譜面台の距離、高さ、位置
トランペットを吹いている時の譜面台の距離や位置について考えたことはありますか?
経験則ですが譜面台と奏者の距離がとても近い人が多い印象です。ヘタするとベルと楽譜がくっついてしまいそうなくらい近い人もいます。
もしかすると、とても狭い環境、もしくは部屋のサイズに合わない大人数で合奏や練習をしている(していた)習慣が影響しているのかもしれません。
部活指導におじゃました際にその話をすると、だいたい返ってくる言葉は視力の問題、というワードなのですが、ぜひこの先の内容を把握していただき、対策をとってもらいたいです。
譜面台は遠くへ置く
結論として、譜面台はできるだけ遠くに置くことをおすすめします。どのくらい遠くかと言うと、楽譜をめくる時に腕をピーンと伸ばして若干前屈みになるくらいです。遠いですよね。
そのくらいの距離になると、トランペットを構えても遮るものがなくなって、楽器の響きを会場全体に届けることができます。
譜面台の高さは指揮者との関係
また、高さですが、これは楽譜(譜面立て)の上に指揮者が見えるようにします。低すぎると指揮者が視界から消えてしまい、高すぎるとそもそも見えません。奏者は曲中の場面が変化する部分や自分のパートが重要な役割を担う場面では指揮者を見る必要がありますが、ずっと見ている必要はありません。とは言え、常にたくさん情報を出している指揮者を無視して演奏sるうのは当然よくないので、楽譜を見ていてもその上に指揮者の動きを捉えている状態にしたいわけです。
譜面台は正面に置く
そうなると、譜面台は真正面に置くしか方法がなくなります。よく吹奏楽部(とくに小中学校)で、譜面台を右にそして斜めに置いているところがありますが、楽譜を見た時に目線も首も体も曲がってしまいますし、何より指揮者が見えません。
なぜ譜面台を右斜めに置くのかをこれまでかなりの人に聞いたことがあるのですが、その多くは「…音を遠くに飛ばすため?」と自信なさそうに答えることばかりです。
トランペットは弓矢でもなければピッチングマシーンでもないので、ベルから音の塊が客席に向かって飛び出すわけではありません。楽器そのものが強く共鳴したことによってホールの空間の空気をどれだけ振動、反射させられるかが、音の飛距離になります。ですから、譜面台がベルとくっついてしまうくらい近いのは響きを遮断しているために不利ですし音色も変わればピッチも変わってしまいますが、だからと言って別に右斜めに置く必要もないわけです。
譜面台の距離や角度にあまり関心がない方が多い印象がありますが、演奏する上で非常に大切な要素です。指揮者や指導者から「トランペット聴こえない」とか「音をもっとクリアに響かせて」とか「ピッチが不安定」とか言われたその原因が譜面台の位置かもしれません。
ぜひどこに譜面台を置いたらベストなパフォーマンスができるか研究してみてください。
今回のブログを書いていて、イスのことも書いたほうが良い気がしたので、次それ書きます。
荻原明(おぎわらあきら)