歌うことは息すること
今日は透き通る様な青空の下、揺れる緑がとてもきれいで大きく深呼吸してのスタートでした。
メルマガ3日めです。
今日は楽曲提供している方のボイストレーニングをしていました。
そこで今日はボイトレを切り口に歌についてお話したいと思います。
最初のメルマガで、
「人は生まれた瞬間から歌っている」とお話しましたが、
生きること
つまり「息をすること」
と
歌は
切っても切れない関係にあります。
ここで一つクイズですが、
歌において息を「吸うこと」と「吐くこと」はどちらが大事だと思いますか?もしくはどちらが先ですか?
・・・
正解は「吐くこと」です。
吸うから吐けるのではなく、吐くから吸えるのです。
これは万物の理で、
身体は食べるより出すのが先
電車は乗る人より降りる人が先
お風呂もお湯を入れるより抜くのが先
それが健康な状態や綺麗な状態、
安全な状態を保つポイントですよね。
これが逆になると
色々おかしなことになってきます。
話を戻しますが、
吐いた息が、
声帯を震わせ、
それが身体に共鳴し、
口で形を作って出されると、
声になります。
歌をうたう大きなポイントは、
実はこの息の吐き方を知っているか
なんです。
じゃあボイストレーニングでは息の吐き方を教えてくれるのね?
となると思うのですが、
呼吸とはとても自然な営みなので、
意識すると逆にできなくなることが多いですw
もちろん歌に関する息の吐き方のコツはありますが、
根本的に深い呼吸、
自然な呼吸という意味で、
スポーツやヨガ、そして書道など「道」がつくものは特に呼吸を大切にします。
写真も息を止めると表情が死んでしまいます。
苦手意識のある人は緊張して息が止まってしまうのです。
では、
どんな時に深い息ができていると思いますか?
きっと自然豊かな森林の中とか、
空気が綺麗なところとか、
寝ているときとか、
リラックスしているときや、
気持ち良いなあと感じるときではないでしょうか。
人は緊張していると息が吐けなくなるので歌がうたえないのです。
かつて僕も歌がうたえなくなりました。
息ができなくなっていたんです。
もちろん誕生日にライブするなんてもってのほかでした。
それが30歳頃から自分の中にあるものを出せる環境ができました。
その頃から僕の人生は息を吹き返しはじめました。
さらにここ5年間は、自分の中にあるものを安心して出せる環境をプロにお願いして確保しています。
もちろん家族や友人がそんな存在でいてくれたらありがたいのですが、実は近いほど難しい。一時的にできても持続は難しいのです。
僕もここ3年ほど学びの場に出かけ、トレーニングと研究を重ねてきていますが、本当に奥が深くまだまだ鍛錬が必要だと感じています。
しかしながら僕のクライアントさんは、
仕事がうまく行き出したり、
夫婦仲がよくなったり、
表情が豊かになったり、
歌以外で人生が好転していく方が多い気がします。
もしそれに要因があるとすれば、
歌を教える How To よりも、
「息を吐ける場所でいる」ことを大事にしているからだと思います。
人は完璧ではないですから、
自分の中にあるものは簡単には出せません。
出したら咎められてしまう
否定されてしまう
そんな恐れがあります。
でも安心安全な場所が確保されると、
少しずつ自分が出せるようになっていく。
そして時が満ちた時
勝手に人生が歌い始めるのです。
僕は、
自分自身が生き生きと歌い、
関わる方の人生がどんどん歌い出す、
そんな仕事をしていきたいと思っています。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
2020年5月29日
小田ルイ