令和6年12月文楽公演
2024/12/08所見。敬称略。江東区文化センター。
日高川。紋臣のしなやかさ。咲寿-團吾よし。
瓜子姫。富助好調。千歳、切語りの矜持を持って語りあげる。玉佳がこの曲を一種の舞踊劇として展開。
守銭奴。藤、靖が明瞭に語り分ける。燕三絶好調、数多い手を自在に操って場面場面を組み立てていく。簑二郎、清十郎、立体的な造型。ひとりになって美しさが際立つ一輔。
大入札止。熊谷陣屋。玉志、動きが洗練され、堂々たる好演。和生の至芸。代演の紋臣、一貫して品位を失せず。睦、義太夫節を体現、時代を十分に大きく語る。呂勢の気迫の物語、清治の鋭さが各人物の輪郭を明瞭にする。若太夫は魂の語りで宗清への配慮を忘れず、清介は藤の方の悲嘆、相模の混乱、宗清の悔恨と決意を見事に表出しながら、大きなエネルギーで物語を大きく進める。三ノ切の妙。
阿古屋琴責。あっぱれ、三曲、寛太郎。靖、最後の堂々たる裁定で聴かせる。宗助は見事な捌き。錣が終始、手綱を握り、この曲に格式を与える。勘十郎の藝は藝術の域と交錯する。
曾根崎。松之輔ワールド、三輪が場を調える。藤蔵は、記事通り前半は静かで細かな手を聴かせるも、段切りは一気に藤蔵ワールド全開、それに和する形で織太夫も一気に物語を進める迫真の語り。玉男は研ぎ澄まされた鋭敏な動きが数え二十五を具体化、一輔は地に足つけた美しさで魅了。
詳細は以下。
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2024/612/