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取材ライター奮闘記〜アポが取れるまでの軌跡〜大切なことはワンピースが教えてくれた

「いいですよ。どんなことでもお話しします。いつもワンピースを楽しく読ませてもらっていますから」

2023年12月21日。ようやく6回目で取材のアポ取りに成功。

ゼロフラ始動

12月から始動した、渡辺まりこさん(取材ライター歴11年)主宰の取材ライター個別サポート通称ゼロフラッグ(以下ゼロフラ)。3ヶ月の期間内で自主制作の記事を2記事仕上げる目標を掲げています。

企画立案からアポ取り、日程調整、取材、執筆、校正、公開までの一連の流れを渡辺さんにサポートしてもらいます。取材ライターでゼロイチを達成したい人たちが、僕を含め4人集まりました。


順調かと思いきや...

幸先よくスタートを切ったのは専業ライターのお二人。先を行く仲間の情報共有のおかげで僕もすんなりと取材まで行けるだろうと思っていました。

しかし、現実は甘くありません。僕は取材ライターの洗礼を受けることになりました。

企画を立ててからのアポ取りで、まさかの5回連続失敗。仲間が順調な滑り出しを見せているのをよそに、僕だけが遅れをとっていました。この時ゼロフラが始まって半月が経過していましたが、僕の進展はなし。

後で知ったことですが、渡辺さんご自身も少し焦っていたそうです。アポ取りができない状況が続けば、期間内に2記事を仕上げる目標が厳しくなります。


怒涛の企画ラッシュ

そこで僕に与えられたミッションは「24時間以内に3本の企画を作る」です。

「いやいや、どう考えても無理ゲーでしょ...?」ふと僕の頭をよぎりました。

なぜなら、当時僕が企画を3本作るのには数日かかっていたからです。
とはいえ、僕は諦めるためにゼロフラに入ったわけではありません。何の根拠もないまま僕は「何とかします」と答えました。


崖っぷちから限界突破

僕は2つの作戦を実行します。

①地方移住からお店紹介へ取材テーマを変更する
②リアルの友人に、飲食店関係のつながりがないか連絡する

特にリアルの友人に関しては、ためらっていました。なぜならSNSで副業やライティングの話をするのは当たり前でしたが、リアルでは話をしたことがなかったからです。当然のことながら会社でも副業関連の話は一切しません。「副業=怪しい」の考えが世間的には根強いです。

「ちょっと待てよ。もしかして謎の迷信みたいになっていないか?自分にベクトルが向いてるだけなんじゃないだろうか」背に腹は変えられない状態に追い込まれて、ようやく僕のマインドブロックが外れました。

さっそくLINEで連絡を取ります。企画3本のうち2本は友人のつながりで飲食店を紹介してもらいました。残り1本の企画は僕の友人の奥様が経営する子育て応援カフェです。企画を精査し、カフェに的を絞ってアポ取りしてみることに。実は友人の奥様とは長い間ゆるいつながりがありました。


16年前から続けていた「ワンピース贈り」

遡ること16年前、僕は地元の友人が集まるフットサルのチームでプレーをしていました。
みんな小学校からの付き合いだったので、和気あいあいと楽しむのが主な目的です。チームの中に僕の友人S君がいました。

ある日、練習が終わった流れで僕はS君の家へ。そこで僕はある提案を彼に投げかけました。

「僕が読み終わったワンピースをS君にプレゼントする」でした。ワンピースは発売当初から現在も読み続けている大好きなマンガです。毎回買うたびにドキドキハラハラしながら読んでいましたが、一つだけ悩みがありました。

その時すでにワンピースは50巻ほど出ていました。物語はまだまだ続きそうな勢いです。このままでは僕の狭い部屋に置けるスペースがなくなるかも...。

なんとかして読み続けたい僕の思いにS君は快く引き受けてくれたのです。それからというもの、僕がワンピースを読んだあとにS君に贈るという形が出来上がりました。


自分で決めた約束は守る

翌年の2008年にS君は結婚をします。その後、僕も結婚をしてお互いに家庭を持つと独身時代のように交流することがなくなりました。それでも僕は「ワンピース贈り」を続けました。

「たとえ遊ぶ機会がなくなったとしても僕から言い出したワンピース贈りをやめるわけにはいかない」

S君の家のポストにそっと入れておくことにしました。まるでサンタクロースが夜寝ている子どものところへプレゼントを届けるかのように...。

ワンピース贈りに関してお互いに連絡を取り合うことはありませんでしたが、S君には気持ちは通じていたようです。S君の奥様も僕のことを「ワンピースの人」と認識するようになっていました。

数年後、S君は仕事の都合で海外に長期で単身赴任することになりました。その間も僕はワンピース贈りを続けます。S君の奥様とはイベントで出張カフェをされている際に少しだけ話す機会がありました。

「いつも楽しく読ませてもらっています。何とお礼を言えばいいのやら。Sも時々休みを利用して一時帰国しますが、その時にワンピースを読むのが楽しみと言っています」

もちろん僕は何か見返りを期待していたわけではありません。むしろ僕の方も大好きなワンピースを読み続けられ、かつマンガを置くスペースのことを気にしなくてよかったのでwin-winの関係です。


真のひとつなぎの大秘宝

話が戻って2023年12月21日。結果として僕は、16年間続けてきた「ワンピース贈り」に助けられることになりました。

僕がワンピース贈りを続けている間、他の友人や家族からは「そんなことして何か意味あるの?人が良すぎでしょww」と言われました。アポ取りにつながったのは偶然の産物といえばその通りですが、人とのつながりに無意味なことなんてありません。

いつかきっと点と点が線になる。ワンピースが僕に大切なことを教えてくれた気がしました。

「ワンピース贈り」の経験こそ僕にとってのひとつなぎの大秘宝といえます。本家ワンピースの物語はクライマックスを迎えていますが、僕の取材ライターへの道は始まったばかりです。

取材王におれはなる!!!

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