々に落ち着きを取り戻し、それ以降は完璧な投球でした。
失点した有原投手のタイムリーも交通事故のような不運でしかないので、ダメージにはなりません。
ピンチの場面で山川選手に対してマウンドに上がった中川颯投手は、今後も同じ場面で十分火消しに起用できる形を作ってくれました。
坂本投手と山崎康晃投手、そして佐々木千隼投手が無失点で終えられたのも、この後のシリーズを考えると非常に大きい。
その中で唯一失点したのは堀岡投手。
厳しい言い方になりますが、正直彼が失点する事はチームとして全く痛手になりません。
堀岡投手をジョーカーのように使うことは出来なくなりましたが、それはあくまでそうなったら理想的というだけで、ホークスはそこまで甘い相手でもありませんからね。
彼は結果云々ではなくただ経験を積んでくれれば良いです。
対して、こちらの攻撃陣は見事に有原投手に封じられたわけですが、これも全く悲観することはありません。
左右の揺さぶりと、空振りを奪う縦変化、そして奥行まで使える多彩な球種をあれだけ精度良く投げられたら、流石のベイスターズ打線もそう簡単には打ち崩せません。
しかし、この封じ方は、正直今のプロ野球界でも有原投手とジャイアンツの菅野投手くらいしか出来ないレベルのものです。
明日以降の投手に対しては、全員が一律に封じられるということは無いと思いますので、その都度ポイントになる打者を見極めながら流れを作っていけるかがカギになると思います。
その上で、ベイスターズとしては打線の全員にまず一つでもキッカケが欲しかった所ですが、試合を通してそれはほぼ達成する事ができました。
唯一気になるのは宮﨑選手くらいですが、技術も経験もある打者なので個人的には全く心配していません。
そして何より大きいのが、相手のクローザーであるオスナ投手に対して一戦目で嫌な印象を植え付けられたこと。
ベイファンの皆さんには記憶に残っている方も多くいると思いますが、前回の日本シリーズでのホークスとの対戦で、最も大きな差となったのが「クローザーのサファテ投手」の存在です。
圧倒的支配力に加えて、イニング跨ぎも厭わない気迫と、絶対的な存在感。
彼が一分の隙もなく試合の最後を締めたからこそ、ベイスターズは流れを断ち切られてしまいました。
その力が今回のシリーズのホークスには無い事が初戦で証明されましたので、前回と同じ形にはならないはずです。
短期決戦ですし、全ての試合で勝ちたいのは当然ですが、日本シリーズは全体の流れも非常に重要です。
そういう意味で、白星は譲りましたが、シリーズ全体の流れを先に作ったのはベイスターズという形になりました。
前回はホークスの圧倒的な力を前に初戦を大敗し、徐々に盛り返しながらも振り切られてしまうという流れになりました。
今回のシリーズは、初戦で大きな壁を感じる事もなく、各選手がキッカケを掴みながら次の試合に入れます。
CSを勝ち上がった実力は伊達じゃない。
この内容の良さをシリーズ全体の流れに繋げていくために、これを手放すこと無く一つ目の白星をなるべく早く掴む事が大切です。
今回のベイスターズはやれる。
そう確信できる一試合目でした。
明日も精一杯ベイファンの皆さん応援していきましょう!