音大音高入試の実技試験は何を重視しているのか
音楽大学も秋に入試をするところが増えてきて、東京音大の吹奏楽アカデミー専攻もそのうちのひとつ。総合型選抜という吹奏楽アカデミー専攻に入りたいと考えている人が受験できる試験です。ちょうど今日から願書提出です。
僕が高校生の時にはそんな制度はなく、いわゆる1月から2月頃に行われる一般入試で受験したわけですが、僕の場合滑り止め受験を一切せずに東京音大一本だったので、もし不合格だったら即時浪人決定というハイリスクな条件でした(しかも今よりも圧倒的倍率の高さ)。
もう30年も前のことなのに入試当日のことはよく覚えています。というか緊張して頭の中が真っ白になったことを覚えていて、実際どんな演奏したのかは当時から記憶にございません。合格できてよかった。
実技試験で見ていること
さて、この音大や音高の入試、試験官はどんなところを見ているのか。もちろん試験官の先生によってそれは若干違うかもしれませんが、多くの場合「基礎力の安定さ」を見ているはずです。基礎力は入学後の授業についていけるか、そして将来性があるかを見定める大切な部分です。
入試は楽曲だけでなく音階やリップスラーなど一般的には人前で披露するようなものではない基礎練習という領域の部分も課題にすることがとても多いです。まさに基礎力を直接確認する意味合いです。
基礎力をきちんと持っていることは、イコール自力で譜読みができる力を持っている、ということです。音大は吹奏楽、管弦楽、室内楽、ソロなど演奏系授業やレッスンでそれぞれ何曲も同時に譜読みをしなければいけません。それらの授業は毎週繰り返されるわけですから、短時間で正しく確実に譜読みができなければ授業についていくことはできません。
音大によって求められるレベルが違う
どこの音大音高入試でも超絶技巧を多用する難解な作品を課題にしているところはなく、基礎力を確認するための内容になっています。ただし基礎力と言ってもその範囲は広大で、最低限の範囲に絞っている学校もあれば、非常に高い基礎力を要求しているところもあります。したがって入試課題を見ることで、その大学のレベルの高さがわかる、ということです。
「〇〇音大に行きたい!」と夢を持つことは大切ですが、実際の入試課題を見て、志望校に合格するためにはどのくらいまで基礎力を高める必要があるのか、それを自分が手にいれるまでにどのくらいかかるのかを冷静にイメージして計画的に取り組むようにしなければなりません。
受験対策レッスン
ということで、毎月複数回開催しております単発参加型トランペットレッスン「ツキイチレッスン」は音大・音高受験対策レッスンも行っております。現在も数名、音大音高を目指して頑張っている生徒さんがいらっしゃいます。進路相談なども可能ですので、将来音大や音高に進学したいと考えている方、ぜひお気軽に一度レッスンにいらしてください!
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荻原明(おぎわらあきら)