ファシリテーターの準備<その2>オープンで好奇心を忘れない
ファシリテーター 丸山さちこの、リフレクション項目のひとつ目
1.私はどの程度「いま、ここ」に集中し、オープンで好奇心を忘れずにいられたか の続きです。
先日は「いま、ここ」の重要性について話しました。「いま、ここ」に集中するには、後悔、焦り、不安、画策などが妨げになります。
「オープン」と「好奇心」をうまく使うことで、こうした内面の障害から遠ざかることができます。
■オープンであること openness
あなたは、自分の認識・判断・推測からどれだけ自由でいられますか?
ビジネスや変革の場でファシリテーターとなる人は、少なからず専門性や経験を身につけています。そうした自負が自信につながる一方で、そのために偏りのある見方をしてしまっていることに気付けずにいます。
・このグループ(人、チーム、状況)にとって何が最善か、私は知っている
・あなたが言いたいことは、よく分かっている
・選択肢は、これとこれとあれ
・そのやり方ではうまくいかないと私には予測できる
ファシリテーターの自己正当化です。
自分の認識にしがみつき、参加者を判断していることに、ファシリテーター自身が気がつくことができない。
ファシリテーターが自己正当化をはじめると、参加者は防御や抵抗をはじめます。
ファシリテーターに向けられた防御が、いつしかメンバーに向けられて、参加者たちもオープンでいることができなくなってしまいます。
「オープンでいる」とは、どんな状態でも「目の前で起こっていること」をそのまま受け止めること。
そこに『好奇心』の風を吹かせましょう。目の前の状態を、好奇心をもって眺めるのです。
いま参加者は何を思っているか?
全員が同じ認識でいるのか?
この場に足りない情報はなにか?
好奇心が、その場に最適な問いを生みます。あらかじめ用意した問いではなく、その場と参加者にふさわしい問い。
オープンネスと好奇心は、参加者の意識を集める問い、物事を前に進める問いを生むことができます。
・自己の認識・判断・推測を離れ、オープンマインドを保つ。
・場と参加者への好奇心を持ち続ける
この2点が、ファシリテーターを「いま、ここ」に集中させてくれます。