リアルニンジャの価値観、モータル観について

とてもとても長い。

初めに

グラニテのニューロンがたちまちソーマト・リコール現象を引き起こした。理由は判らぬが、ヒャッポはグラニテをイアイで殺す。理由は判らぬが、リアルニンジャとはそういうものだ。理解できる。(中略)16
【タイラント・オブ・マッポーカリプス:後編】#2

言いたいことはほぼこの通りだが、力が全て、弱肉強食、リアルニンジャはカラテが全て、という話。


前提とする仮定

おおよそのリアルニンジャの共通認識として、カラテで優劣を決めるロジックは、

1. リアルニンジャはカラテが一定以上ないと成れない
2. リアルニンジャでなければニンジャではない
3. ノーカラテ(ノーリアルニンジャ)、ノーニンジャ
4. カラテの無い、リアルニンジャ未満の存在は価値が無い

という流れ、と仮定している。
今後新たな情報が出たり、そもそも太古のニンジャ思考回路が現実世界の人類と大きく異なる場合、誤りとなる可能性がある。


価値の変遷

このロジックは、知識の古いニンジャほど強いと思われる。
理由としては、歴史知識の刷新がおこなわれていない、早くにアセンションしたり眠りについたリアルニンジャほど、ロジックを書き換える機会が無いからだ。


モータル観の移り変わりとしては、

詳細が不明なものの、暗黒時代はエテルが濃くスシすら不可欠ではなかった可能性があり、モータルの価値は、モータルを始めとしたノーカラテの障害排除くらいしか無かった、と考えられる。

平安時代からは、シャード・オブ・マッポーカリプス(80):決戦兵器安土城の爆発四散のようにコメのためにモータルは必要であり、オダ・ニンジャに至ってはレリック・オブ・マッポーカリプス(4):魔剣ヘシキリブレードのように戦略的価値を見出している。
ただし、オダ・ニンジャのそれにいわゆる人権的意味はなく、あくまでも「ニンジャであらずんば人にあらず」の延長と思われるが、御村衆についてはわからない。
御村衆自体は、カジヤ・ニンジャ信仰団体(クラン)とも考えられるので、そのミーム性がニンジャ判定に影響したかもしれない。

江戸時代は、当然ながらセンゴク期の終焉をモータルの力もあって迎えられたこと、また、立ち枯れの時代に始まったエテル減少から、モータルに対する評価はコメ作りだけではなくなった。
アケチ・ニンジャに関しては、シャード・オブ・マッポーカリプス(75):〈ネザーキョウの暴君〉明智光秀のように、江戸時代を過ごしたわけではないので、そのモータル観は、大部分は平安時代然として見ているが、一部はヤギュウ・ウォンジやメグミのように油断ならない、といったところか。

近代以降はほとんど変わらず、【プロメテウス・アレイ】の時代以降を経験したリアルニンジャは、モータル=ディセンションニンジャになる可能性があり、ディセンションニンジャのカラテはリアルニンジャに必ずしも劣るものではない、と考えるだろう。


重要な価値

ここまで、時代とともにモータルの価値が上がって来た、という流れの話をしたが、実はある点においては、今も昔も変わらず価値が高い。

弟子である。

(前略)「漸く己を思い出したか、ヒャッポよ!そしてその冷たく美しき刃こそ……ヒャッポ!だが……あの小動物はならぬ!ワシの弟子ゆえにな!」 17
【タイラント・オブ・マッポーカリプス:後編】#2

グラニテはディセンションニンジャだが、モモジ・ニンジャからすればジツが使えるモータルのようなものだろう。

ニンジャは生殖能力をもたず、生物的遺伝子(gene・genome/ジーン・ゲノム)ではなく文化的遺伝子(meme/ミーム)を伝える。
このミームを伝える(が伝わる)対象が弟子、クランメンバーである。

ニンジャ化の前に存在した実子や、ジツで生まれたジョウゴは別として、弟子こそ家族となる。
しかし、ニンジャは自然発生しないので、「無価値な」モータルを弟子にせねばならない。
この弟子を選定する方法は、カラテドージョーのように来る者拒まずであったり、ある程度カラテ心得のある者をスカウト・攫ったり、グラニテのように縁あって交わりをもった者を気まぐれに選んだり、様々だと思われる。


まとめ

リアルニンジャは、歴史知識によってモータル観が異なる。
継承欲求度合に個体差があるが、弟子としてモータルを必要とする。
弟子は師匠同様にカラテを鍛え、リアルニンジャとなるが、その修行(時間的・文化的)経験により、価値観の再生産がおこなわれる。
結果、程度の大小はあれ、カラテによる価値判断につながる。
皆、元は「無価値な」モータルであったとしても。



モータル観の例

アライメント(秩序・混沌、善・悪)的分類。主観による。
~・ニンジャは表記を省略している。
伝承だけのニンジャは載せていない。

・無関心(無害)

無価値ゆえの無関心、価値変遷を経た完全な無関心のどちらか。
モータルから敵意を持って関わらない限り、酷いことはされないはず。

カジヤ
御村衆から。
雷神紋はなんらかの接触結果と思われるが、2部の雰囲気からして俗世に関わる気はなさそう。

マスターヴォーパル
やっていることはどうしようもないクソだが、モータルの生活に溶け込んでいる。
猥褻店だって入る。
100%ディスカウントが害というなら有害ではある。

モモジ
アルター・オブ・マッポーカリプスからシーズン3まで、無用な殺戮はしていない。
グラニテとの出会いなど、南部戦線両軍を蹴散らして通ることも出来ていた場面で、超然というか、無関心と見る他ない。


・無関心(天災)

無価値ゆえの無関心、正気ではないための判断不能のどちらか。
モータルのおこないに関わらず、何が起こるかわからない。

ナラク
ニンジャを殺す過程であれば、いくらでもモータルを巻き込む。
自分(=ニンジャ)に殺されたモータルも、モータルフレイムの燃料であり、マッチポンプ、嫌な永久機関状態。
ディセンション状態(ニンジャスレイヤー)は、憑依者である程度コントロールが効く。

インクィジター(ヤマト)
危険から遠ざけるため、と考えると「積極的(庇護)」ともいえる。
直接的な結果としては、コトダマ認識に至ったハッカーが、黄金立方体に近付こうとすると、無差別に殺しに来る存在。
AoMにおいては、ポータルも対象だろう。
ヤマトとしてのモータル観は不明。

ケイトー
モータル観としてはここ。
コンサルティングの犠牲になったりはするが、支配や殺戮に興味はない。

ガルガンチュア(ウインドウォーカー)
エリア(領土)徘徊型。
針葉樹林の霧の中を移動するだけで、エリア内にモータルは居そうになく、「積極的(支配)」とは異なる。

ナガリ[シーズン1終了とシーズン2予告で少し登場]
ガルガンチュアと同じく、エリア徘徊型と思われる。
地面がえぐれたり、モータルはいない可能性が高いため、「積極的(支配)」としていない。

ウラシマ
シャード・オブ・マッポーカリプス(52):ウラシマ・タロ即ちウラシマ・ニンジャについての追補編
の通り、彼は狂い彷徨っている。
モータル観も何もなく、偶然モータルが近くを通り、偶然そういう気分になれば殺すのだろう。

クラウドスティーラー
目的は用兵かつ傭兵行為で、過程としてモータルは死ぬ。
支配地を持っている感じではない。

センド
虐殺派かもしれないが、専らヒャッキ・ヤギョのために存在するので。

ア/ウン
虐殺派かもしれないが、門番らしいので。
グロリアス・ニンジャ・カテドラルがどういう存在か不明だが、インクィジターに近いか?

アラシ
比喩ではない天災。
サブジュゲイターのジェット墜落原因。

ヒャッポ(インヴェイン)
記事冒頭のように、わけも無く殺そうとするが、アルター・オブ・マッポーカリプスでは「大義なきイクサ」に参加しなかった。
モモジがいなければ殺戮をしていたか、はわからない。

ザンマ
シャード・オブ・マッポーカリプス(79):狂気の英雄ザンマ・ニンジャとネザーオヒガン
の通り狂人。狂人多過ぎでは?
ファーネイスの吉兆のように、本忍以外理解不能な理屈で、モータル・非モータルを問わず殺す。


・中立

無関心(無害)より交渉余地がある。
無関心(天災)のように気まぐれだが、モータルから敵意を持って関わらない限り、酷いことはされないはず。

フィルギア
ニンジャスレイヤーカードAoM-0200【フィルギア】
モータルの文化を楽しみ、マスターヴォーパルよりは関わりを持ち、ドラゴンほど一所に留まらない。
モータルを助けもするが、モータルの味方ではない。
絶対にニンジャ側、というわけでもない。

遊んでいた、というハイクやバンド活動は、すなわち言霊であり、実はコトダマ関係に長けている可能性もある。
老忍のわりにUNIXを使え、タイプライターはともかく、ワープロくらいから覚えたかもしれず、モータルとの交わりは楽しみだけでは無い、と深読みしてしまう。

コルセア
ナンシー・リーにも分け隔て無い。
が、無関心、どうでもよい可能性もある。
あるいは、コトダマ、IP的価値はニンジャもモータルも等しいか。

クエスター・ナル
ある意味積極的モータル観だが、モモジ的に、モータルを小動物じみて見ている。
お礼に守護してくれるのも、モモジに近い。
スレイプニル馬賊皆と交流する辺りが、モモジとの違いか。


・積極的(庇護)

モータルとニンジャを等しく扱う、モータルの弱さを守る、モータルに協力する。
対象とするモータルの範囲はニンジャによって違い、自分の領域内だけの場合もある。

ドラゴン
ニンジャスレイヤーカードAoM-0014【ドラゴン・ニンジャ】
シャード・オブ・マッポーカリプス(58):ジャンヌ・ダルクとニンジャの影
記憶を失った結果、ジャンヌダルク関係や今のユカノといった、モータル観になっている。
クレオパトラ関係も同じなのか。
現在の在り方はドラゴン・ユカノとしての面が強く、ドラゴン・ニンジャの価値観は定かではない。
ティアマトを見る限り、ドラゴン・ニンジャの内にもニンジャ的価値観があったはず。

ローシ
モータル寄り過ぎる。
師事していた時期のドラゴン・ニンジャがモータルを大事にしていた可能性もある。
ニンジャスレイヤーRPGなので正史ではないが、かなり若い頃から修行しており、リアルニンジャとなった後の老化も遅滞しなかった場合、Y2K頃は修行中だったかもしれない。
老化が遅滞した場合、どの時代でも可能性がある。

バーパヤガ
ナンシー・リーの価値観次第なのだが…、ナンシー(自分)に力を貸したり、モータルを助けてくれる存在ではある。
AoMシーズン3時点でまだニンジャではなく、ディセンションによるニンジャ化の可能性も残ってはいる。

ダイ
ニンジャスレイヤー名鑑カード AoM-0002【サツバツナイト】
分類的には中立に近い。
彼はモータルの世界に積極的に交わるが、一所には留まらない。
新たなニンジャスレイヤーがどこに現れるかわからなかったこともだが、それ以上に、自分のようなニンジャ禍による悲劇を減らすことを優先している。

公共の利益に全てを捧げ、引き換えに失うはずの私的利益が、既に無いことが哀しい。

ブラド
ニンジャスレイヤー名鑑カードAoM-0016【レッドドラゴン】
大規模ドージョーを興している。
モータルに平等な部分は、ブラド・ニンジャとしてではなく、領主であるブラド・ツェペシュとしての面が強いのかもしれない。
むしろディセンションニンジャへの侮蔑があったが、カシウスの献身によりあらためられた。
IRC-SNSといい、かなり柔軟な考えの持ち主。

オールドストーン
詳細不明だが、シトカの守護者。

カラス
庇護とは違う、単なる利害関係の可能性もあるが、エド・トクガワ(家康)方。


・積極的(支配)

奴隷的扱い。
平安時代の支配とそれに類するもの。
モータルは慰みに殺されることもある。

マガツ(ファフニール)
モータルの生命的には、比較的影響の少ない方。
ナカヨシという似非ドージョー。

ソガ
平安時代の支配者。

ワンバ
平安時代のグレーターダイカン。

ゴグウ(ウィッカーマン)
カツ・ワンソーの再臨を目論み、その材料にモータル、ニンジャ問わず用いた。
また、己の手足となる「歪み者」の材料としても必要。

ケイムショ
詳細まだ不明。
ロンドン塔を拠点に死者の都を築いているので、ペスティレンスめいたモータルのゾンビー化ができる模様。

セト
ピラミッドでモータルを殺して楽しんでいたりする。

ムカデ
ニンジャスレイヤーカードAoM-0017【シャン・ロア】
モータルの生命的には、比較的影響の少ない方その2。
モータルは、眠らぬ兵カロウシタイにされたりする。
ダイ・ニンジャ的には良いと思ってはいないらしいが、支配状況は暗黒メガコーポによる支配と比べて、マッポー具合に大きな差があるようでもなく、意外とマシな方という可能性もある。

シトカ
モータルの生命的には(略)その3。
シトカを支配した。
独自の家族観で、モータルにも奉仕を強いる。

サナダ
江戸戦争で戦っているので、領地を持っていたと思われる。

アケチ
センゴク期、ネザーオヒガン、ネザーキョウ、いずれもモータル、非モータル問わず支配した。
モータルを支えているのは戦争経済で、そこから外れたメープル農家などは顧みられない。

オダ
自領を支配していた。
モータルを戦力としてもいたが、庇護するほどの価値観変化があったかは不明。


・積極的(虐殺)

モータルを殺す対象としか見ていない。
皆殺しにしたいわけではなく、ただの遊び感覚に近い。
強大なニンジャは無関心(天災)か積極的(支配)が多く、虐殺派はリアルニンジャの中でのサンシタが多くなるかもしれない。
デスドレイン的ニンジャであればここになる。

ヤイバ
モータルを虐殺。

サザナミ
モータルを虐殺。


・不明

主にヒャッキ・ヤギョで、モータル観につながる描写がなかった者。

ドクロ
ヘラジカ
ダンア
パズズ
グレンデル
アズマ
サカラギ
ゴルジ
クロヤギ

ランマル
黒衣の小姓団でモータルを率いていたが、モータルを評価していたか不明。
クセツとしては、ケイトーの提案をのんでいるため、モータルを軽んじている可能性もある。



異端アガメムノン

彼は再定義後の世界のため、ミームではなくゲノムの価値、鷲の一族の血に価値を置いていた。
このゲノムを軸にした物語は、ミームを軸とするニンジャ存在としては異端で、それゆえに非常に重要な意味があると思われる。

ゲノムを軸にした物語はカタクラ家にもあったが、これは1および2部で、ダークニンジャが運命に反抗し始めたことで一応の帰結を迎えている、と思う。


もう一つの分類

やっと最後の項だが、モータル観と別に大きな2分類がある。ただの恣意的カテゴライズにも見えるが...。

生産(製作)者と非生産者だ。

これはリアルニンジャだけではなくモータルも同じで、その点では平等かもしれない。
ただ、ニンジャはモータルを使役するため、非生産者の割合が高い。

そんな中で、生産者と思えるニンジャが2忍いる。
ドラゴンとカジヤ。
この2忍の生産行為は、物語の根幹をなす。

ドラゴンのアセンション装置はディセンションに繋がり、直近ではティアマトを生んだ。
また、キョート城はロード・オブ・ザイバツの野望に繋がり、新生ザイバツに至った。

カジヤのベッピンはカツ・ワンソーを殺し、ハガネの隆盛と凋落を起こし、ダークニンジャを生んだ。
三神器は今も物語を動かす。

カジヤがきっかけとなった御村衆も含めば、安土城を造り、今のタイクーンを生んだ。
オムラ・インダストリはネブカドネザルを造り、キョウリョクカンケイを造り、モーターオムラを造った。
そして、ネコネコカワイイを創り、オイランマインドの完成のきっかけとなり、ウキヨが生まれた。

ゾーイは無から有を生み出す。
サツガイは何かを付け足す。

キンカクを創ったのは、カツ・ワンソーなのか?
ギンカクは、誰が創ったのか?

ニンジャが生み出すことの価値が高いとすれば、マスラダがアーティストだったことにも、何か意味があるかもしれない。

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