トライアングルエヒメ「農水産業フォーラム」開催!農水産分野における今年度の事例・成果を発表【現地レポート】
トライアングルエヒメでは令和4年度から農業・水産業などの一次産業の分野で、様々なデジタル技術の実装が進められてきた。各産業のモデル事業者が集まり、その技術と成果の紹介を行う「農水産業フォーラム」が宇和島市で開催された。
まず開会の挨拶として、愛媛県デジタル変革担当部長の山名富士氏より「トライアングルエヒメは愛媛県の事業として令和4年度からスタートし、今2年目の締めくくりの時期を迎えております。採択事業者のみなさんが実装している技術が、地元に残り成果に繋がる、そして同業者の方々にその成果を見ていただき横展開していく。それを願って進めております。来年度も、なんとか継続できればと思い、現在準備を進めております。本日のフォーラムでは、農業、水産業に特化した事業者の成果発表ということで、私も非常に楽しみです。ご参加いただいているみなさまも、ご自身の事業に少しでも活かせるものがあれば、持ち帰っていただけると嬉しいです」とのお話があった。
【基礎講演】農水産業にとってのデジタル化
続いての、愛媛大学 大学院農学研究科の髙山弘太郎教授による基礎講演では、以下のような内容のお話があった(一部抜粋)。
スマート農業の展開は、重要目標として掲げられている。スマート農業の自動化、ロボット化というワードがメディアなどで露出されているが、「情報共有の簡易化」と「データの活用」といったデータ活用が特に重要視されている。経験と勘に頼ってきたかつての農業を、数値データを活用することで再現性の高い農業にしていくのが、スマート農業である。これはスマート水産業においても同様。
また、業務・組織・企業文化を変革して競争上の優位性を確立する「デジタルトランスフォーメーション」を実現するまでには、段階を踏む必要がある。最初の段階である、アナログ・物理データをデジタルデータに変換する「デジタイゼーション」。そして、次の段階「デジタライゼーション」で、業務・開発フローなどをデジタル化して、データを見て判断して即時に行動し業務効率化や生産性向上を目指す。「デジタライゼーション」まで実現させることを、まずは目標に進めていきたい。また、どれだけ優れたデジタル技術でも、必要とされる情報と、その情報を活用する生産者がマッチングしていないとデジタル化は進まない。
農業で無限に儲かるということはまず不可能で、地域、生産現場によって年間の最大収穫量の限界値が存在するため、生産者はその限界値を知る必要がある。また、農業は環境変化や様々な問題により少しずつ収量が目減りしてしまうもの。それを、データ化し数値を見て行動することで、どのような行動をすべきか悩んでいる間に不適切な管理をしてしまい収量が目減りしてしまうという状況を回避し、目減り幅を小さくすることができる。農林水産業全ての領域において、勉強会などを通してこのことを生産者に理解してもらい、行動を変えてもらうためには粘り強い伴走が必要であると考える。
Step1:スマートに触れる
Step2:スマートに慣れる
Step3:スマートに決める
上記のプロセスを反復することで、農水産業の生産現場が少しずつ変わってくるはず。それをサポートするのが、普及機関、大学である。また、生産者は、意欲的、挑戦的なマインドを一緒に持ち、デジタル技術を提供する事業者も、公益的・基盤的なマインドを持って伴走することが必要。さらに新しい社会ニーズである、持続可能な農業生産のために、高い生産性を維持しながらも、肥料・水資源・熱の投入量を最小化する農業生産技術が求められる。これを実現するには、これまでのノウハウ構築ではなかなか上手くいきにくく、デジタル化は必須になる。普及機関、大学、そして事業者は、生産者の伴走からスタートし、生産者がデジタルを使いこなすことができるようになり、さらに上を目指したいとなればデジタル化のペースメイクをする。デジタルを使って生産現場が改変していく、そんな地域社会がこれからは求められている。
以上、デジタル化に関する意識改革について熱く語られ、採択事業者の事業成果発表へと移った。
事例成果発表
【PLANT DATA株式会社】植物生体情報による農業生産ノウハウDXの確立・水平展開
PLANT DATA株式会社は、光合成蒸散リアルタイムモニタリングや画像診断、ウェブアプリを使って生産現場のデータを見える化し、ノウハウの暗黙知化、新規参入のハードルの高止まりなどを解決するプロジェクトを進めている。
野菜や果樹の生産において光合成が重要となり、できるだけ多く光合成を行い、適切に葉・茎・果実に分配することで収量を増やすことができる。つまり、たくさんの実を成らすためには、光合成と分配の数値を正しく計測し、環境制御を適正化する必要がある。そこで開発されたのが、光合成リアルタイムモニタリングシステムと、AI・画像解析を行う画像計測ロボットだ。
同社は令和4年度から、高糖度ミニトマト「うるるんトマト」を生産する、西予市野村町のフローラルクマガイの現場に上記2つのシステムを導入・実装している。 高糖度ミニトマトの生産において、生育不良が問題となっていた。そこでデータを分析してみると、光合成が低下していることや、蒸散速度が減っていることで根腐れが起きていることが原因だとわかった。これを改善するために、今年度はCO2施用や灌水の最適化を念頭においた栽培計画を立てることができた。また、新規就農者はフローラルクマガイのデータを参考に、うるるんトマトの栽培にチャレンジしたところ、半年も経たずして糖度14度を超えるトマトの育成に成功した。今年度は新規就農者の温室でもデータを取り始め、フローラルクマガイと新規就農者の間でデータ共有・比較ができるようになった。そのためデータに基づいた判断と、遠隔モニタリング、遠隔環境制御が実現された。 トマトである程度の成果を出すことができたため、令和5年度は、柑橘とイチゴの生産現場でも実装している。
■新規就農者:きらりFARM・木森さんのコメント
2023年に新規就農し、同年2月よりトマトの栽培を始めました。その頃からこのプロジェクトに参加させていただいたのですが栽培の知識は全くなく、データを見ても理解できない、という状況でした。現在はトマトの栽培が2作目に入りまして、今期私たちのハウスにも計測装置を設置していただき少しずつデータを理解することができるようになっています。植物の生育状態を目で見極めるということは、非常に難しくて、私たち新規就農者には困ることもたくさんありました。しかし、データを見て変化がわかると、とても安心できます。また、私は子育て中で、ハウスに居られないことも多々ありますが、遠隔でもスマホやパソコンからデータを見ることができるのでとても助かっています。勉強会にも何度も参加させていただいているのですが、回数を重ねるうちに少しずつではありますがデータの見方がわかるようになりました。植物の蒸散、光合成のデータを基にして、愛媛大学の先生方をはじめ先輩農家のフローラルクマガイさんに栽培管理の質問や相談ができたり、アドバイスをいただけることはとても安心感があります。これからも生体情報をどんどん活用して、収量の増加や品質を向上できるように取り組んで行きたいと思っています。
▼PLANT DATA株式会社の事業詳細はこちら
https://note.com/tryangle_ehime/m/m96bf5b79e2a4
【株式会社アクト・ノード|株式会社インターネットイニシアティブ】柑橘栽培のデジタルデータ化と継続的に進化可能な栽培モデルの実現
最高級品質の「真穴(まあな)みかん」で知られる八幡浜市真穴地区は、249haの栽培面積を誇る日本有数の温州みかんの栽培適地。ここでは、多くのベテランや若手生産者が生産を行っている。全国的に見ても需要が高い真穴みかんは、現在も供給量が足りていない状況だ。栽培で最も大事な水管理(灌水)は地域に張り巡らされたスプリンクラー設備で行われているが、経験や勘で運用されており、より良い灌水のタイミングや次世代への技術継承など伸びしろや課題も多い。
これらの課題を解決するために、日本のインターネット業界のパイオニア「株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)」は、低消費電力かつ長距離通信が可能な「LoRaWAN(R) (ローラワン)」ネットワークを真穴地区全域に構築。土壌センサー120本を設置し、リアルタイムで土壌の状態を可視化することで最適な灌水制御の実現を目指している。
また、「LoRaWAN(R) 」の規格に合うものであれば様々なセンサーを繋げることができる。真穴では、気象センサーと鳥獣センサーを繋ぎセンシングによる地域課題の解決にも取り組んでいる。
一次産業向けクラウドアプリ「アクト・アップ」を展開する「株式会社アクト・ノード」は、昨年度から真穴の生産技術革新に取り組んでいる。真穴のみかん生産者である黒田さんは10年前から「マルドリ方式」を導入し、毎年反収8トン超(地域平均の2倍以上)かつ高い品質という栽培技術を確立している。しかし新手法であるマルドリ方式は同エリアの生産者でも真似をするのが難しい栽培方法でもあった。そこでアクト・アップのスマホアプリ、センサー、AIカメラで黒田さんの技術をデジタルデータ化。同地域の生産者も黒田さんの圃場のデータや灌水や液肥のタイミングを見て比較や模倣し生産成績を上げている。今後は、温州みかんだけではなく、愛媛の様々な柑橘への拡大を検討している。また、黒田さんをはじめ、ベテラン生産者、新規就農者、そして研究機関も含めてみんなが同じデータを見てコミュニケーションをとることで進化のスピードを速めることができるはずだ。さらに、AIカメラによる観測で、葉の形状、葉身の角度を特定することで水ストレスの推定を行っており、このデータをうまく活用したいと考えている。
■ベテラン生産者・黒田さんのコメント
データで可視化した情報が増えたことでストレスのかかるメカニズムをより深く理解できるようになりました。若い生産者もデータを見ながら栽培を行って欲しいと思います。そうすることで、生育への理解が進み感覚が分かってきます。私も毎年進化していますし、環境の変化によってやり方を変えているので、アプリで私の最新の栽培状況データをリアルタイムに見てもらうと、より参考にしてもらえると思います。
■真穴共選 共選長・中井さんのコメント
真穴共選にとって、今回のプロジェクトのデータを使った新しい発見は、これからのみかん栽培がより楽しくなるものと期待しています。特にこの数年、改めて品質と収量、そして隔年結果の防止が重要視される中で、水管理の重要性は高まっており、それを取り巻く色々なファクターの相関性を可視化できれば、柑橘産業はもとより、生産者一人ひとりがよりDXを身近に感じ、より発展していくものと思います。
▼株式会社アクト・ノードの事業詳細はこちら
https://note.com/tryangle_ehime/m/m63cc828285b9
▼株式会社インターネットイニシアティブの事業詳細はこちら
https://note.com/tryangle_ehime/n/n52d212abb454
【愛媛県漁業協同組合うわうみ支所】シマアジ養殖におけるスマート給餌機実装プロジェクト
愛媛県漁業協同組合うわうみ支所は、日本一のシマアジ養殖生産量を誇る愛媛県宇和島市、その沖に浮かぶ戸島を舞台とした、AI搭載のスマート給餌機により持続可能な養殖経営を目指すプロジェクトを令和4年度から進めている。魚類養殖では、タイマー式給餌機を使って配合飼料を給餌するやり方が主流となっている。タイマー式は、設定した時間に一定の餌が落ちる仕組みとなっており、魚の食欲のムラにより食べられず海底に餌が落ちる無駄餌が多いことが課題となっていた。AI給餌機の場合、給餌機に搭載した超音波センサーやカメラが魚群の状態をキャッチし、餌を食べ始めると上層に集まり、満腹になると下層に沈んでいくという魚の行動から食欲具合をAIが判断する。飼料の価格が高騰する中で、AI給餌機を導入し無駄餌を減らすことで大幅な経費削減に繋げることができる。
今回導入したのは、AI給餌機「餌ロボ」。超音波センサー方式を採用しており、海水の濁りなどに邪魔されることなく正確に魚群を観察することができる。
令和4年度から従来のタイマー式給餌機とAI給餌機どちらも生簀に設置し実装検証を行った。令和5年度は、より細かいデータの取得が必要だと判断し、新たに魚体重推定カメラを設置し、定期的に魚体計測を行った。また、養殖管理システム「uwotech」を導入し、データの一元化や増肉係数や日間給餌率の計算を自動化し、比較検証を行った。
2年魚の比較データ。左のグラフは平均魚体重、右のグラフは魚体を1kg増加させるために必要な餌の量を指す。左のグラフの平均魚体重についてはAI給餌機A・Bとタイマー式給餌機3つの線がほぼ重なっているのに対して、右のグラフでは10月以降で大きな差が出た。AI給餌機A・Bは給餌量の上昇幅が小さくなっているが、タイマー式給餌機は上昇幅が大きくなっているのがわかる。つまり、AI給餌機は、冬場に水温が下がることで魚の食欲が落ちたことを検知し、無駄餌を削減することができていることになる。
AI給餌機は生産者が細かい設定を行うことができ、水温変化にも対応できるAIによって無駄餌を削減することに成功した。また、これまでは生簀に行かなければ餌量の確認などができない状況だったのを、AI給餌機の場合はリアルタイムに餌の量を把握でき、遠隔操作も可能。魚体測定カメラの結果や、その他様々なデータを一元管理することで、経験と勘に頼っていた養殖を、数値を見ながら行動することができるようになり、AI給餌機の優位性が実証された。
■養殖業者・和家紀彦さんのコメント
AI給餌機を1年半ほど使用していますが、スマホ一つで操作ができ、どこにいても生簀の状況が確認できます。これまでの給餌機よりも細かく設定ができ、急激な水温の変化にも対応しております。故障もなく、餌が詰まるようなこともありませんでした。養殖管理システム「uwotech」については、使用を開始してまだ3ヶ月ほどですが、魚の在庫管理や原価計算、売上等のデータも管理できます。今まではノートにまとめており、集計作業にかかっていた手間が削減されました。スマホ入力ができる手軽さと、月毎の増肉係数や日間給餌率を自動で計算してくれるのも助かります。魚体重カメラで測ったデータを元に、分析をしてくれるだけではなく、増肉係数もグラフで表示してくれるので、魚が成長しやすい時期がデータで見えてきます。このことで、効率よく生産計画が立てられるようになると期待しています。今後もデジタル技術をうまく活用し、少しでも業務内容の改善に繋げられたらと考えています。
▼愛媛県漁業協同組合うわうみ支所の事業詳細はこちら
https://note.com/tryangle_ehime/m/mae28e3893538
【株式会社リブル】漁師の勘を手元に!スマート養殖システム事業
株式会社リブルは、漁業現場でのノウハウを見える化するために、デジタルツールを用いた環境センシングや、自社が開発したアプリで生産管理を実施・提案している。令和5年度から愛媛県内で、スマート養殖実現に向けた実装をスタート。舞台は真珠・真珠母貝・牡蠣養殖で50年の歴史を誇る愛南町で、牡蠣の養殖事業者の生産現場で、スマート牡蠣養殖システムを導入している。
牡蠣養殖は、基本的に海任せの「放ったらかしの養殖」と言われており、管理がしにくい養殖。そのため、経験や勘に依存した生育で生産量が不安定という課題があった。実際に、愛南町の生産者にヒアリングしたところ「歩留が低く収益を圧迫している」「スマート養殖にチャレンジしようとしたが、データの扱い方がわからず継続できなかった」「漁師の勘を次世代に残す術がない」などの課題が挙げられた。この課題を解決するためには、環境センサーを導入し、生産管理をすることでうまくいかなかった理由を明確にし答え合わせをしていく必要があると同社は考えた。最終的に「高歩留な養殖」「継続したデジタル活用」「ノウハウのデジタルアーカイブ」を実現可能とする事業を進めている。
今年度は事業がスタートしたばかりで明確な成果が現状は出ていないものの、目標として歩留を5割以上に上げること、牡蠣の養殖管理の作業をデジタル化することによって記録やデータを取り扱う手間を削減することを目指している。データ分析などは大学や高専の先生が協力、また環境センサーを導入し、どのような環境でどのような美味しさの牡蠣ができるのか、といった味の分析については愛媛大学が担っている。環境センサーが稼働したのが今年の1月。アプリにデータを蓄積しながら、実際に生産者に育った牡蠣を触ってもらい、アプリのデータを見ながら、どのような行動をしたら質の良い牡蠣ができるのか、そして漁場管理アプリに日々の作業記録を残し、環境センサーのデータと比較することで答え合わせを行う。御荘湾では難しいと考えられていた、タネから育てる牡蠣養殖についてもチャレンジしており、現在順調に育っている状況。今後はさらなる成果が期待できそうだ。
採択事業者 事業紹介ピッチ
続いて、採択事業者を代表して以下の8社による5分間の事業紹介ピッチが行われた。
■やさいバス株式会社
農業や漁業で課題となっている、商品を販売店で売り出すまでにかかる物流コストの高騰。「やさいバス」が提供する共同配送プラットフォームを活用することで配送コストを下げることができ、生産者の手取り向上、さらには購買者への迅速な商品の提供によって、商品の品質向上(鮮度など)も実現する。
https://note.com/tryangle_ehime/m/m465a198b6858
■テラスマイル株式会社
農業経営に関するデータを統合・可視化することができる「RightARM(ライトアーム)」を自社開発。さらに、伴走支援を通じ、最適な栽培計画策定と予実管理を行うことで、データ駆動型農業の実装により持続的で高収益な農業経営を実現する。
https://note.com/tryangle_ehime/m/mfc06818c4051
■Exest株式会社
私たちの生活を支えている一次産業は、少子高齢化による後継者不足や、収益の不安定さ、規格外品の廃棄による食品ロスなど、様々な課題を抱えている。それらの課題を、「シェアオーナー制度」という切り口で収益化する、新たなプロジェクトである。
https://note.com/tryangle_ehime/n/n006067e6e80e
■ノウタス株式会社
愛媛県は柑橘のみならず果物の生産が盛んで、観光農園として新たな事業を展開し、収益アップを狙えるポテンシャルの高い農園がいくつもある。ただ、それに反し生産現場の人手不足やデジタル化の遅れにより、実施したくてもできない農家がいるのが現実。そこで、ノウタスが開発した、果物狩りの予約から当日の体験までをスマホで完結できるデジタルサービス「クダモノガリプラス」を実装し、愛媛県内での農業体験の収益化と顧客満足度の向上を目指す。
https://note.com/tryangle_ehime/n/n7f5b148cd7b5
■株式会社セラク
地上部の環境や土壌水分を計測し、灌水のタイミングなど栽培に適した行動をAIが提案する環境モニタリングシステムで生産管理を行う。今年度は主に、伊予美人(サトイモ)とイチゴを対象として、収量向上を図る。取得データは、県内のサトイモ生産者及びJAみらい・周桑・おちいまばり等との勉強会を行い、データ活用によって収穫量増にチャレンジする農家を支援する。https://note.com/tryangle_ehime/n/n4f567a726c60
■有人宇宙システム株式会社
愛媛のブランド米「ひめの凜」を中心に、県内優良農家の経験や栽培方法を、宇宙技術(地球観測衛星)を用いた生育監視ツール「リモファーム」を用いて見える化。今年度は中山間で大きな課題となる圃場の水管理の課題解決のため、自動水管理システムloT機器を導入。愛媛モデルを構築し、県内全域で安定した高品質の作物収穫を実現することでトップブランド化し、全国展開を狙う。
https://note.com/tryangle_ehime/m/mb25051fce6d6
■トヨタテクニカルディベロップメント株式会社
国内の食料自給率が低い中、飼料などの高騰が続き畜産業界は苦しい状況が続いている。牛への給餌に関して、これまで人手作業で経験と勘に頼っており、成長を定量的に把握できない、出荷時期が最適化できていない、などといった課題があった。そこで、肥育現場にカメラを設置し個体識別、摂食量、体重を把握し、牛の成長を見える化することで、給餌量と出荷時期の最適化を目指す。
■ソフトバンク株式会社
物流・運送業界の「2024年問題」により、配達ドライバーの労働時間に制限がかかり、首都圏から離れている土地ほど鮮魚を運ぶことができなくなり、近い土地の魚の方が高額で買われるという可能性が出てくる。そこで、肉や野菜などの作物と違い、品質規格が存在していない魚の鮮度や旨みをリアルタイムに計測し新たな品質規格を設け、冷凍魚の品質を上げることでこの問題を解決しようと取り組んでいる。
ネットワーキング
事例成果報告発表と事業紹介ピッチ終了後、会場に訪れた生産者や事業者などが、採択事業者の展示ブースを見て周ったり、事業者同士の交流の場が設けられた。各事業者の発表を聞いた生産者などが、事業者に抱えている課題などを相談したり、同じような悩みを抱える生産者同志のコミュニケーションも生まれていた。
今回、生産者の貴重な生育データとノウハウを、デジタル技術を使い可視化することで、品質向上、業務改善、次世代への継承へと繋げる可能性が示された。今後も、各地で芽が出始めている実装成果を、事務局はレポートしていく。
■公式ホームページ
https://dx-ehime.jp/
\SNSもやっています/
■Instagram
https://www.instagram.com/tryangle_ehime/
■Facebook
https://www.facebook.com/tryangleehime
■X
https://twitter.com/tryangle_ehime
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?