修士課程修了!!
本当に久しぶりの投稿となってしまいましたが、この度、無事に修士課程を修了することができました。
この春からは、日本学術振興会特別研究員 (DC1) として博士後期課程に進学しました。
今日は、自分のために修士課程で何をしていたか少し振り返っていこうと思います。(駄文になると思いますがご容赦ください)
コロナに時間を奪われた修士課程1年
緊急事態宣言の発表翌日に学士課程の卒業式が行われ、そのままコロナが終息することなく修士課程が始まりました。
(大学側から見て) 研究の優先度の低い修士課程1年生は6月末頃まで出校禁止となってしまい、全く研究をすることができませんでした。
ようやく研究できるようになったと思っても、週2~3回までという出校制限があったことから、合成系の研究を行っている自分は全く研究が進みませんでした。
(というか、まともに反応追跡ができなかったせいで、大量のゴミを作っていた…)
そんな中、B4として入ってきた学業成績優秀な後輩というか同期 (自分は学士を早期卒業したので、1学年下が本当の意味での同期) は、自分達よりも早く出校制限が緩和されたことで研究を始めており、物凄い勢いで成果を上げている姿を見て悶々としていました。研究に集中したいからこそ学士課程を早期卒業したのにも関わらず逆に研究できなくなってしまい、何のために修士課程に進学したのか考えさせられる日々が続きました。
自分が幸運だったのは学士の研究内容をもとに、特許の出願と論文の執筆を行えたことでした。
在宅期間中に特許関連の書類の処理や論文執筆を行えたことで、時間を比較的有効に使えたように思います。
withコロナが当たり前になった8月上旬に論文用の再現実験のデータを取り切り、初めての論文を投稿、8月末にマイナーリビジョンという評価をいただき、指摘された内容に関して追試を行った上で9月末に再投稿した結果、10月中旬にアクセプトされ、何とか初めての論文を公開することができました。
(正直、ドイツの総合化学系トップジャーナルであるAngew. Chem. Int. Ed.にアクセプトされたのは先輩・助教・教授の的確な研究に対するアドバイスや原稿の添削があったおかげです。)
https://doi.org/10.1002/anie.202013180
10月くらいになるとコロナ禍で研究することにも慣れてきて、何となく自分のペースを作って研究をすることができるようになりました。
この時期は、博士進学を目指していたので、学振申請用の実績として、もう一報論文を書くという目標を立てて研究をしていました。
年末まで猛スピードで実験データを集め、年明けにはその内容なんとか結果にまとまる目処が立っていました。
2月ごろから2報目の論文を執筆し始め、
3月に入ると学振の申請書も書き始め、
正直この時期はデスクワークに追われていて研究どころではありませんでした。
(それに加えて、何も知らないまま博士に進学するのは怖いと思い、就職しないにも関わらず、就活を行いwebテストや面接を受けていたので本当に時間がありませんでした。)
学会に明け暮れた修士課程2年
修士課程2年に入ると論文投稿と学振申請書執筆に追われながらも、ゼミでの進捗報告を行うために気合いで実験を進めていました。
(今思うと、もう少し落ち着いて、考えながら研究しろって思います…)
執筆していた2報目の論文ですが、なんと、学振の締め切り3日前にアクセプトされ、ぎりぎりで筆頭著者論文2報という実績を申請書に載せることができました。この2報目の論文は、分子設計から物性評価まで、自分の考えが多く組み込まれた研究だったので、1報目がアクセプトされたときよりも嬉しく感じました。
ここからは修士修了に向けて研究するだけ…と思いきや、修士は半年早期修了できるのでは?と考えていたので修論の執筆も進めていました笑
結果的には申請期限がぎりぎりだったため、早期修了は断念することになってしまいましたが…
(自分の研究室には修士課程を半年早期修了した先輩が複数人いるので、その先輩たちがどれだけ凄い人たちなのかを痛感させられた瞬間でもありました。)
ということで、夏ごろから比較的時間に余裕ができた自分は何をしたかというと…
馬鹿みたいにたくさん学会に参加することになりました。
学会参加は好きな人と、嫌いな人がわかれますが、
自分は基本的に学会が大好きな人です。
他のグループの発表を聴きにいくと、教科書や論文を読むよりも研究背景等を丁寧に説明してもらえること、そして何より、実験技術に関する質問することでテクニック面を教えてもらえることが、学会参加の大きなメリットだと思います。
そんなこんなで、修士課程2年では計12件の学会発表を行い5件の学会賞を受賞することができました。
オンライン学会だけではなく、オンサイトの学会でも賞を受賞できたのは本当に自信につながりました。
また学位授与式では所属する学科の代表学生として学長から学位記を受け取ることができたのも個人的には嬉しい出来事でした。
博士課程での目標
ここまで修士課程を振り返ってきましたが、最後に博士課程での目標を記しておこおうと思います。
最大にして最難関な目標としては
「日本学術振興会 育志賞」
の受賞です。
育志賞は自薦ではなく、大学長や学会長の他薦が必要となるため、
客観的に見て優れた成果を残す必要があります。
ここ数年の自然科学系の受賞者は論文の実績や学会賞の実績が凄まじいので、
自分も、真摯に研究に取り組み、科学技術の発展に貢献できる成果を残したいと考えています。
具体的には修士課程と博士課程の通算で
・筆頭著者論文5報以上
・学会での受賞数8件以上
を達成したいと考えています。
今後とも応援よろしくお願いいたします。