読んだもの:デンマーク人のしあわせ

これは、読んだものについての簡単なメモです。
あまり多くを書くことはできないけれど、ついったでは書き留めるのが難しいようなものについてメモを残しておくことと、関心の共有が目的です。

引用は自分の印象に残ったものを抽出したもので、もちろんそれが原文全体の内容や主張を代表するものではありません。

ヒュッゲ(Hygge)とは何か?――デンマークが幸せの国と言われる理由

デンマークは、世界一幸せな国の一つとして認識されているのだそうだ。とても興味深いと思った。

デンマーク政府がその要因として挙げているのが
①高税率による高福祉社会
②社会の信用と安全性の高さ
③ヒュッゲ
④人生の選択権利

デンマーク語にはHappinessに相当する語がないらしい。それが調査結果に影響している側面もあるように思えるけれど、それでもデンマークの人たちにとっての価値ある時間として、ヒュッゲという概念があり、それも要因の一つとして、未来への肯定感があるのかなという感じがした。

ただ、記事を読んでいると、平均の労働時間は短いものの、高所得者ほど一般にハードワーカーである、そして離婚率も高く、(筆者の主観的記述だが)アルコール中毒者や鬱病患者を見かけることも稀ではないとある。「すべてのデンマーク人が本当に幸せかは分からない」とも書かれている。

いつかデンマークの人とコミュニケーションできる機会があったら、ヒュッゲというのはどんなものなのか、聞いてみたい。

デンマーク政府によれば、デンマーク人の多くが「人は可能なかぎり労働するべきであり、公益のために納税する義務を果たすべきである」と確信しているという。そして、25%の付加価値税(VAT)や150%の新車の車両登録税といった高額な納税により、人々は充実した社会的支援を受けられるとしている。
デンマーク政府は、個人的な関係だけでなく、ビジネスや政治すべてにおいて、「信頼・信用」がデンマーク文化・社会の重要な要素であると述べている。人間関係において各自が正直であることが期待されており、ビジネスや政府職員の汚職・腐敗が稀であるという。
安全性の面でも、デンマークの世界的な評価は比較的高い。
(中略)
日常では、政府の事例のように、親がカフェ店内でお茶を飲んでいる間、赤ん坊が屋外のベビーカーで寝ている姿を頻繁に見る。しかし、一部の地域では、ギャングの抗争や宗教に起因する発砲事件も起きており、すべての地域が安全とはいえない。
デンマーク政府は、ヒュッゲは「シンプルで良い人生の一部を、自分の大切な人々と過ごすこと」と定義している。例として、寒い冬は屋内で友人たちと温かい飲み物を飲みながらゲームや会話を楽しみ、屋外では自然の中を歩きながら動植物と寒さの関係に思いをはせ、夏はサマーハウスの庭で、地産地消のホームパーティーを開催することをあげている。多くの場合、家族や友人と共にいることでヒュッゲに過ごせるが、自分一人でも、気に入った本やテレビ番組を見ながら過ごせば、それもヒュッゲだという。
デンマークの労働市場は、「フレキシキュリティー(Flexicurity)モデル」と呼ばれ、基本的に終身雇用制度はないが権利保障が手厚く、労働者は比較的頻繁に転職することができ、企業も比較的簡単に解雇することが可能である(Aasen et al., 2016)。つまり、平等な成功機会と十分な経済機会がある社会的流動性の高い国であるといえる。
つまり、ヒュッゲは平等主義、家庭主義、中流階級的生活、精神世界への関心といったスカンジナビアの文化と日々の生活において起こるものであり、様々な方法で、社会階層や競争、市場に反す一時的なシェルターを必然的に作り上げる活動である。これは、デンマーク社会の一端にある、排他的な文化でもある(Linnet, 2011)。
物質的な充実を求める資本主義の競争関係を否定し、相関的な平等主義を実現することで、個々の心の安全と快適さを追求するヒュッゲと、自己の心の中を見つめていく内向的な文化的活動が、デンマーク人の幸せとなっていると考えられる。厳しい自然の中で安全で快適に生きていくための知恵と言えよう。

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