【基礎の三大柱】3:リップトリル
先日「基礎の三大柱」と題してロングトーンとリップスラーの重要性について書きました。ぜひそちらもご覧ください。
そして、今回は3つ目「リップトリル」です。
リップトリルとは
リップスラーはよく耳にするけれどリップトリルは聞いたことがない、とか、言葉は知っているけれど具体的にどういうものかわからない、という方が多い印象です。
リップトリルとは、アパチュアサイズをコントロールして、もっとも近い倍音に一時的に「変化させる」技術です。
リップスラーと大きく異なる点は、リップスラーは倍音を完全に移動するのに対して、リップトリルはあくまでも一時的に音の高さが変化しているに過ぎず、体はロングトーンの状態をキープしている(アパチュアサイズのコントロール以外は変化がない)という点です。
話題になりにくいリップトリル
なぜリップスラーよりも圧倒的に知名度が低いか、それは多分リップトリルがどのような場面で用いられているのかピンとこない人が多いからだと思います。
しかし、実はこの技術を持っているのとそうでないのではできることの範囲が大きく変わり、演奏の結果にかなりの違いが生まれます。
リップトリルの効能
リップトリルはたとえば五線の中のド→ミなど同じ運指で近い倍音の移動を素早く行う際に使用します。リップスラーでもできるかもしれませんが、リップスラーは比較的大きい動きで行うため、速い動きには不向きな点も多いです。
また、五線の一番上(第5線)のファからソ、その上のソからラに移動するなど、高音域の隣り合う音で倍音のグループが変わる時に音がひっかかりやすい(はずしやすい)のを解消する役割もあります。
したがって、音階のようなメロディをスムーズに演奏する際にもリップトリルの要素を含めたコントロールをすることでそれを実現させることができます。
僕はレッスンで、リップトリルは画像のピントを調整するオートフォーカス機能のような役割、と言うことも多いです。
アーバン金管教則本
多くのトランペット奏者が持っていて(そして使っていない)アーバン金管教則本。この本の真ん中あたりにリップトリルの練習がたくさん掲載しています。もしお持ちでしたらご覧になって、チャレンジされるのもよろしいかと思います(新版 p.48の16番以降)。
僕もレッスンでこの一部を参考にした練習を生徒さんと一緒にしています。
ツキイチレッスンで正しいリップトリルを手に入れましょう!
単発参加型トランペットツキイチレッスンでも、ウォームアップの一環としてリップトリルを取り入れることがとても多いです。
リップスラーとリップトリルが具体的にどのように異なるのか、リップトリルを行う際の体の使い方や練習上の注意点、毎日の取り入れ方など、ツキイチレッスンで詳しく解説、実践しております。
リップトリルを習得して、より安定した演奏を目指しませんか?単発参加型のレッスンなので、お気軽にお越しください。会場は池袋です。
開催日、詳細、お申し込みはこちらです。
ということで、トランペットを演奏するための3つの三大柱、ロングトーン、リップスラー、リップトリルについてお話ししました。ぜひこれらを安定してできるように練習してみてください。
荻原明(荻原明)