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基礎練習が楽しくない(からやりたくない)人へ

教則本など基礎訓練を目的とした楽譜は、同じパターンが繰り返されたり、ひたすら長い音が続いていたりと、どうしても退屈に感じてしまいがちです。

でもその退屈さを自分の低いテンションとリンクさせてしまうと、もうホントにクソつまらない時間になってしまいます。そうなってしまうくらいならやらないほうが良いと思う一方、そうした教則本に取り組むからこそ得られる技術が沢山あるわけで、やりたくないからやらない!と意地を張るといつまで経ってもできないことはできないが続いてしまいます。

ではこのバランスをどのように保つか。2つ提案してみます。

1.パワーアップした自分を妄想する

例えば、ダブルタンギングやトリプルタンギングは教則本を地道にやってこそ安定した技術が得られるものだと思いますが、もし(今はまだ上手にできない)自分が、これらを完璧に演奏できたなら、を想像して欲しいのです。
「ヴェニスの謝肉祭」をいとも簡単に演奏して喝采を浴びている自分や、それができたことに対して満足している自分。

ようするに目標を持っていれば取り組む意志が生まれるということですね。

2.目的を自分で決める

例えば、基礎練習の最もつまらないもののひとつにロングトーンがあると思いますが、つまらないのは「何でこれをやってるのかわからない(曲吹いてたほうが楽しい)」と思ってしまうからです。
何でやってるかわからないなら、これで何を手に入れるかを自分で決めてしまえば良いと思うのです。ロングトーンは安定した演奏をするために行うものではありますが、その「安定」には様々な要素がありますし、様々な条件の下での安定があります。だったらその「様々」の中からひとつピックアップして、それができるか確認する時間にしてみましょう。

例えば、「フォルティッシモで4拍継続できるのか」とか、「最高に良い音ってどうやって出すんだろう?」の研究時間にするとか。

本来教則本は著者(作曲者)がその教則本それぞれの曲を練習する意味や目的を込めて作っているので、それを見抜くことが大切ではあるのですが、それだけでなく、自分で好き勝手に目的や目標を作って楽しめれば退屈ではなくなると思います。

結局のところ音楽はどのようば場面においても受身の姿勢では成り立たないわけです。自ら楽しみ、その楽しさを発信したいと思う能動的な姿勢、意志が大切なので、音楽に触れている時はその内容が何であれ、楽しんで欲しいと思います。


荻原明(おぎわらあきら)

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
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