マイケル・ジェンセンとアメリカ中産階級の解体(読書記録)
題名にあった「マイケル・ジェンセン」に反応して購入しました。
マイケル・ジェンセン氏は米国の著名な経済学者で、中小企業診断士試験の財務・会計でも「ジェンセンのアルファ(Jensen’s alpha)」で馴染みがあったりします。
しかしマイケル・ジェンセンと言えば、何といってもJensen & MecklingのTheory of the Firm(1976)が有名です。所謂、「エージェンシー理論」の先駆けとなった論文ですが、コーポレート・ガバナンスの世界では「知らない人はいない」というほど、著名な論文です。私も10年以上前ですが、原文で読みました。
これほど著名な経済学者なのに、「そういえばノーベル経済学賞をとってなかったような…」と不思議に思っていましたが、本書を読んでその理由の一端が分かった気がします。
もう一人、気になったのがバーリ氏。
こちらは、ジェンセン氏より少し前の話(1930年代)になりますが、バーリ=ミーンズの「所有と経営の分離」が有名です。
バーリ=ミーンズという名前と「所有と経営の分離」という概念については、数十年前に(商法・会社法の知識を通じて)知っていましたが、本書を読んでみてバーリ氏の壮大な思想というか、「熱い思い」に触れることができました。
本書は、第二次世界大戦後の米国経済について、「組織人間 ➡ 取引人間 ➡ネットワーク人間」というフレームワークで整理しつつ、数々の登場人物をエピソードなどを交えて紹介する歴史書です。
やや難解な本ですが、興味深い本でした。
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