「毎日王冠」は大好きなレース
こんにちは!「スプリンターズS」は、グランアレグリアの強烈な末脚でGⅠ連勝を飾りました。直線で見せたパフォーマンスは、言葉を失うほどの凄さを感じました。◎としたクリノガウディーは、スタートを決めて折り合いをつける形で、グランアレグリアの1馬身前でレースを進め、良い手応えで直線に向いたので、アワヤの期待を抱かせましたが、5着が精一杯でした。「高松宮記念」の悔しい思いを…と期待したんですが、相手の成長度が一枚も二枚も上でした。
今週から、秋の東京開催が始まります。「天皇賞・秋」と「ジャパンカップ」を控えていることもあり、特別な思いを持つ舞台ですよね。長いこと競馬を観ていて、最も高揚する季節です。特に、「毎日王冠」は、幾つかのGⅠより個人的には思い入れのあるレースであり、思い出に残る年もあります。皆さんもそうじゃないですか?
僕が競馬を観てきた中で、ベストレースの1つ…というか未だにベストなのは、1989年「毎日王冠」です。オグリキャップ、イナリワン、メジロアルダンの3強が、「天皇賞・秋」を前にぶつかったこと。本当は、追い切る前までサッカーボーイも出走予定だったので、その名がなかったのは残念でしたが、この名勝負はいつ、どんな状況でも思い出し、スタートからゴールまでレース実況ができます。
この日は、中学2年でしたが、塾の模擬試験がありました。まだ高校入試に時間もありますから、本気で試験を受ける気にもならず、とにかく「毎日王冠」が気になって、問題を早く解いて急いで家に帰りました。ギリギリ間に合って観たレースが、メジロアルダンが追い出しを我慢し、後方にいたオグリキャップとイナリワンが猛追。フジテレビは堺正幸アナウンサーが実況されていましたが、
「叩き合いが続く!叩き合いが続く!200を切った!オグリ来るのか!オグリ来るのか!イナリワンも凄い!イナリワンも凄い脚だ!さあ、3頭並んだ!3頭並んだ!そして2頭になった!並んで、並んでゴールインっ!並んでゴールイン!外オグリ、内イナリワン!外オグリ、内イナリワン!」
場内はラジオたんぱの佐藤泉アナウンサー
「さあ横に広がって大接戦!ウインドミル先頭!ウインドミル先頭!メジロアルダン、オグリキャップ!イナリワンも間から突っ込んでくる!さあ大接戦、大接戦!ウインドミル、メジロアルダン!イナリワンが突っ込んだ!大外はオグリキャップ!大外オグリキャップ、イナリワンの競り合いだ!オグリキャップか!?イナリワンか!?並んでゴールインっ!これは際どくなりましたっ!オグリキャップとイナリワン!!」
ゴールを過ぎた時、鳥肌が立ちました。このレースを観て、競馬の仕事に就きたい!と本気で思いました。
その数分後、「京都大賞典」で、スーパークリークが危なげない勝利で今年初戦を快勝。この日の上位勢が、記念すべき「第100回天皇賞・秋」で激突し、これまた名勝負を生みました。イナリワンとウインドミルの存在も、テレビ東京で当時、深夜に放送していたダイジェスト番組をしっかりチェックするようになりましたし、UHF局でビッグレースの時に中継があった時もビデオを撮るようになりました。
僕の中での分岐点は、まさに「毎日王冠」にあると思っています。その意味でも、「毎日王冠」には特別な思いを持ち、レースを観ることになるでしょう。オグリキャップが、今でいう3歳で外から差し切った「毎日王冠」も、いよいよGⅠへ向かうオグリの走りに興奮し、「天皇賞・秋」ではタマモクロス以上の評価をしました。3歳馬・サリオスの走り、大いに期待したいと思います。