見出し画像

研究と実験→練習(練習について考える)

先日ここで「練習」についての記事を書きました。

今回も練習に関してのお話しです。

研究と実験

音楽をする人は必ず練習をします。しかしこの「練習」という言葉はとても広範囲の意味で使われていて、本番以外の楽器を演奏している時間、ウォームアップも基礎練習も教則本も譜読みも合奏も全部「練習」と呼ぶことがほとんどです。

したがって「練習」という言葉を、もっとカテゴリー分けして、今自分がどんなことをしているのか、何をするための時間なのか目的意識を明確にしてみると効率的になると考えます。

僕の中では、曲を人前で披露できる状態に完成させるために楽器を演奏している時間を「練習」と呼び、テクニックのクオリティを上げたり、まだ持っていないスキルを身につけるための行為を「研究と実験」と呼んでいます。曲を理解するために行なっているスコアリーディングや音取り、ソルフェージュ、作品解釈なども「研究」の一部です。ダブルタンギングをキレイに演奏できるように舌の動きをどうするとベストなのか、そうした試行錯誤をしている時間は「実験」と呼びます。

そうすると、例えばこんなストーリーが描けます。

1.渡された楽譜をまんべんなく演奏できる場合(練習)
部活や楽団で、次の本番に向けて新しい楽譜を渡されたとしましょう。多分とりあえず皆さん吹いてみると思います。
その際、とりあえず最後まで問題なく演奏できたとしたら、その作品を演奏するためのスキルはすべて持っている、ということになり、次に行うのはもっと作品を詳しく知り、クオリティを上げて本番に向けて練習することです。

したがって、これは「練習」と言えます。作品を詳しく知るための部分は「研究」かもしれません。

2.渡された楽譜通りに演奏できない(研究)
ただ、渡された楽譜の全ての部分が問題なく演奏できるほうが少ないかもしれません。きっとどこかでフィンガリングが思うようにいかなかったり、読みにくいパッセージがあったり、トリプルタンギングを要求されているけどそもそもスキルがなかったりなど、技術的に困難な箇所が含まれていることのほうが多いと思います。
また、楽譜に掲載されている楽語や、場面ごとのテンポ、作曲経緯(作品の背景)、作曲者について知らない場合は調べる必要があります。

そうした現時点で持っていないスキルや知識を手に入れる場合は、一旦楽譜から離れて、教則本を使ったり、ネットや文献で調べるため、これらは研究と呼びます。

3.テクニックを手に入れるための時間(実験)
では例えばトリプルタンギングができないと作品が演奏できないわけですから、新しいテクニックを手にいれるために教則本を開いてトリプルタンギングについて吹いてみるわけです。しかし闇雲に音を出していても解決はしません。トリプルタンギングの原理や具体的な方法について学び、試行錯誤することでスキルを手に入れます。
こうした時間を実験と呼んでいます。

科学なども同じですが、実験は一発で正解に辿り着くことはほとんどありません。トライアンドエラーを繰り返し、根気よく続けていく必要があります。

このように実験や研究をして、具体的な方法を見つけ、それをいつでも発動できるように自分のスキルにするために練習を行う。そうすれば曲を演奏しているときに止まってしまったり突っかかってしまうことがなくなります。

ですので、「実験・研究」→「練習」の構図を常に持っておくことが大切です。

今回お話しした中で、多くの方が「実験」の段階を飛ばしていたり、わかっているけれど目を逸らしていることが多い印象です。確かに、実験は根気がいるし、そもそも時間がかかる行為です。社会人の方は特に、トランペットにそんなに時間をかけることができないため、どうしてもできないところができないまま合奏に臨むことになったりと堂々巡りが起こりやすいです。

実験をするためには材料が必要ですし、ある程度の原理を理解していないと果てしなく無限の方法が生まれてしまうため、回答へ導くために的確な情報が欲しいところです。そのためにはやはり教えてもらえる環境があった方が良いのです。

ツキイチレッスンで効率良く成長しませんか?

毎月複数回開催しております単発参加型レッスン「トランペット ツキイチレッスン」は、単発参加型で内容自由ですから、今回のお話しのように特定の技術を手にいれるためのレッスンもできます。原理から実践方法、テクニック習得までの流れを詳しく説明しながら実践していきますので、効率良く成長できます。

ぜひ今演奏している楽譜を持参していただき、苦手なところ、できない箇所を一緒に克服していきましょう。

ツキイチレッスンの開催日、詳細、お申し込みはこちら

ご参加お待ちしております!

荻原明(おぎわらあきら)

いいなと思ったら応援しよう!

荻原明(おぎわらあきら):トランペット
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。