テレワーク導入企業だけが得られる、採用活動におけるよい影響とは?
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、企業側・労働者側ともに「働き方」の中でも特に注目を集めたキーワードが、テレワークです。
今回は、『テレワークの導入が採用活動にどう影響するのか』を明らかにするために、働く個人側のテレワーク希望の状況を確認しながら、採用において、「テレワークができる」企業のメリットについてお伝えしていきます。
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【この記事でお伝えすること】
1.企業側のテレワーク導入率は約3割、働く個人側の経験率も約3割。
2.テレワークを経験者のうち、約9割は継続意向をもっている。
3.企業の採用活動において、「テレワークができる」ことで得られる5つのメリット
・若手層の獲得にはマスト?!就活生にはポジティブイメージ、安心感を与える効果もある
・ 勤務地、居住地に縛られずに人材を呼び込める
・テレワーク経験者層の人材を呼び込める
・多様な人材が集まりやすくなる
・採用ではない形で、業務遂行力を確保する可能性を広げられる
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はじめに:テレワークの現状と実際
企業側のテレワーク導入率は、2019年時点では10.3%でしたが、2021年9月の調査では、32.2%と3倍に増加しています。
出典:「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査 | (内閣府)
一方、国土交通省が毎年実施している「テレワーク人口実態調査」の令和3年度のデータによると、雇用型就業者のうち、現在の仕事でテレワークを実施していると答えた人の割合は、27.0%でした。
さらに、この調査の内容で興味深い点は、
◆テレワークを実施している人(雇用型テレワーカー)のうち、約89%が継続意向がある
◆テレワークを実施していない人(雇用型非テレワーカー)のうち、約51.9%がテレワークが認められたら実施したいと回答した
という結果です。
■2-7.テレワークの継続意向等(テレワーカー)
■2-12.テレワークを実施していない理由・今後の実施意向(非テレワーカー)
これらの結果からは、「テレワークができるか」は働く側にとって重要なポイントになってきていることが伺えます。
テレワークの活用が認められないとなれば、離職のリスクは増えることになりますし、採用活動の際にはテレワーク実施の有無が求職者にとって企業選びの選考基準の1つになります。
実際、2021年にパーソルキャリア株式会社が実施した「第3回・自社のリモートワーク・テレワークに関する調査」によると、下記の結果がでています。
◆今後、リモートワーク・テレワークを充実させないことが「採用や社員の定着にマイナスにはたらく」と回答した採用担当者の割合は約5割(46.3%)
◆約3割(31.5%)の採用担当者が、リモートワーク・テレワークの実施により「応募者の意向が上がった」と感じている
ここまで見てきたように、いまやテレワークは企業そして就労者の約3割が経験しています。今後、労働市場で人が流動していくにつれ、リモートワーク実施への要望を無視して人材の確保を行うのはどんどん難しくなっていくことは容易に予想されます。
ここからはもう少し、企業の採用現場で何が起こってきているのかについて、紹介したいと思います。
テレワーク導入企業は、採用人材の選択肢を広げることができます。
具体的に5点お伝えします。
1.若手層の獲得にはマスト?!就活生にはポジティブイメージ、安心感を与える効果もある
様々な人材紹介会社が就活生に対してアンケートをとっていますが、どの調査においても、おおよそ7~8割ほどの就活生がテレワーク勤務を希望しているとの結果がでています。
とはいえ、新入社員にとってフルリモートでの業務遂行に難しさはあると思います。実際アンケートでも出社とのハイブリット型を希望する方が多いようです。
就活生にとっては、実際のテレワーク環境にメリットを感じることとは別に、
『テレワークを取り入れている=先進的な会社、柔軟に対応できる会社』というイメージのよさが、テレワーク希望に繋がっているともいえます。
2. 勤務地、居住地に縛られずに人材を呼び込める
フルリモートが可能な会社であれば、日本全国、世界各地からでも人材を呼び込むことが可能になります。
また、出社とのハイブリット型だとしても、通勤時間の許容範囲が変わり、より広範囲に住む方が応募してくれる可能性が広がります。
労働人口が減少している現状からすると、母集団を増やすことができることは採用活動において大きな意味をもちます。
3.テレワーク経験者層の人材を呼び込める
国土交通省が発表した「令和3年度 テレワーク人口実態調査」によると、テレワークの実施率は企業規模が大きいほど高くなります。また、職種別にみると、研究職や管理職、営業職はテレワーク経験者が50%を超えています。
テレワーク経験者はテレワークの継続意向が高いことを踏まえると、テレワークの活用がなされていない企業は彼らにとっては魅力的に映らず、応募意向が低くなってしまうと考えられます。
また、研究職や管理職、営業職は採用活動で苦戦する傾向の高い職種と重なります。そのことから、逆に積極的にテレワークの活用に取り組むことで、これらの職種での採用活動において、未導入企業に差をつけることができるとも言えます。
◆2-2.就業者の属性別テレワーカーの割合④(職種別)
◆2-2.就業者の属性別テレワーカーの割合⑤(企業規模別)
4. 多様な人材が集まりやすくなる
2017年ころから政府は積極的に企業へリモートワークを推進する施策を行っていますが、その目的の1つは人手不足の解消や、ワークライフバランスの推進にあります。
テレワークが普及することで、これまでの労働環境では就労することが難しかった人や就労を希望しなかった人が求職市場に出てくるようになりました。
例えば、育児や介護と両立できる仕事をしたい人、配偶者の転勤により居住地を変更した人などがいます。フリーランスに転向していた人が就労希望に戻ってくるというケースもあります。
また、通勤時間短縮などのテレワークがもたらすライフスタイルの変化によって、仕事以外の場(学びの場やボランティア活動、趣味の活動など)をもちたいと願う方がテレワーク導入企業に関心を強くもつことも考えられます。
このような多様な生活環境、価値観を持つ人を集めて組織をつくっていくことは、これからの採用戦略として非常に重要な要素の1つになってきます。
5. 採用ではない形で、業務遂行力を確保する可能性を広げられる
テレワークの広がりと時を同じくして変化したこととして、フリーランス人口の増加やBPO(Business Process Outsourcing)サービスの増加が挙げられます。
テレワークをうまく使いこなせている企業は、業務の分担や管理がうまくできているともいえます。その下地があれば、フリーランス人材やBPOの活用もスムーズに行うことが可能でしょう。
すると、社員の労働力のみではなく、外部をうまく活用した業務遂行が可能になります。
まとめ
今回は、企業側から、そして個人側からそれぞれのテレワークの実施状況についてお伝えしました。
そして、「テレワークができるか」が企業の採用活動にどのような影響を与えるのかということについてご紹介しました。
採用活動で有能で多様な人材の確保をするためには、テレワークができる企業環境はプラスに働きます。
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