【院試解説】令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) a
こんにちは やまたくです。
今日は院試の解説として
令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) a
を解いていこうと思います。
大学院の講義が始まってしまった関係で一問ずつしか解説記事をかけなくて申し訳ないのですが…少しずつ積み上げていこうと思います。
優先して解いて欲しい問題があれば問題番号を指定してお教えいただければ幸いです。
問題自体は著作権の問題で載せることはできないので、大学のホームページからご覧になってください。
N,N-ジメチルホルムアミドのプロトンNMRのピークに関する問題
N,N-ジメチルホルムアミド (DMF) のNMRスペクトルに関する問題ですね
下にChemDrawでのプロトンNMRの予測データを載せます。
上のスペクトルデータではメチル基由来のNMRスペクトルが2.91 ppmに一つしか見えませんが、実際に測定すると2つ見えるというのは不思議な話かもしれません。
しかし有機合成系の研究をされている方なら一度はこの手の現象に遭遇したことがある方が多いのではないでしょうか?
この原因はDMFの共鳴構造に由来するものです。
このような共鳴構造が存在する場合、それぞれのメチル基の電子状態は異なるため、NMRでも異なるピークとして観測されることになります。
DMFは溶媒としてよく利用し、沸点も高いことからNMRスペクトル中に混入しやすい溶媒の一つですので注意が必要になります。
終わりに
今回は過去問解説の第一弾として令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 (選択問題) aを解いていきました。
実験系の方にとっては当たり前の現象だったかもしれませんが、学部生だと意外と知らない人も多かったのではないでしょうか?
今日から問題解説が一問ずつになりますが、リクエストがあれば優先して解きたいと思っているので是非是非教えてください。
また質問やコメントがあれば残していってもらえれば嬉しいです。
(この記事は100%合っていることを保証する解答ではないので間違いがあるかもしれません。もし間違い等があればコメントで教えて頂ければ幸いです)