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#20 いい音を出すために。

 ハンドベルは打楽器の部類になる。腕を振ったタイミングで、中の振り子をベルに当てて音を出すからだ。吹奏楽ではブレスやタンギングで音を揃えるが、打楽器未経験の私が響きの良い音を出すにはそれなりのきちんとした基礎練習が必要だ。
 吹奏楽のコンサートでは、客席で見ている側からすると、マーチなど一定のテンポで演奏される時のバスドラム奏者(大太鼓)が簡単そうに見えるらしい。ただ『ドン、ドンッ』と単調に叩けば良いだけだと。
 また、トライアングル奏者もラクそうに見えるらしい。ただ『チーンチンッ』と鉄の細い棒で叩いているだけなら、小さい子でもできるよね?とか。
 い〜や、いやいや、ちょっと待って下さいよ?
そんなことを言う方には、打楽器奏者の本質を知ってもらわねばなりません。その『ドン』や『チン』の一つ一つに、奏者がどんなにこだわりを持ち、努力を積み重ねているのかを。指揮者から要求される様々な『ドン』や『チン』の音色。
『もっと固い音で。』
『ここは明るい音で。こっちは暗い音で。』
『丸みのある音を出して。』
などと要求される。それに対して、打つ力やスピード、楽器の叩く場所などを調節するとのこと。同じ音量、音色で延々と打ち続けることの難しさは伝わりにくいかもしれないが、これはまさに職人技なのである。

 大小並んだ数々のベルにも個別にクセが付いていた。よく使われたベルは振り子部分がゆるくなっているのか、少しの動きだけでも『カツーン』とキツイ音が出てしまう。演奏中には加減が必要だ。一方、低音の大きくて重いベルを響かせるのも至難の技。
『ハンドベルじゃなくて、ダンベル⁉️』
これを片手で振るには筋トレが必要かも・・・。

 YouTubeなど、動画で奏法を学べるのは本当にありがたい。母らの時代は、指導者を求めて他県へ習いに行ったと聞いた。今やプロの指導もSNSで学べる時代。大いに活用させていただこう。

※腕は『振る』というよりも『前へ押し出す』感じである。

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