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AB型の恋愛100/1
人生で1度だけで来た幻の恋人は私にこういった「重いよ笑」
その人と共に何度も春を迎えてきたが、そんな中で初めて見た表情だった。
私のことを否定する発言は一切なく、ましてや重いなんて人生でも言われたことがなかった。
人はどうしても、日頃しないことをすると大げさになってしまう。
ボクシングを始めたての人はどうしても振りかぶるように打ってしまうし、今まで食べるのを我慢していたものを食べると食べる量が増えてしまう。
それと一緒で、AB型は他人に興味を持つことがあまりないため恋人が出来ると一気に集中してしまう傾向があると思われる。
だからだったのかもしれない。何度目の新春だっただろう。春と言っても2人はまだひとつのマフラーを首に巻いて歩く日常だった。
バレンタインも貰った。でもその三日後、急に別れを告げられた。
もう何ヶ月が経ったが、未だにその理由は分からない。
でもひとつ思い当たるのは、見返りを求めすぎた事だ。
AB型はプライドが高い。
自分が頑張ったことを少しでも否定されたり、当たり前のように扱われたらムカつくのである。
私は幻の恋人にものすごく尽くした。指に針でイニシャルを彫ったりもした。
体に残ることをしたら、進学したって繋がってられる、相手に気持ちが伝わると思っていたのもあったが、まず第1は「体に残るくらい愛してるんだからそれなりのことしてくれるよね?」という思いだ。
今考えてみればなんと自己中な女なんだろう。自分が好きで彫ったのに見返りを当たり前のように求めていた。
一緒のクラスになるために夜まで2人で勉強した塾の帰り、肌に突き刺さるほど冷たく鋭い夜風も2人の手の温もりが安心させた。
そんな毎日も私の見返りで壊れた。
塾も私は関心がなくなり、クラスもガタ落ち。志望校もc判定になって結局は学区の当たる学校にした。
卒業までの日々も、クラスメイトは40人程いたのに、たった2人の世界だと思い込んでいた。お互いに思い込んでいた。
マイペースなab型と、几帳面なa型は合わない。そういう言い訳で自分のことを落ち着かせた。
もうそれから夏が来て今に至る。あの頃のように毎晩泣くことは無いし、学校も離れたおかげで幻の恋人の生命力のある肌、動く背中を見て泣くことも無い。
授業中ハサミを握って覚悟を決めることもない。
あの頃より今の方が私は輝いているのかもしれない。
でも、今の私は昔の方が幸せだったな、とおもう。
今の私なら絶対に続いていた、とか、あの時のあんな言葉が、とか。
夜の帰り、空を見上げて泣くことだってある。
よく考えた。私に生きる意味などあるか。
あ、私彼氏いたことないわ