オヒガンについて
文章力が足りないので、簡素過ぎるが図示する。
図1:物理世界、コトダマ空間、トリイゲートの位置関係についての模式図
図1は現時点での私の理解による位置関係。
何を今更なヘッズも多いのだろうが…。
この図1の仮定として、
コトダマ空間で度々記述される7つのトリイゲート
ヤマト・ニンジャが通ろうとした門
鷲の翼で閉じようとしていたオヒガンへの門
は全て同じ存在とする。
トリイゲートの機能
11101011……IRCコトダマ空間内に、エシオの論理肉体が構築されてゆく。彼は物理肉体と同じスーツ姿で無限地平の世界を飛翔し、七つのトリイゲートウェイをくぐり抜けた。(後略)
【スルー・ザ・ゴールデン・レーン】#2
この7つのトリイゲートが対応すると考えられるOSI参照モデルは、非常に大雑把に言えば、データを分割して流すために使われる。
分割したデータはカプセル化(Wikipedia)され、上位層を流れるデータほど小さくなる。
論理肉体は分割する訳にはいかないので、最初から小さいデータ量なのだと思うが、これは7つのトリイゲートで立ち止まる描写も無く素通りしている。
このため、7つのトリイゲートと他の門は別の可能性はある。今回は同じと仮定している。
論理肉体に対し、物理肉体も分割する訳にはいかない。
しかし、解像度無限の物理肉体はデータ量が多い。
それなのに、トリイゲートをくぐればオヒガンに至れる。
このことからトリイゲートの機能は、物理肉体の可逆圧縮ではないかと考える。
準オヒガン(仮)
トリイゲート1つを通る毎に、次の層に適した情報量へ圧縮される。
この、オヒガン(≒コトダマ空間≒インターネット)の情報規格に満たない、物理世界との間の空間を、準オヒガンと仮称する。
この空間に、ヤマト・ニンジャがオヒガンへ向かうために通った道や、ネザーオヒガン、現在ヤモトとブルーブラッドの居る地などが存在するのではないか。
理由は現時点で定かでないが、より情報量が少ないはずの論理肉体は、準オヒガンに留まれない、または立ち入れない。
上記の道も、ネザーオヒガンも、コトダマ空間側から見つかってはいないようだからだ。
インクィジターについて
インクィジターは、コトダマ空間に存在しているので、7つのトリイゲートを通過し終えている。
彼は、インターネット経由の論理肉体に対し、キンカクに近付こうとする者は攻撃する。
しかし、
だが、今の襲撃者は一体?ナンシーがwhoisコマンドを実行する時間すら与えず、新手のノイズ人間が二体出現した。さらに、より輪郭のはっきりした存在が近くの地面からせり上がってくる!身にまとうその砂嵐は、ニンジャ装束か?「ドーモーモーモーモ、私はインクィジターターターターターター」
「グランス・オブ・マザーカース」#1
ZANKZANKZANKZANKZANK……トンネルの壁から無数の人型が隆起し、シルバーキーをあざ笑うようにオジギを繰り出す。「ドーモーモーモーモーモ、インクィジターターターターター010111ター01010111」「イヤーッ!」シルバーキーは稲妻めいたトリッキーな軌道を描く!6
【アンダー・ザ・ブラック・サン】#6
インターネット経由でない、物理世界からシームレスにコトダマ空間へ移る者、物理肉体でポータル・ジツ系の移動のためコトダマ空間へ侵入する者には、キンカクの遠近に関わらず攻撃する。
ポータル侵入≒物理肉体での侵入
は、結果的に己と同じくキンカクに近付く行為ゆえの反応と考えられ、論理、物理を問わず、キンカクへの接近を防いでいる、とも捉えられる。
この物理肉体での侵入を判別する方法が、データ量ではないか、とトリイゲートの機能仮説から予想される。
圧縮済の論理肉体は近付くまで判別が付かないが、圧縮不十分の物理肉体は遠くからでも判別できる、というような。
ただし、新生ザイバツは例外で、キョート城自体の機能か、ネクサスの力か、影の淵くらい離れていると知覚できないか、などが考えられる。
オヒガンの広がりについて
図2:物理世界、インターネット、オヒガンの広がりについての模式図
オヒガンは、物理世界とは異なるが、準オヒガンのような接点、あるいはもう少し広大な領域がオーバーラップしていると考えられる。
これに対してコトダマ空間は、現実世界のほぼ全てに重なっており、オヒガンにもオーバーラップしている。
2部終わりから3部終盤まで、キョート城が蓋をしていた狭間は、ポータルでしか移動できない点から、物理世界とオヒガンのオーバーラップ部分よりは、そこ以外の部分にあったのではないかと考える。
また、インターネット=コトダマ空間としていないのは、回線の届く範囲だけがインターネットで、コトダマ空間はより広いのではないかと考えているためだ。
エシオの用いるゴールデンレーンは、コトダマ空間のようで、インターネット制限がある。
ニンジャスレイヤー(フジキド)やコトダマ視界所持者は、インターネットの有無を問わない。
影の淵も、コトダマ空間ではあるが、インターネットからは辿り着けないと思われるため、オヒガンの一部を重ねない形で表現した。
ただし、オヒガンをコトダマ空間が網羅しているかの確証が無く、オヒガンの広がりは示せていない。
エテルの濃さについて
7つのトリイゲートが群体か、単一かという疑問がある。
どういうことかというと、単一の場合、トリイゲートの近くほどエテルが濃く、遠いほどエテルが薄いことにならないか。
どの程度仕組みが似通っているか不明だが、ギンカクは【ナラク・ウィズイン】#9の通り、地表端末近くだとモータルフレイムが濃い。
しかし、3部終盤の月面での戦いでは、ニンジャスレイヤー(フジキド)にしろ、アマクダリニンジャにしろ、再定義以外でカラテが弱まる描写は無い。
ナラク・ニンジャの力を大きく開放したシトカと、ギンカク地表端末のあるハリマ離宮(ライディングマウンテン自然公園)は、せいぜい2~3千kmの距離だが、地球と月は38万kmもある。
データさえ遅延するのに、なぜエテルは影響しないのか。
ソウルワイヤードについて
「でも……何?」ナンシーの脳裏を不安が過る。「ナンシー=サン、あなたの物理接続は既に切断されているようです」「切断?」「ハイ、物理的に、LAN直結が。あなたは現在、ソウルワイヤードな状態にあります。……シツレイ、これは社内用語でした」「つまり、精神が」「切り離されています」 79
【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100745:ショック・トゥ・ザ・システム】#6
UNIXルームでタネコは心停止した。クロマと女ニンジャ、レッドハッグは、少しの躊躇ののち、その場を後にし、脱出に向かった。それでいい。タネコはアイザワと共に飛翔した。(後略)
【デイドリーム・ネイション】#5
インターネットへ論理肉体でダイブ中に、無理矢理LAN接続を切断したり、物理肉体が死んだ場合、ソウルワイヤードとなる。
物理肉体が死んだ場合は、論理肉体も崩壊を始めるが、これはタイピングにより自己定義し続けることが必要だから、と考えられる。
接続切断の場合は、コトダマ適性により異なるかもしれない。
しかし、
01ナンシー010は緑10010の1011グリッド11101の地平0101の果て、五つ目のゲ0111ート101の変色01010を見た1111。(後略)
第3部最終話「ニンジャスレイヤー・ネヴァーダイズ」より
【8:オヒガン・シナプシス】#1
鷲の翼によるトリイゲートの閉鎖は、通常のソウルワイヤードとは異なるかもしれない。
トリイゲート内の論理肉体は、1つ目のトリイゲートが閉ざされ、おそらくインターネット上に取り残されているが、長時間活動できていた。
3つ目までが、オヒガンを近付けていたことと関わるかもしれない。
また、
キュイイイイイ!甲高い回転音が鳴り、ユンコの左のサイバネアイが赤く輝く!001100101111……!ユンコはコトダマ空間を飛翔し、七つのトリイゲートを抜ける!(後略)
【8:オヒガン・シナプシス】#2
バイオニューロンチップ再生者だからか、あるいはオイラン系AIだからか、コトダマ空間から物理世界へ戻る描写がされている。
0101ユンコ0100モーターオ10ムラ1011が認11識できない状101態だ。「頑張っ101たわね、ユン0111コちゃ101ん」(後略)
【8:オヒガン・シナプシス】#1
これが「ユンコとモーターオムラ」であったら、論理肉体反応が無くなっているかもしれず、これもソウルワイヤードとは違う状況だったかもしれない。
『ヌンヌンヌン。発射準備な』「死ねーッ!」第四波でマイコ回路を停止させたユンコは、全身を激しい攻撃性で満たし両トリガー射撃!(中略)
シャットダウン。スズキ・マトリックスは否定された。モーターチビからも光が消えた。マニュアル操縦モードにあった鋼鉄雷神もまた、敵艦の手前で拳を振り上げ、凍りつくように動作停止していた。ユンコは目を開いたまま、無表情に、ショウケースの中の美しいオイランドロイド製品めいて固まっていた。
【8:オヒガン・シナプシス】#1
マイコ回路が先に機能停止していても、モーター回路は残っているのに動かなくなる点で、スズキ・マトリックス機体はモーター回路単独では動かないのかもしれない。
この場面で、モーター回路で動いて何が出来たわけでもないが。
黄泉竈食いについて
ネザーオヒガンの生物、ヘグイが登場した際に実況で言及されたものの、黄泉竈食い的現象は起きなかった。
もし作中で起きるのであれば、トリイゲートと絡めて考えると、
その層の情報体を摂取=その層のプロトコルデータ形式に不可逆圧縮される?
ヘグイで起きなかったので、かなり摂取し続ける必要がありそうだが。
上位(奥)の層へは行けても、物理層側へ戻れないことになりそう。
ジョウゴ含むネザーオヒガン生物を同じに考えてよいかわからないが、よりデータ量の多い物理世界のエテルが扱えない、扱いにくいのは、この考え方に近いのではないか。
カツ・ワンソーについて
黒鳥居現象で、顕現先を選べない制約はあるものの、物理肉体を持っていなかったサツガイは01分解しない。
黒鳥居現象が、天下布武じみた空間定義書き換えの可能性はあるが、どちらにせよ、サツガイに可能ということは、カツ・ワンソーにも可能と言えるだろう。
それでも未だにキンカクから出て来ないのは、やはり出てこれない理由があるはずだ。
圧縮というトリイゲートの機能仮説を考えたが、
オヒガンは、本来大きな情報体が存在出来るのではないか。
ポータル・ジツにしろ、コトダマ視界にしろ、物理世界とシームレスな関係を想定しているように見える。
オヒガンと7つのトリイゲートは古代からあったようなので、カツ・ワンソーのアセンション後、インターネットで蓋をした、ということは無いか。
鷲の翼は、インターネットとの接続を断ち、さらに別空間で蓋をしようとしたが、Y2Kさえ起きなければ、インターネットがカツ・ワンソーに対する鷲の翼だったのではないか。
インクィジターがポータル等を警戒するのは、キンカクに近付くという意味以前に、
存在格≒データ量
という意味で、カツ・ワンソーしか残っていないはずの大型データに、無差別で対応している、という可能性はないか。