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【院試解説】令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題1 (共通問題)
こんにちは やまたくです。
前から宣言していた通り大学院の院試解説を少しずつやって行こうと思います。
第一弾の今日は
令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題1 (共通問題)
です。
この問題はここ数年の東工大 理学院 化学系の中でも特に易しい問題でした。合格したい人は完答したい問題だったと思います。
問題自体は著作権の問題で載せることはできないので、大学のホームページからご覧になってください。
それでは早速問題を解いていきましょう。
a) 結晶格子に関する問題
正解は
Na (ウ)体心立方格子
CsCl (ア)単純立方格子
ナトリウムや塩化セシウムの格子については大学入試レベルでも出題されるので高校生も覚えておくといいと思います。塩化セシウムは一般的に塩化セシウム型格子をとると記述されるくらい典型なので絶対に忘れてはいけません。
ちなみにNaClを代表とする塩化ナトリウム型は岩塩型とも言われ面心立方格子となります
b) 遷移金属錯体に関する問題
この問題はやや厄介ですが 正解は4つです。
八面体型錯体[CoF6]3–はコバルト錯体の中でも珍しい高スピン状態を取ることが知られている錯体です。
すなわち、t2g軌道に4つの電子が、eg軌道に2つの電子が入ることになり、4つの不対電子を有することになります。
原子番号が今回の場合は与えられていますが、無機を専門とする人は覚えておいたほうがいいでしょう。
c) Fajansの規則に関する問題
正解は
i) CaCl2 > MgCl2 > BeCl2
ii) NaF > NaCl > NaBr
iii) CrF2 > CrF3 > CrF6
基本的にケテラーの三角形を考えれば良いので、
陽イオンと陰イオンの電気陰性度の差が大きく、平均値が2.38に近いものほどイオン結合生が高くなるといえます。
しかし、今回の問題では電気陰性度に関する情報は与えられていなかったので、一般的に知られている性質を利用することになります。それは以下に示すFajansの規則です
<Fajansの規則>
(1) 陽イオンが小さい
(2) 陰イオンが大きい
(3) 電荷が大きい
ほど、共有結合性が増す
この性質とケテラーの三角形の性質を関連して覚えておくと体型的に理解しやすいとも思います。
終わりに
今回は過去問解説の第一弾として令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題1 (共通問題)を解いていきました。
解きやすい問題揃いだったと思いますが、いかがだったでしょうか?
質問やコメントがあれば残していってもらえれば嬉しいです。
(この記事は100%合っていることを保証する解答ではないので間違いがあるかもしれません。もし間違い等があればコメントで教えて頂ければ幸いです)
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