しくじって死んだ先生〜俺みたいになるな(なりたければ別)〜
はーい、俺のことが見えない人手ーあげて
挙げるな!!!
スマンゴスチン
よろしくな
ズイッ
(俺の顔とお前らの顔の距離が0.1cmくらいになり、鼻先で火花が散る)
……ところで、お前、、、このままじゃ、
死ぬぞ。
↑(当たり前やん。人はいつか死ぬ
ガラッ 失礼しまーす 3年1組の瀬田です、、あの、君らの人生がややこしくてキッショイ原因分かって……えっと、それを伝えに来ました!
(職員室の入り口側の数人の先生が座ったまま顔をこちらに向ける)
数学の細山「えーと……瀬田くん?だっけ、今授業中じゃなかったかな?なんでここにいるの?」
「そうでしたか。では今からここは教室にします。」←瀬田
音楽の佐々木「えっ、ちょっと何言ってるの?」
現国の富山「担任呼んでくるからな」
紳士服の青木「https://oppainotanimadakeanaaiteruhukushop.com」
ジャアアアアアアアン!!!
銅鑼の音が響き渡る。
「少し黙れ……」←瀬田
こういうのって普通机叩かん?
いつも寝る前、何考えてる?
今日の出来事をさあ、1つ1つ振り返るよね
で、嫌なことばっかり思い出しちゃうんだ
人間は安定、安心を求めるから、
楽しいことを増やそう!
よりも
嫌なことを減らそう!
というマインドが優先されがちなんだよね
それは生存本能に帰属しててごく自然ではあるけどね
ここで気を付けてほしいのは、
嫌なことを減らす努力に執着しすぎること
これは危険だ
嫌なこと、嫌なこと
それだけが脳を埋めつくして、
やがて病む
だからといってできることは、
いいことだけ思い出す
とか
別のことに熱を入れる
だなんて
逃げてるように見えるね
だけど、人間はそうやって生きてきた
そうやってる奴らが生き残った
生きてれば勝ち組や!!!😁✨
↑ここまで瀬田
清掃員のオッサン
「何も分かってないな、青リンゴ
勝ちながら負けを積み重ねることが重要なんだ
失敗を思い返してどうするって?
やっぱりお前は烏合の一匹さね
そういうときは、『まだ負けれるんだ』と余裕こくのが常識だろうが」
6秒後、まばらな拍手が起こる。
誰かが「言葉って内容じゃなくて誰が言ったかだよな」と呟いていたが、瀬田が勢いよくドアを閉めた音にかき消された。
〜〜〜ここから蛇足、読まなくて後悔することはない〜〜〜
その日、神室第二高校にて瀬田の姿を見たものはいなかった
その次の日も、また次の日も、ずっと──────
化学大佛(おさらぎ)「なんだったんでしょうね、瀬田くんって」
地理野沢「どうやら3年1組に瀬田なんて生徒いなかったらしいですよ」
「えっ!?」
「じゃあ彼は一体……」
どうやら大分あとに分かったことなのだが、瀬田という生徒は十何年前の卒業生で、去年の冬に自ら命を絶ったという。
原因として、彼は卒業後銅鑼マー(銅鑼を叩いて中華料理を美味しく感じさせるパフォーマー)として主に南北千住の駅前で活動していたのだが、
「別に銅鑼なくても中華ってウマくね?w」
との野次馬の心無い一言で折れたという。
手取りもほぼなかったため、精神も家計も圧迫されていたのだろう。
幽霊がしくじり先生やったらうまくいくかな、きっとそんな心意気で単身乗り込んだ瀬田くんのメンタルは評価したい。
瀬田、地獄でも元気でな─────
(おしまい)