癒やしのイルカ
温かな南の海に住むイルカは、いつも心穏やかに、優しい気持ちで暮らしていた。
そして、人間と戯れることもできて、心が傷ついた人や心を閉ざしている人と接するとすぐに気づき、一緒に遊ぶのだった。
ある日、いつものように島の近くで泳いでいると、船が近づいてきて、そこに1人の女性がいるのがわかった。
イルカは、彼女が心を閉ざしているのにすぐ気がついた。
「あの人は、心を閉ざしている。なぜかな。僕と一緒に遊べばきっと心をひらいてくれる。元気になれるよ。」
船にイルカが近づき、彼女がイルカに触れたがっているのがわかった。
イルカは、一層近づいていき、彼女に触れてもらえるぐらいまでいった。
彼女の手は震えていたけれど、イルカの優しさに気づいているようで、丁寧に撫でてくれた。
イルカは、気づいた。
「きっと、彼女は何か嫌な思いをして、心を閉ざしてしまったんだ。僕たちや、海で遊んでいたら時間はかかってもきっと心をひらいてくれそうだな。」
彼女は、イルカと出会ってから、心がなぜか安らいでいるのがわかった。だから、ほぼ毎日のように海へ出て、イルカに会いに行った。
そして、最後の方では海に入り、イルカと遊ぶようになったのだ。
彼女はイルカがまるで自分の心の中を見透かしているように感じたが、でも嫌な感じではなく、安心してしまう心地よさだった。
イルカと出会い、何日が過ぎただろう。
イルカと一緒に過ごすのは、もういいかな、と彼女が思った時、彼女の心は癒され、笑顔が戻り、心はだいぶ開いているのを感じた。
「よかった。あの人はだいぶ心が開いてきたみたいだ。もとの生活でもリラックスして過ごせるといいな。」
そして、彼女は帰っていった。
イルカは、またいつもの海で遊ぶ生活に戻るのだった。また、イルカを求めてくる人がくるまでのんびりとね。。
おしまい🐬
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