4部とモータルについて
シーズン2を読み終え、
あらためて気付いたことが、3部までと比べたモータルの少なさだった。
ここで言うモータルとは、
「ニンジャスレイヤーの物語」を助ける存在、
フジキド・ケンジにとっての、
ナンシーであり、デッドムーンであり、ノボセ老であり・・・、
シノブや3部の名も無きキツネサイン達である。
翻って4部ではどうか。
プロ受験生もキョウトからの生贄も、舞台装置に過ぎない。
タイセンもエンドロも、「サツバツナイトの物語」の登場人物であり、
シンケンタメダムンバイ支社もウキヨポリスもサワタリカンパニーも、
「コトブキの物語」の登場人物達である。
フジミストリートは、スーサイドの物語そのものであり、
チバにいたっては、おそらく物語の主人公ですらあるだろう。
「マスラダ・カイの物語」に偶然にも入り込んだのは、
タキ一人である。
デイビスもエイブも、言うなればすれ違っただけであり、
多く語られなかった場合のワタアメである。
ゾーイは「洞窟の影」なので外した。
これは、「サツガイを倒す」という話として考えれば当然であり、
シーズン2の終わりが示す通り、
3部終盤のようなモータルの決起も、ザイバツとキンカク勢の争いも、
背景に過ぎない。
コトブキに彩られ、タキが余りにも一般人過ぎていたことは、
作劇的にヘッズを楽しませる以前に、
マスラダの心を支えていた=ローカルコトダマ空間の元になった、
のではないか、とあらためて思わされた。
シーズン3からどうなるのか、備えたい。