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【院試解説】令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) c
こんにちは やまたくです。
今日は院試の解説として
令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) c
を解いていこうと思います。
問題自体は著作権の問題で載せることはできないので、大学のホームページからご覧になってください。
C アルケンのヒドロホウ素化によるアルコールの合成
本問題はアルケンのヒドロホウ素化によるアルコールの合成に関する問題です。
アルケンからアルコールを合成する手法は有名なもにとしては下記の二種類が挙げられます。
・オキシ水銀化-脱銀化
・ヒドロホウ素化-酸化
オキシ水銀化-脱銀化ではMarkovnikov則に従った付加生成物が得られますが、
ヒドロホウ素化-酸化では逆Markovnikov則に従った付加生成物が得られます。
今回の問題では分子式C6H12の(E)-アルケンを出発原料Cとしてヒドロホウ素化により不斉炭素を2個有するアルコールが得られるという問題でした。
そこで、はじめにC6H12で考えられるE-アルケンを考えると以下のようになります。
ここからヒドロホウ素化によるアルコールの合成を行うとそれぞれ下記のように反応し不斉炭素が生じます。(不斉炭素は*で示しています)
したがって2個の不正炭素が生まれるのは一番右に示したアルケンなので化合物CおよびDは以下のようになります。
しかし、今回の問題では立体化学がわかるように化合物を書くことが求められています。ヒドロホウ素化によるアルコールの合成ではシン(Syn)の立体化学でアルケンへの付加反応が進行することに気をつけると解答は以下のようになります。
終わりに
今回は過去問解説の第一弾として令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 (選択問題) cを解いていきました。
今回の問題はどちらかというとパズル的な要素が多く化学らしさは少なかったかもしれません。
一昨日から問題解説が一問ずつになりましたが、リクエストがあれば優先して解きたいと思っているので是非是非教えてください。
また質問やコメントがあれば残していってもらえれば嬉しいです。
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